佐々木閑先生の大乗仏教の本に出てきた大竹晋さんの大発見の話に感銘を受け、調べたらこの先生(今は仏典翻訳家だそうです)も同じ大学の方。ご縁を感じて何冊か本を借りてきました。

「宗祖に訊く」は現代日本に残る伝統的仏教十三宗の宗祖たちが一堂に会するシンポジウム(!)の形式で進む本。
なかなか面白い試み!と思ったのですが、各宗祖たちの言葉は彼らが残した文献に当たっているため現代語訳になっていてもなかなか難しく、今の私のレベルでは読み進むのは無理そう。そもそも十三宗の違いがよく理解できていない。
そこで、今の私の一番の関心事「大乗仏教とは何か?」ということについてヒントがあるかもと思って「大乗非仏説をこえて」を先に読むことにしました。

この本もなかなか手強いです。「一般向けに書いた」とありますが、論文仕立てになっておりなかなかの強面。
それでも内容は非常に面白く、前半は大乗非仏説論に対して日本の大乗仏教側からの反論を検証しているのが興味深く読み進めました。(そしてどれも論拠に乏しいと論破)
後半は、これからの大乗仏教の存在意義を扱うパート。筆者の筆に力の入ってるのがわかります。全体的に骨太で読むのにエネルギーが必要でしたが、筆者の考えも十分伝わる興味深い本でした。
わざわざ、カフェに出かけて(時間をとって)じっくり読みました。こういう難しめの本は家にいるとなかなか読めませんので。