実はまだ続いていました…
<凡例>
赤文字:英語がよくわからない、解釈できない部分。
青文字:(私のとっての)新出単語
紫文字:感想、原作(正典)との比較など。
灰色文字:ト書き
日本語として滑らかにすることよりも、なるべく直訳して英語のまま理解したいと考えています。
BASKERVILLE
GUARD: Afternoon, sir, if you could turn the engine off. Thank you.
こんにちは。エンジンを切っていただけますか。どうも。
SH:I need to see Major Barrymore as soon as we get inside.
中に入ったらすぐにバリモア少佐に会わなければ。
JW:Right.
わかった。
SH:Which means you’ll have to start the search for the Hound.
だから、君にハウンドの調査をしてもらわねばならない。
JW:OK.
了解。
SH:In the labs. Stapleton’s first. Could be dangerous.
研究室では、ステープルトンのところが最初だ。危険がありそうだぞ。
BARRYMORE: Oh, you know I’d love to. I’d love to give you unlimited access to this place. Why not?
やぁ、ハイ喜んで。所内のどこでも好きに使いたまえ。どうぞどうぞ。
SH:It’s a simple enough request, Major.
単純明快な要求だよ。少佐。
BARRYMORE: I’ve never heard of anything so bizarre.
こんな異様な話は聞いたことがない。
bizarre:奇怪な,異様な; 信じられない.
SH:You’re to give me 24 hours. It’s what I’ve negotiated.
24時間くれ。そういう話だったはずだ。(直訳=それが僕の交渉してきたものだ)
BARRYMORE: Not a second more. I may have to comply with this order but I don’t have to like it. I don’t know what the hell you expect to find here, anyway.
1秒たりともオーバーは認めない。私はこの命令に従わねばならないが、好きでやるわけではない。君がここでいったい何が見つかると思ってるのかは知らんがね。
comply:(with)〔要求・規則に〕応じる,従う
SH:Perhaps the truth.
おそらくは、真実が。
BARRYMORE: About what? Oh, I see! The big coat should have told me. You’re one of the conspiracy lot, aren’t you? Well, then, go ahead. Seek them out. The monsters, the death rays, the aliens.
何についての真実?ああ、わかったぞ!大きなコートが教えてくれた。君はあの陰謀チームの一味だな?そうだろ?よし、それなら、やりたまえ。それらを探し出せ。怪物、殺人光線、そしてエイリアンを。
conspiracy:陰謀,謀議.
a death ray :殺人光線.
SH:Have you got any of those? Oh, just wondering.
そんなの見たことあるのか?いや、ちょっと聞いてみただけだ。
BARRYMORE: A couple. Crash-landed here in the ‘60s. We call them Abbott and Costello. Good luck, Mr Holmes.
二三な。60年代に不時着したのが。われらはそいつらをアボットとコステロって呼んだ。じゃ、がんばって。ホームズさん。
Crash-landed:不時着
HENRY’S HOUSE
HK:Oh God!
うわ~!
BASKERVILLE
JW:Oh. Ow… (ALARM BLARES) Come on. What the… Hello? No, come on. Come on. No you’ve… Don’t be ridiculous. Pick up. Damn it! Right. OK. (ON PHONE) It’s here. It’s in here with me!
うわっ。(アラームが鳴り響く)
(電話に出て)ここだ。(それはここにある)
BLARE:鳴り響く
SH:Where are you?
どこにいる?
JW:Get me out, Sherlock. You’ve got to get me out. The big lab. The first lab that we saw. Oh!
オレをここから出せ、シャーロック。ここから出せよ。大きな研究室だ。最初に見たあの研究室。うわ!
SH:John? John?
ジョン?ジョン?
JW:Now, Sherlock. Please.
今だ、シャーロック、頼むよ。
SH:All right. I’ll find you. Keep talking.
わかった。探しに行く。話し続けろ。
JW:I daren’t, it’ll hear me.
いやだ。奴に聞こえてしまう。(直訳:それがオレの話を聞くだろう)
daren’t:dare not ・・・~~したくない。するのは憚られる。
SH:Keep talking. What are you seeing? John?
話し続けるんだ。何を見てるんだ?ジョン。
JW:Yes, I’m here.
わかった。ここにいるよ。
SH:What can you see?
何が見える?
JW:I don’t know. I don’t know, but I can hear it, though. Did you hear that?
わからない。わからないが、でも聞こえている。聞こえたか?
SH:Stay calm, stay calm. Can you see it? Can you see it?
落ち着け。落ち着け。それが見えるか?それが見えるのか?
JW:No. I… I can see it. It’s here. It’s here.
いや。オレには…見える。ここにいる。奴はここにいるんだ。
SH:Are you all right? John?
大丈夫か?ジョン?
JW:Jesus Christ! It was the hound! Sherlock, it was here. I swear it, Sherlock. It must… It must… Did you see it? You must have!
なんてことだ!犬だったんだ。シャーロック。ここにいたんだ。間違いない。シャーロック。奴に違いない…お前は見たjか?見たはずだ!
SH:It’s all right. It’s OK now.
大丈夫だ。もう大丈夫だ。
JW:No, it’s not! It’s not OK! I saw it, I was wrong.
いや、大丈夫じゃない。全然。見たんだ。俺は間違っていた。
SH:Hmm. Let’s not jump to conclusions.
ふん、結論を出すにはまだ早い。
JW:What?
何だって?
SH:What did you see?
何を見たって?
JW:I told you, I saw the Hound.
言っただろ。犬を見た。
SH:Huge, Red eyes?
でっかくて、赤い目の?
JW:Yes.
そうだ。
SH:Glowing?
輝いてた?
JW:Yeah.
そうだ。
SH:No.
ちがうね。
JW:What?
なんだと?
SH:I made up the bit about glowing. You saw what you expected to see because I told you. You have been drugged. We have all been drugged.
輝いてたというのは作り話さ。きみが見たのは、見ると予想していたものだ。なぜなら僕が君に話したから。君は薬を盛られてた。全部薬の幻覚だったんだ。
JW:Drugged?
薬を盛られてた?
SH:Can you walk?
歩けるか?
JW:Of course I can walk.
当然だ、歩けるさ。
SH:Come on, then. It’s time to lay this ghost.
なら、来い。悪霊を退散させる時間だ。
lay a ghost: 亡霊を退散させる
jumping to conclusions
明けましておめでとうございます。
相変わらず多方面にご活躍ですね!
ほぼ9ヶ月ぶりの「バスカヴィル」の再開嬉しいですw
> The big coat should have told me.
"should have told me" は「仮定法過去完了」で、「話すべきだった(のに話さなかった)」ということです。"big coat" ですが、ジャケットなどの上に着る「オーバーコート、外套」のことだと思います。
ところで、この the big coat って誰のことを言ってるんだっけ?
> Let's not jump to conclusions.
ホームズの基本的な考え方に「証拠が集まっていないのに早まって結論を出してはいけない」というのがあります。それを象徴するのが、たとえば The Copper Beeches (ぶな屋敷)の "I can't make bricks without clay." (粘土なしに煉瓦を作ることはできない)です。
てっきり上記のセリフも原作のどこかにあるんだと思っていました。ところが今回調べてみたら、どうもこれに近いセリフは存在しないようです。一番似ているのは The Navel Treaty (海軍条約事件)の依頼人の婚約者、ハリソン嬢とホームズの次のようなやり取りです。
"You suspect someone?"
"I suspect myself—"
"What?"
"Of coming to conclusions too rapidly."
"Then go to London and test your conclusions."
〔「誰かを疑ってらっしゃるのですか。」
「私自身を疑っています」
「何ですって?」
「あまりに早く結論に達してしまったのではないかと。」
「ではロンドンに戻って、その結論をお確かめになってください。」〕
もっと明確な元ネタがどこかにあるのかもしれませんが・・・。
NH様
新年おめでとうございます。
早速コメントいただけて感激です!
