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グラナダ版ホームズ『プライオリ学校』


字幕版で鑑賞。

これは前にNHKの再放送を見ていた記憶があります。

ホームズ物語ではホームズがあっちこっちへ行きますが、いちばん北の地方で起こった話らしいです。

ホームズが褒賞金を手にする話です。
最終的に12000ポンドです。
当時の1ポンドが今の2~3万円くらいに相当と聞いたことがあるのですが、だとすると、2~3億円以上になっちゃいますよ!!!!

これは当時どのくらいのお金でしょう?
今なら、サラリーマンの平均生涯年収が2億円とか言われるので(今はもっと少ないはず)一生働かなくていいお金ってことですよね。こういうお金があるから、ハドスン夫人のとこの下宿代もめっちゃ気前よく払えたし、お金がない人からの依頼も気にせずどんどん引き受けられたんですよね。ホールダネス公爵の褒賞金は、結果的に公共の利益にために使われることとなりました。

校長先生の話す英語が聞き取りやすいです。
教育者だから外国人にも聞き取りやすい英語を話してくれるのでしょうか?
--んなわけはない!

ホームズがこの校長先生の手を取って引き起こす場面で、
「at your service」といってるようにに聞こえます。
意味は?
「御用を承りますよ!」といううことのようですね。

ハドスン夫人が何もいわれないのに、お弁当を用意してくれるのすごいですね。すてき、すてき。
あのバスケットの中身が知りたい。サンドイッチとか?
これが日本の話なら、さしずめおにぎりと沢庵ですね。

寄宿舎の子供に話を聞く場面。
子供がセンテンスごとにsirをはさむのが印象的。
使用人に話を聞くときも、しつけのいいところならこんな風にこたえますよね。敬語を使っている感じなんでしょうか。

ヘルファイアクラブを「闘鶏クラブ」と訳してました。
なぜかな?
サルタイヤ卿を閉じ込めていたのも「闘鶏旅館」でした。
闘鶏好きなエピソードですね。
闘鶏旅館・・あのテーブル汚すぎでしょう。
お客さんぜんぜん来ないんでしょうね。
それでもお愛想で(?)「おいしそうだ、何の料理かな?」なんて女将にたずねるワトスン先生、あのテーブルで気がつかないのかしら??

乗馬シーンやサイクリングシーンも印象的なこのエピソード。
とくに乗馬シーンはホームズとワトスンと乗り方が違ってて面白い。
ホームズは背筋をぴんと伸ばしてて、いかにもホームズな乗り方。
一方ワトスンは、上体をゆっさゆっさと揺らしながら。
この違いは何でしょう?
演技?それとも中の人の個性(もしくは技術の差)
乗馬できる人が見たら何か感じるかもしれませんね。

それと、ホームズが馬を下りるときに、妙にややこしい下り方をしていて、(ステッキが魔法のように出てくる)印象的だったのですが、この乗馬の件に関して、ジェレミー・ブレッドファンのRMさんのブログに詳しいので、リンクしておきます。

Jeremy のことが知りたくて ~ ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)を愛するかたへ「プライオリ・スクール」その2

結論として、ホームズの中の人がとても乗馬が上手な方のようです。
でややこしい下り方(名づけて「知恵の輪下り」!)と思ったのは、かなり高度なテクニックが必要なものだったようです。
これで、「銀星号事件」「犯人は二人」などでも印象的だった、ホームズの馬さばき、馬あしらいの上手さが納得いきました。

日本でも、時代劇が長い役者さんだと馬の扱いも上手になるでしょうね。
裸馬にのったりするシーンもありますしね。

敬称・・・閣下を YOUR GRACE/HIS GRACE っていうのか。
アメリカ映画ばっかり見てると出会えない単語。

正典とはちょっと細かく違うドラマ版。
犯人の最後の扱いは大きくちがいます。

でもなんで、6000ポンドだったはずの報酬が、倍の12000ポンドになったんでしょうか?正典でも最終的には12000ポンド払ってもらうんですけど、なぜ増えたのか説明が無いような気がします。


