ここ、脚本にかな~り無理があると思ってるシーンの一つ。
スーリンの部屋に忍び込むシャーロックです。
台詞を読み解いたら、少し納得できるでしょうか?
(スーリンの部屋の前)
SH:It’s been here since Monday. No-one’s been in that flat for at least three days.
(電話帳を見ながら)それはここにずっとあった、月曜から。誰もあのフラットにいないんだ。少なくとも3日間は。
JW:Could have gone on holiday.
休暇で出かけているのかも。
SH:Do you leave your windows open when you go on holiday?
君は休暇で出かける際に窓を開けたままにしておくのか?
JW: Sherlock!
(SH不法侵入)シャーロック!
(スーリンの部屋に入るシャーロック)
SH:Whoa! Someone else has been here. Somebody else broke into the flat and knocked over the vase, just like I did.
うわっ。(と花瓶を倒す)誰か別の人間もここにきた。誰か別の人間がフラットに押し入って、花瓶をひっくり返した。ちょうど僕がやったのと同じように。
knock over:ひっくり返す、びっくり仰天させる
JW:Do you think maybe you could let me in this time? Can you not keep doing this, please?
今回は、俺を中に入れてくれてもいいんじゃないかと思わないか?こういうことをやり続けるのはよくないね。
SH:I’m not the first.
僕が一人目じゃないんだ。
JW:What?
何?
SH:Somebody’s been in here before me.
誰かが来てるんだ。僕の前に。
JW:What are you saying?
何て言ってるんだ?
SH:Size eight feet. Small, but…athletic.
サイズ8の足。小さいが、でも..逞しい。
athletic:〈体格が〉スポーツマンらしい,筋骨たくましい.
JW:I’m wasting my breath.
呼吸を損してる=言うだけ無駄。
SH:Small, strong hands. Our acrobat. Why didn’t he close the window when he lef…? Oh, stupid, stupid! Obvious. He’s still here.
小さくて、強い手だ。我々の軽業師は。なぜ窓を閉めなかったんだろう?彼が出て行くときに...?ああ、バカだ。バカだった。当然だ。まだここにいるんだ。
acrobat:軽業師,曲芸師.
JW:Any time you want to include me…
俺を仲間に入れる気になったらいつでもいいぜ。
SH:John! John!
(襲われるシャーロック)じょん! じょーん!
JW:Oh, I’m Sherlock Holmes, and I always work alone because no-one else can compete with my massive intellect!
僕はシャーロックホームズ。そして、仕事はいつも一人で進める。なぜなら、他には誰も僕の素晴らしく大きな知性に拮抗できるものはいないからな。
compete with:拮抗する、競り合う、太刀打ちできる
(格闘の後、道に出てきて)
SH:The um, milk’s gone off and the washing’s started to smell. Somebody left here in a hurry three days ago.
あの、ミルクは悪くなってたし、洗濯物は臭いだしていた。誰かが急いでここを出て行ったんだ。3日前に。
gone off:(12) 〈食品などが〉悪くなる; 腐る.
washing:洗濯物
JW:Somebody?
誰か?
SH:Soo Lin Yao. We have to find her.
スーリンヤオ。彼女を見つけなければ。
JW:How exactly?
具体的にはどうやって?
SH:We could start with this.
これから始めることもできる。
JW:You gone all croaky. Are you getting a cold?
すっかり声がかすれてるな。風邪ひいたのか?
croaky:しわがれ声。カエルとカラスの鳴き声のように
SH: I’m fine.
大丈夫だ。
このシーン、シャーロックがスーリンの家に忍び込む根拠が希薄すぎて、痛恨。
電話帳が置かれたまま&窓が開いてる、これだけの根拠で、なぜ不法侵入を?
それと、スーリンが組織から身を隠しているのに、チャイナタウンに住んでる(しかも組織の店のすぐそば)のも、ものすごく不自然。
もちろん、他にもいろいろ不自然な点はあるけど、(なぜかジョンが銃を持ってることとか、フラットで発砲してるのに通報されないとか)それらは、ホームズ物語を現代に翻案するにあたってのやむを得ない部分で、そこはぜんぜん気にならないのですが、この「死を呼ぶ暗号」のスーリンがらみのところは気になります。
Unknown
YOKOさん、結局、雨の土曜日はあきるまでオタクすることにしました。
「シャーロックで英語」は???な部分はDVDのシーン見ながら考えると解決しやすいので、こちらのコメントも隣で夫がpc使ってたり(よく音を出している)
子供が次から次へと話しかけてくるとできないので。
私と違い、彼らは他人といてもいつも自分のペースだから。
うーん。仕事部屋が必要だ。
*不法侵入シャーロックの後をついてジョンが同じようにできないのは背が足りない?!
ごめんジョン、笑う。。。
①Do you think maybe you could let me in.
直訳してみよ。絶対日本語としてヘン!!
「君は僕を中に入れることもたぶんできると思う?」わはははは!謙虚なジョン!
②We could start with this.
私も自分で整理するのに書いておきます。
①②のcould; 仮定法(主節だけの場合条件節が言外に含まれている)
能力・可能性・依頼・許可・提案・勧告・軽い命令などを表す婉曲的な表現
!!
私は何も疑問を感じずにいました。でもどの窓が開いていたのかはDVD見返してもわかりませんでした~。でもスーリンがそこに住んでいるのは確かにヘン。思い出すのは、聖典2作目の「4つの署名」でも犯人にインド人やアフリカ人がからむんですよね。それで怪しい組織が出てくるの。そして身の軽い小さい野蛮人が出て来るんですよね(YOKOさんももちろんご存知でしょうけど)。そこで私が日本人=非白人英国人として気になるのは、人種的な偏見で、白人なら不自然なことでも有色人種ならあり得るという解釈です。まったくもって非合理的なんだけれども、東洋の神秘に目がくらんで、脚本も詰めが甘かったのかも!
東洋の神秘
ドイルの時代の人種への偏見は、ある程度仕方がないかと思ってます。ドイルさんも自分の物語をこんなワールドワイドに読まれる日が来るとは思ってなかったのでしょうしね。
この「死を呼ぶ暗号」は、レストレードやマイクロフトが出てこないというのも残念ではありますが、一番の問題は脚本が練りきれていないということなんですよね。
ドイルもよく使ってた東洋の神秘的なネタを使ったのは、西洋文化の皆様にとってはそれなりに魅力があったのだと思いますが・・・。東洋西洋関係なく、脚本にところどころ破綻があるのが残念ですね。
>could
の仮定法は多彩な意味を含むのですね。
感覚としてつかむにはたくさんの例文に出会うことしかないですね。