9か月!そんなにあいていましたか。中国語だの韓国語だのいろいろ興味があちこちとんでしまってて・・・^^;。この記事自体、9か月前に半分訳していて、そのあとチビチビやってました。完結させる意思はあるので、のんびりの更新にはなるかと思いますが、よろしくお付き合いください。
仮定法・・・あああ、そうでした。
そういう文法事項がありましたね。すぐ忘れる。。実はこの年末に何かの歌の歌詞を読んでて、仮定法があったのを思い出してたんです。何の歌詞だったかな・・・
あ、Bryan Adams の 「Summer Of '69」だ!
Me and some guys from school
Had a band and we tried real hard.
Jimmy quit, Jody got married
I should've known we'd never get far
というフレーズがあって、最後の一行、の意味をとるのに仮定法だなぁとしみじみしてたんでした。
ついでなので、訳してみると
「俺ら同級生と何人かで
バンド作って一生懸命やってた
ジミーが抜けて、ジョディーは結婚しちゃって
俺たちがモノになるはずないってこと、わかってるべきだったのに」
こんな感じでしょうか?
脱線ついでに get far が「成功する、モノになる」っていう意味を持つのを今回初めて知りました。
で、ここも同じなのですね。
The big coat should have told me.
ここは「そのコートが話してくれるはずだったのに」というのが直訳でしょうか?
=「コートが語ってくれるはずだったのに語ってくれなかった」
裏返すと、「コートを見たらわかるはずだったのにわからなかった」という意味になりますね。
このドラマで、コートと言えばシャーロックが着てるコートが印象的ですけど、このThe big coatがシャーロックのコートだとすると、
「その(あんたの着てる)コートを見てすぐピンと来なくちゃいけなかったんだ」
っていう意味になりませんでしょうか?
Let's not jump to conclusions.
これは私も訳しながら、とてもホームズっぽいセリフだなぁと思っていました。ご提示いただいた「ぶな屋敷」のセリフはとても印象的でしたね。
この辺、「21世紀探偵」のナツミさんも興味持たれそうな話題ですね。
the big coat
早速のご返信ありがとうございます。
> このドラマで、コートと言えばシャーロックが着てるコートが印象的ですけど、このThe big coatがシャーロックのコートだとすると、
> 「その(あんたの着てる)コートを見てすぐピンと来なくちゃいけなかったんだ」
> っていう意味になりませんでしょうか?
おっしゃるとおりだと思います。前にもジョンがシャーロックのコートに言及するシーンがありましたし、この the big coat はシャーロックの着ているコートのことなんでしょう。
"should have told me" をこんな風に使うこともあるんですね~。
なお "the conspiracy lot" は「何にでも陰謀説を唱える連中」ぐらいの意味だと思います。
ちなみに、この後に出てくる Abbott and Costello は、1940~50年代にアメリカで活躍したお笑いコンビだそうです。ここもどういうギャグなのかいまいちよくわからない。
ところで、前回のコメントで一ヶ所スペルミスがありました。
誤: The Navel Treaty
正: The Naval Treaty
どうも失礼しました <(_ _)>
the conspiracy lot
the conspiracy lot
の訳は悩みました。
そういう固定の団体があるわけではなさそうですよね。「そういう傾向のある人たち」って感じなのですね。
アボット&コステロについてはいろんなサイトで言及があり頭にはありますが実際にはわかりませんね。こういう文化背景まで知らないといけないのは大変ですねw。
そうそう、ちょっと前に「ベルばら」アニメの英語字幕の話題を出したときに、NHさんを思い出してました。今の人たちにベルばらって古いでしょうけど、日本の作品を外に持って行ってセリフを訳すというのも、興味深いと思います。研究したいことたくさんあるんですけどね。もっと時間がほしいなぁ…。