【追記】この疑問について、父からメールが来ました。
トップに上げた画像が貼付されていました。
公爵の感謝の表現だったとのことでした。
お父さんありがとう。

12 thoughts on “グラナダ版ホームズ『プライオリ学校』

  1. RM

    リンク、ありがとうございます
    >それと、ホームズが馬を下りるときに、妙にややこしい下り方をしていて、(ステッキが魔法のように出てくる)印象的だったのですが、

    気がついていらしたんですね。自分のブログにも書きましたが、私はまったく気づきませんでした。馬からおりるっていうのは、まあ、あんなものなんだろう。と。

    >名づけて「知恵の輪下り」

    この命名、いいですね!

    >これで、「銀星号事件」「犯人は二人」などでも印象的だった、ホームズの馬さばき、馬あしらいの上手さが納得いきました。

    YOKOさんの観察眼はすごいですね。「グラナダ版ホームズ『銀星号事件』」の記事で

    >恐喝王ミルバートンでも、馬2頭の轡を持ってじっとしているシーンがありました。
    何気ないけど結構馬の扱いになれていないと難しそう。

    と書かれていたのを読むまで、そんなこと思ってもいませんでした。確かにそうです。私が同じことをしようとしても、馬はイヤイヤをして私をふりまわすか、左右に離れていってしまうでしょうね。

    返信
  2. YOKO

    RMさん
    コメントありがとうございます。
    なんだか、お会いしたことないのに、考えていることがシンクロするってあるんですね。
    ご縁でしょうか?

    ジェレミー・ホームズを見れば見るほど、いままでちゃんと見ていなかったな~と気づかされます。
    どうやらSHERLOCK以来、テレビドラマを丁寧に見るということを覚えたようです。丁寧に見るといろいろ発見があって面白いですね。でもそれは丁寧に見るに値する作品に限られますが。

    ジョッキーを夢見ていたというジェレミーのことを知ってみると、また一段と馬とのシーンが楽しめますね。

    RMさんのブログに書いてありましたけど、ジェレミー自身がホームズの半生をいろいろに考えて演技プランを立てていたというところ、私もとても興味があります。
    シャーロキアンの皆様の研究によれば、ホームズは地方の地主階級の出身だそうで、長じてロンドンに住みますが、子供時代はきっと馬もたくさんいるお屋敷で過ごしたのではないかと思われます。
    そうすると必然馬の扱いにも慣れていたはずで、ジェレミー自身の馬への愛情を思う存分演技にも活かせたんでしょうね。

    馬の話に関係して、ホームズ時代のイギリスの女性旅行家イサベラバードが日本に来て、「日本には乗馬に足る馬がいない」と驚いています。
    当時の日本では一部のお侍を除いて、馬は乗るものではなかったようです。
    乗馬の歴史は、やはりあちらにかないませんね。

    返信
  3. RM

    ご縁ですね!
    YOKOさん、こんばんは。

    >なんだか、お会いしたことないのに、考えていることがシンクロするってあるんですね。
    ご縁でしょうか?

    はい、萩尾望都作品のことといい、ご縁を感じます。

    >シャーロキアンの皆様の研究によれば、ホームズは地方の地主階級の出身だそうで、長じてロンドンに住みますが、子供時代はきっと馬もたくさんいるお屋敷で過ごしたのではないかと思われます。

    そうなんですか!ジェレミーも馬がたくさんいるお屋敷ですごして、長じてロンドンに住んだわけで、すごく似ていますね。

    >馬の話に関係して、ホームズ時代のイギリスの女性旅行家イサベラバードが日本に来て、「日本には乗馬に足る馬がいない」と驚いています。
    当時の日本では一部のお侍を除いて、馬は乗るものではなかったようです。

    なるほど。日本では大部分が農業とか運搬とか、そういう役目を担っていたということでしょうか。

    ところで、YOKOさんの「ホームズの中の人」という表現が好きです!しましまさんのブログを拝見したら、コメント欄でベネディクト・カンバーバッチのことをも、「中の人」と書いていらっしゃったので、にこにことしてしまいました。

    そして、いいお父様ですね!

