コンテンツへスキップ

お金に困らないおまじない


今だから書きますが、私20年ほど前にものすごくお金に困った時期がありました。働いていた会社の経営が思わしくなく、給料が出たり出なかったりで、かなり借金を抱え、家計がいわゆる自転車操業状態。アパートの家賃も遅れてばかり、ガス電気水道がとめられることにも慣れてしまうほど。

結局その会社は倒産してしまいましたが、公的なところからの救済(未払い給与を出してもらえる)や失業保険などのおかげで何とか借金を清算できました。そして再就職して生活を仕切り直したころ、営業先のお客さん(お店の経営者)からいただいたのが写真ものです。

「YOKOさん、今1000円札持ってる?」

「あ、持ってます。」

「じゃ、貸して。おまじないしてあげる。」

言われるがままに財布から1000円札を出し渡しました。
その方は、自分の財布から5円玉を取り出して、私の出した1000円札で包み始めました。器用に小さく小さくたたまれた5円玉入りの1000円札(↑写真)ができあがりました。

「できた。これであなたはもうお金に困らないわよ。これをお財布にずっと入れておきなさい。」

私の正直な気持ちとしては、「1000円だって生活費、おまじないに使う余裕はないのに」だったのですが、その時はそのお客さんの人柄もあって、素直に受け取りお財布にしまいました。その方には自分がお金に困っていた話などはしたことがありませんでしたが、倒産する会社にいたということで何か察してくださったのかもしれません。

以来20年。

何度も財布は買い換えましたが、そのたびにこの1000円札のお守りも移し替えて、財布の底で大事にしてきました。

大事にしてきたというのは、ちょっと嘘ですね。
実は存在をすっかり忘れていたんです。
先日、あまり現金を持たずに食事して、支払いの段になって「お金がない!」と慌てて財布の裏までひっくり返したときに久しぶりに見つけたのです。

でも考えてみれば、あの時から20年間一度もお金に困ったことはありません。
つまり、困り果ててこの1000円札のお守りをほどいて使うような場面は、この20年一度もなかったということです。

おまじないが効いたのかな。
久々に目にしたこのお守り、また財布の奥にしまいました。
この先も何とか無事に過ごしていけますように。

0 thoughts on “お金に困らないおまじない

  1. YOKO

    marinoさま
    コメントありがとうございます。
    私にとっては、ちょっと心がほんわかする思い出です。残念ながら、折り方は知らないのです。今持ってるのを解いてしまうと、おまじないの効き目が薄れるかもとかって思って解けずにいます・・。そんなに難しいことはないと思うのですけどね。5円玉を1000円札で包んで最後端っこを織り込んであるんだと思います。
    そしてよく見ると、もうこの1000円札、今のと違いますね。今のは鶴の絵柄じゃないです。

    返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA