学生時代に一緒にサークル活動してた友人から久しぶりに連絡もらって「こんど劇場映画を作った」というので見に行ってきました。

島崎藤村原作の「破戒」。
60年ぶりの映画化だそうです。水平社100年記念。
藤村の原作はなんとなく敬遠していて、これまで読んだことありません。
重たいテーマですが、静かな抑えた映画でした。
表現もソフトです。
2022年に公開するやり方として、この「抑えた感じ」は効果的だと思います。
間宮祥太朗の清潔感もよかった。
わたしは矢本悠馬オシです。(彼のやった役、清涼剤だったなぁ)
部落問題については、上京して以来日頃全く感じることなく生きているけど、また違う差別がたくさんある世の中を感じているし、古いテーマではないのですよね。
劇中「この差別が無くなっても、また新たな差別が生まれる」というセリフがあり、突き刺さりました。これは原作にもある言葉なのかな?
異質なもの、理解し難いものを排除したいと思う気持ちが差別を生み、それは長い人類の歴史で脈々と続いてきたことかもしれませんが、お互いに理解し合うとか、理解することができなくてもちょっと想像力を働かせるとか、そんな風にして差別を解消する努力をしなければいけないと思います。
SNSにこの映画のことを書いたら、ことのほか反響があり、もう見に行った人もちらほらいました。
「同級生の結婚が破談になった」という知人もいてびっくり。
忘れていた自分を反省。
忘れていた自分を反省。
この映画を作った友人は普段は教育映画を作っていて、商業映画にかかわるのは珍しいらしい。ネット上に彼がインタビューされた記事があったので、読みました。
映画化の背景がよくわかりました。
コロナ禍がすぎたら飲もうねと話しているので、会ったら準備期間の話など聞いてみたいものです。
見てよかったです。
おすすめありがとう。
ところで、「破戒」が絶版になっていたとは、全然知らなかったです。
私、同和問題について高校生の頃にそのテーマの演劇をやったことがありました。それでいろいろ考えて、「まるで存在しないもののように蓋をし続けて、人々の記憶から消し去ることができたら、新しい世代の中には差別が消えているのではないか?」などと考えていた時代がありました。でもきっとそれは浅はかな考えなのでしょうね。
本を絶版にしても状況が変わっていくわけではないということなのでしょう。
結局新しい差別も生まれてしまうし。
本が絶版になった(そしてまた復刊した)背景はもっと複雑なのだろうとは思いますが。新潮文庫の解説にそのあたりのことが詳しく書かれているそうですので、読んでみようと思います。

新潮文庫、今は映画仕様です。
間宮祥太朗主演 映画「破戒」予告編
公式サイトで公開劇場を調べられます。