    あ、それから私のブログで、この記事と「銀星号事件」に関する記事にリンクをはらせていただきました。ジェレミーの小さい頃の写真で、馬と一緒のものを紹介する記事を書いたので、そこで。

    返信
  4. YOKO

    RMさん
    新しい記事拝見しました。
    ポニーに乗るジェレミーかわいい!そして様になってますね。

    ホームズの子供時代は、もちろんなぞに包まれています。大人になってロンドンで自活し(初めのころはちょっとお金なかった)また長兄のマイクロフトも屋敷をかまえるでなく下宿しているところを見ると、実家はそのまままでは無かったのではないかと思いますよね。(それとも地主さんでも領地に住まないことは多かったのかな?)
    ホームズの思春期に家庭が崩壊し(おそらく本人は寄宿学校で成長)それで、ホームズはのどかな田舎を見ても事件が起こってると感じるように、屈折してしまったという研究者もいるようですよ。

    馬に乗れたのは、小さいころだけだったかもしれません。

    そういえば、ジェレミーはホームズの父親は軍人だったのでは?と考えてていたんですよね。
    いろいろ想像が楽しいですね。
    ちょっと暗い方向に想像しちゃいますけど。

    馬については、私自身も時代劇とか見てた印象で、みんな馬に乗って移動してたんだろうと思ってたんですが、実際はそんなことは無かったようですね。
    少なくとも、イサベラバードが旅した関東から東北、北海道では乗るための馬を調達するのに苦労しています。荷物の運搬には、牛を使うことも多かったようですよ。意外ですよね。
    馬は何をしてたんだ?!(多分、数が多くなかったようです)

    「中の人」
    私も気に入ってます。
    もともとネットのはやり言葉ですけど・・「電車男」の作者も「中野独人=なかのひとり」ってなんてますよね。
    「俳優と役」 の関係で使うと、なんだか、着ぐるみみたいで、後ろにファスナーついてるみたいで、かわいいですよね^^

    父から、グラナダ41作全部送ったよとメールが来ました。明日あたり到着するかな?
    もともとホームズを紹介してくれたのは父なので、責任とってもらわないと!(笑)
    ありがたいと思っています。
    親子で同じものに興味を持って語ることがあるというのも楽しいことだと思います。

    返信
  5. つね

    謝礼について
    はじめまして。「プライオリ学校」を読んで、感想を探していて見つけました。
    謝礼については、ワトスンと2人分で12000ポンドということなのかと思ってました。つまりワトスンも大金持ち! そうでなくても印税でがっぽり稼いでそうですが。

    返信
  6. YOKO

    つねさん
    はじめまして、ようこそおいでくださいました。
    コメントありがとうございます。
    倍になったのは二人分ってことですか!
    なるほど~。でも小切手一枚ですよね。
    息子を見つけたことへの報酬プラス、家庭問題への提言への感謝(もしくは口止め?)の気持ちとみるのはいかがでしょうか?

    印税。
    そうですね。ワトスン君の原稿料ってどのくらいだったんでしょうね?医院も始めたりして、年金生活だったころよりお金には前ほど困ってませんよね。

    返信
  7. つね

    原稿料について
    レスありがとうございました。
    帰省していて返信が遅くなりました。

    謝礼についてはご指摘どおりだと思います。でも小切手一枚でも、ホームズとワトスンは一心同体のような感じがして気にならないんですよね。

    >原稿料
    ワトスンの原稿料は不明ですが(笑)、ドイルの原稿料なら分かります。
    最初の「冒険」のときは、当初1作25ポンドが、5作目(「ボスコム谷の惨劇」)では35ポンド、7作目(「青いガーネット」)以降では50ポンド、「思い出」ではシリーズ12作で1000ポンド、「帰還」では1作4000ドル(ニューヨークからの依頼のため)だそうです(河出書房版の解説による)。1ポンド24000円で計算できます。自分で言及しておきながら、当時、印税はあったのかな。あまり著作権にうるさくなく、ルパンシリーズに出張したりもしてるので印税はなかったかも。

