村上春樹を読む時間は、私の人生で大した意味を持たないから、どんなに世間で騒がれていても、もう読むのはやめておこうと思ったはずだった。
今回の新刊も、もちろん読む本の候補の候補にも挙がっていなかったが、ちょうど台湾に行く週に発売されたために、空港の本屋で平積みになっていた。
そうだ、お土産に買っていこう。
台湾の友人は村上春樹ファンである。
重いハードカバーの新刊を上下2巻購入し、台湾へ向かった。
買ってしまったからには少し読んでみようか。
どうせ飛行機の中はヒマだし。
読み始めた。
あまり面白くはない。
でもさすがベストセラー作家だ。
最初を我慢して読み進めると、少しずつ作品の中に引き込まれて行った。
台湾で古いホテルに泊まった。
割と広い部屋に一人だ。
小説はちょうど、夜中に不気味な鈴の音が鳴り響くというシーンだった。
怖い。
トイレに行けなくなる!
本を閉じて、半七捕物帳の朗読に切り替えて寝た。(こちらも十分コワイが、既に一回読んで筋を知ってるから平気)
そうして、上巻の半分程度読んだところで、時間切れとなり、お土産に渡してしまった。
あの鈴の音の正体がなんなのかは、一生わからないことになるだろうが、まぁそんなことは構わない。
私には半七親分もいるし、サピエンス全史や網野善彦先生もいらっしゃる。
村上春樹に時間を使ってる場合じゃないのだ。
でも、何の因果か、また昨日から続きを読み始めている。
友人が貸してくれたのだ。
なんでもこの新作で「読書会」をするらしい。
私もメンバーに数えられているようだ。
「村上春樹嫌いなんだけど」
と言ったが
「そういう人が入った方が面白いから」
そういわれて、話はなんとなく決まってしまった。
半七親分の長編も残ってるし。
図書館に江戸切絵図の本を3冊予約してあるし。
正直言って村上春樹より、そっちを読みたいのだ。
でも読書会にはちょっと興味ある。
友人と本をテーマに酒を飲む。
楽しそうだ。
がんばって読むことにするか。
私が村上春樹を買って行った台湾の友人は、村上春樹が好きすぎて新作を読むのがもったいないと思っているらしい。「読んだら読む本がなくなってしまう」からだという。
「もし、村上春樹が今死んでしまったら、もう新作が読めなくなる。だから1Q84以降は読んでいません」とのこと。
え?私が前に買って行った「多崎つくる~~」は?
もちろん読んでいません。
じゃ、きっとこの騎士団長も村上春樹が死ぬまで読んでもらえないことだろう。。。
ダブル村上
大学時代、1973年のピンボールを読み、村上春樹に興味を持ち始め、羊を巡る冒険など次々と読みました。しかしあるときから彼の装飾語と言うか形容詞の多さに嫌気がさしてしまい読まなくなりました。その代わり村上龍の研ぎ澄まされたシンプルな文体が好きになりそちらの本を読み始めました。以来昨今の有名な本も全く読んでいません。多分、以前の文体とは変わっていると思うのですが、天の邪鬼なのか、世間がノーベル文学賞候補とか騒いでいるのが私的に???で、ますます遠ざかってます。村上龍の次に嵌まったのは佐藤正午です。でも、最近全く本を読んでいないことに気がつきました。定年後有り余る時間に、大学時代に買ったたくさんの本を読み返すことを考えています。
お久しぶりです
ハロハロさん、お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
この世に本は山のようにあるのに、それを読むには人生は短すぎますね。本だけじゃなく、映画をみたり、お芝居を見たり、音楽を聞いたり、友や家族と語らったり・・・時間がありません。定年後に本を読み返すという計画いいですね!以前よんだ本でもきっと印象が違いますよね。
こういうものとの出会いも縁なのでしょうね。わたしは、意識的に避けているのに、村上さんの方から寄ってきます(笑)しばらく付き合ってみることにします。
バカ本
学生時代、食費を削ってでもなけなしの金で本を買って読んでいました。大学の生協で買うと1割引でした。しかも買うは新刊のハードカバー本です。この当時流行っていたグレーの4段のスチール製本棚2つが卒業の時に本で一杯になりました。大学卒業の時にそれを着払いで山口の田舎に送り返しました。今は亡き母がバカ本ばっかり読んでと小言を言いました。後から聞くと本好きの母はそのバカ本を大半読んだらしいのです。今は兄の家になっていますが、私の部屋はそのままでスチール製本棚とバカ本は当時のままです。定年したらそのバカ本を引き取りまた読み返してみたいと思っています。さてさてどんな感想をもつのでしょうか。
死んだ後に読む・・
そう言う熱烈なファンがいるのですね。でも作品とは何かを考えてしまいます。
むかし千代の富士全盛の時代に、その土俵が怖くて見られないという女性がいました。
勝負がついたあとどうだった・・?と聞きに来るので、勝ったよ、と教えて上げると、それで安心するのです。おかしなファンだなと思っていたけど、それに似たファン心理なのかな。
でも、面白い話です。
ハロハロさん
それはひと財産ですね。
私も人なみには本を買って持っていましたが、度重なる引っ越しその他でずいぶん手放しました。最近は大学への古本募金もやっているので、本がどんどん手元からなくなります。そうしてなくした後で気が付きました。おびただしい数の本が絶版になっているということを。
がーん。
ハロハロさんは大事に読み返してくださいませ・・・・
死んだ後に読む
礁舎さん、ファン心理、面白いですよね。半七捕物帳がそろそろ読み終わります。寂しい気持ちになっています。読み終わるのがもったいないので、鬼平犯科帳に浮気始めました。でもやっぱり半七の方が面白い。
それとは違う気がしますが、私もその千代の富士ファンの方の気持ちわかります。オリンピックなどで日本がメダルに絡む活躍をしてる時など、生放送ではドキドキしてしまって見られないクチです。
Unknown
高校生の頃、まだ初期だった村上春樹の作品をいくつか読みましたが、どうしても読み続けられなくなって、以来自発的に読んでないんです。
ただ、新卒の時に社長から、なんの説明もなく(出版されて2年くらいは経っていた)「ノルウェイの森」上・下を「これ読みなさい」と手渡され、無理矢理読みました。
返す時にやはり一言「どうだった?」と聴かれ「村上春樹、好きじゃないんで大変でした」とだけ答えたら「ふーん」と言われて終了。今でも、なんであのときあの本を渡されたのか、全然わかりません。
私も引越に伴い何度か本を手放して、絶対持ってると思っていた本がなくなってることに愕然とし、後悔した事が何度もw
Lucyさん
私の周りの女性はかなりの確率で、「村上春樹を最後まで読めない」とか「苦手」とか「読んでると腹が立ってくる(それは私w)」とか言います。
類友かな?
でもなぜか、村上春樹関係の事柄が、私の周りに出来してきて、無縁ではいられないという生活をしています。
新作はあと100ページです。頑張らないと読み終われない気がしてます。読書会なかったら読み終われなかっただろうなぁ…。