「“結婚している人幸せ”意識に男女差」というニュースがyahooのトップに載っていた。ちょっと考えさせられた。
まずはもと記事。
“結婚している人幸せ”意識に男女差
1月31日 6時6分
「結婚している人のほうがしていない人より幸せ」と思うかどうか、NHKの放送文化研究所が調査した結果、「結婚している方が幸せ」と思う割合に男女差があり、女性の方が男性より低い結果となりました。
この調査はNHKの放送文化研究所が去年11月から12月にかけて全国の16歳以上の男女1800人を対象に配付回収法で行いおよそ67%に当たる1212人が回答しました。
調査で「結婚している人のほうがしていない人より幸せ」と思うか尋ねたところ「そう思う」または「どちらかといえばそう思う」が合わせて28%で、「思わない」と「どちからといえばそう思わない」を合わせた29%とほぼ同じでした。
ところが男女別で見ると▽男性は35%が「そう思う」または「どちらかと言えばそう思う」と答えているのに対し▽女性は23%にとどまり男女差がありました。
さらに女性でも▽独身の場合は26%が「そう思う」または「どちらかと言えばそう思う」と答えているのに対し▽結婚している場合は21%となりました。
家族社会学が専門の日本女子大学の永井暁子准教授は、「男性の場合と違い、女性は仕事でも家事の負担でも結婚のメリットがない社会であることが、こうした結果につながっている。魅力的な家族生活を送れる社会の仕組みが出来上がっていない」と分析してしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130131/k10015183491000.html
こういう調査の結果は解説によって印象が操作できますね。
結婚していない人は結婚してる人に比べて幸せかと聞くとまた別の結果になったりするかもしれません。
気になったので元データに当たってみました。
放送文化研究所
http://www.nhk.or.jp/bunken/research/category/yoron/index.html
このサイトに載っている調査結果も一部のようですが、さらに一部を(ニュースで言及してた部分)のグラフを載せておきます。
専門家が、「男性の場合と違い、女性は仕事でも家事の負担でも結婚のメリットがない社会であることが、こうした結果につながっている。魅力的な家族生活を送れる社会の仕組みが出来上がっていない」と分析しているのは、この調査結果だけが根拠でないのかもしれませんが、私には少し違和感があります。
そもそも、「幸せ」という抽象的で、人によって定義があいまいなものを数値化していくこと自体に無理があり、その無理を承知での調査なのでしょうけれど。
「幸せ」を感じる基準に男女差があるのでは?
心の中までは見れないけれど、こういう調査で「幸せだ」と単純に答える人の割合は男性の方が多いんじゃないかな。
こういった調査に回答するには自分を客観視する必要がありますが、女性はあまり普段から自分を客観視していないと思うので、結果に男女差が出るのは当然だと思うのです。
ステレオタイプにくくるのはよくないですが、男性はこういういう質問をされたときに、結婚生活全体として捉えて「おおむね幸せ」なら「幸せ」と答える傾向があると思うのですが、女性はその点ちょっと複雑で「幸せ」と言うものは完全形をしてて、そこにちょっとでもマイナスがあると「幸せとはいえない」という評価をしがちだと思うのです。(もっというなら女性の幸せの感じ方はゼロか100か、瞬間瞬間に「幸せ」と「不幸」が繰り返される日々をすごしている感覚です。
たとえて言うならこんな感じ。
・美味しいもの食べた→幸せ
・電車で足踏まれた→不幸
・夫にその髪型にあうねって誉められた→幸せ
・ひとりだけ残業になった→不幸
・あったかいお風呂にゆっくり浸かった→幸せ
・子供が熱を出してるのに夫が会社を休んでくれない→不幸
・仕事で誉められた→幸せ
でもこんな生活を「幸せか?」と尋ねられたときに、総合的に判断するのに慣れてなくて「完璧じゃないから幸せとは言えないわね」としてしまう人が多いように思うのです。
結婚してる状態としてない状態を比べると、してる方が生活が複雑になります。「配偶者との共同生活」「子育て」「配偶者の親戚」「それらと仕事との両立」などなど、単身のときにはなかった要素が(子育ては単身でもあるけど)加わるので、「幸せ」イメージも崩れやすくなるのでは?
でもこれはあくまでもイメージの世界の話で、本当にその人が不幸ということにはなりません。もともと女性の方が環境適応能力は長けてると思いますし。
私の周りでも配偶者への不満、義理の親への不満など散々話す人いますけど、離婚するかというとそんなことはなく、ただ口に出して言いたいだけみたいなんですよね。
女性って、言ってることとほんとに信じてることが違う場合が多いと思います。
だから、こういう調査にはもっと多角的な質問をしないと意味がないんじゃないかな。
興味があるのは
1.「結婚しない人は幸せか」をきく。
2.年代別 配偶者有無別、「結婚は幸せか」をきく。
3.今結婚している人に「未婚時代と結婚後とでどちらが幸せか」をきく。
こんな調査もあわせてしてもらったら、もうちょっと「へ~~」と思うような結果が出るのではないかな、と思うのですが。
結婚と平均寿命(笑)
日本人男性の平均寿命を伸ばす理由のトップ10には、「独身」がランクインし、女性の平均寿命を縮める理由のトップ10には「既婚」が顔を出すそうです。
つまり、夫は妻から命を分けて貰って生きているのです。
女性から生まれ出て、死ぬまで世話をかける。
男とはなんぞや?ですね(苦笑)
パパらっこさん
女性は結婚で寿命が縮むんですか?
へ~。時代背景もあることでしょうけどね。
いまNHKで「おしん」の再放送やってるのみてるんですが、あの時代の母親たちはすごいですね。働き方が。
あんなふうだったら、寿命短くなっちゃうかもしれないとおもいますが。今の世の中、あまり関係ないような・・・。
この世は全てもちつもたれつですよね。
女性も男性に甘え、男性も女性に甘え^^。
日本の女性の寿命が男性より長いのは、生物学的にそういうものだからなのでしょうか????
いつもブログを拝見させていただいております:)
鋭いご指摘ですね.こういった適当な価値観調査をマスコミがおもしろおかしく報道するのにはいつも違和感感じます.
たみにこの類の社会学的な研究を見かけたりするのですが,おっしゃる通り,
>3.今結婚している人に「未婚時代と結婚後とでどちらが幸せか」をきく。
は非常に有効的だと思われますね.
人間の非常に主観的な感情を出来るだけ客観的にとらえるためには,出来るだけ他の要素を固定したうえで,本当に効きたい部分を抽出するよう,質問をきちんと設定しないと,あまり意味のある結果を得られなさそうですね.
x.y.wさま
コメントありがとうございます。
いつも読んでくださっているのですか?!
恐縮です。
そして、この記事ですが・・・自分でも書いていたのを忘れていました。まだ今年の記事だというのに・・・^^;
私は決してまじめな学生ではなかったですが、論文を書くときに、論拠になるものにバイアスがかかっていないか、客観性があるのか?など厳しく突っ込まれていました。
学生のレポート程度でそうなのに、これは決して学生のレポートなどではなく、立派な研究所でプロの皆さんがやってらっしゃる調査なんですよね。、何でこんなことになっているのか不思議です。
面白おかしく取り上げた部分だけそうなっているのか、それとももとの調査研究からしてこの程度なのか気になります。
またご意見お待ちしております。