    返信
  8. YOKO

    Re:原稿料について
    つねさん、こんにちは。
    帰省はいかがでしたか?
    そろそろ、日常に戻らなくてはって時期ですよね。

    さて、ドイルの原稿料すごいですねー。
    特に売れっ子になってからは。
    それでも本人は、ホームズ物語を書くのが嫌だったんですよね。
    思い出の1000ポンドで十分と思ったんでしょうかね?
    最後にホームズを殺しちゃって10年復活させなかったんですものね。
    他の作品でもそれだけの原稿料貰えたんでしょうかね?
    2400万円って、現代なら数年で使い切ってしまいそうですが、おそらくその時代は、お金かけないようにしようと思えばいくらでもできた時代なんでしょうね。紳士の生活では難しいでしょうけど。

    返信
  9. さくら

    12000ポンドって
    金銭に恬淡なホームズらしからぬ報酬を要求する場面ですね。ホームズものが売れて法外な税金を請求されたドイル
    が腹たち紛れにこう書いたとありました。その当時のドイルの小説で何個か売れたけれど、やっぱりホームズものの以来が多くて腹をたててましたね。ホームズが売れた当初はうれしかったけれど、ドイルとしては歴史小説家などを希望してたから。ドイルはホームズを書くことで「筆が鈍る」という
    言い方してました。小説家が自分の書きたい分野以外の小説を書くと「筆が荒れる」ってことかなあと思いました。ドイルの自伝「わが思い出と冒険」より

    返信
  10. YOKO

    ドイルの歴史小説
    さくらさん、こちらにもコメントありがとうございます!

    作者自身のうっぷんがこういうところで発露するっていうのもおもしろいですね~。
    ところで、ドイルの歴史小説ってあんまり売れなかったそうですね。何ともお気の毒。
    わたしもずいぶん昔にジェラール准将シリーズは読んだことあるのですが、あれは歴史小説というより、冒険ものかな、やっぱりホームズシリーズが楽しいです。作者に思い入れがあまりなかった分、読者が想像力を使う余地があるってことなのでしょうか。
    面白い現象だと思います。
    さくらさんはドイルのホームズもの以外の作品って読まれたことありますか?

    返信
  11. さくら

    失われた世界 おもしろかったです4
    ドイルの「失われた世界」は大好きです。
    あっ、ホームズものも戯曲を書いていますよ。
    戯曲はホームズの
    「王冠のダイヤモンド」と「まだらのひも」です。
    「ワトソンの推理法修行」とか。ドイルはホームズもののパロディ[ホームズ外伝]を書いています。
    「クロックスリーの王者」は医学の勉強の費用のためにボクシングの試合に出る話です。
    ドイル自身もスポーツ万能ですごかったから「ボクシン
    グ」のところは丁寧に書き込んでいますよ。
    戯曲は「ホームズもの」の舞台が人気が出て書いたものです。

    返信
  12. YOKO

    ボクシング
    さくらさん、こんにちは。
    ボクシングの話を丁寧に描いてるんですね!
    奇しくも私もボクシングをはじめましたよ。ホームズの頃とはちょっと違う「ボクササイズ」的なものですが。
    ドイル自身がホームズものの外伝を書いてるんですか?なぜ正典に入ってないのでしょうねぇ?
    戯曲はマザリンの宝石のもとの話でしたっけ?

    私は失われた世界は未読なのです。さくらさん大好きなんですね!まだまだ読める本がたくさん残ってるって素敵なことだと考えてこれから読みます^^

    返信

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