昨夜BSで寅さん「サラダ記念日」を見た。
小諸が舞台だった。
藤村の有名な詩が出てきた。
その流れで、藤村の「新生」という小説を読んだ。
(青空文庫で)
う~~~ん。
何?この人?!
というのが、正直な乾燥・・じゃなかった、感想。
でもこの人のとった行動は興味深いものがある。
自分の姪を孕ませてしまったと分かるやいなや、フランスへ洋行。の逃避行。
第一次大戦で帰国して、姪が廃人寸前になっているのを見かねたと言っては,関係を復活させさらに泥沼に。
その重荷に耐え切れなくなったといっては、懺悔の告白小説を世間に公表。
これで原稿料が入ると思ったのかは不明だけど。
でもこの人は著作で食べている状態なのだから、結局懺悔って言っても、飯のタネになってるのですよね。
むぅぅ~。
だいたいが、フランスに逃避ってのがいけすかないですね。
軟弱だからこそやってしまう「逃避」だから仕方ないといえばそれまでだけど、結局そこへいって帰ってくれば、「洋行帰り」ってことで箔が付くでしょうし。
なんか打算的。
世界中もっと別の場所があったのではないでしょうか?
彼が懺悔しなけりゃ、これを読むことはできなかったわけだけど、懺悔が懺悔になっていない気がするのが、引っかかりました。
節子さんのモデルの人は、台湾へ行って、そのあと帰国して左翼運動に身を投じて・・・80過ぎまで長生きしたそうです。
きっと強い人だったのだと思いますが。
彼女が不幸かどうかは他の人には決められないことだけど。
なんか「いーっ」ってなりますね。
捨吉の二人の兄さんはどちらも好きです。
こんな人がやっぱりいいですね。
「何事も淡白がいちばん」という哲学。
私は好きです。