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高慢と偏見とベルばら

ちょっと前の映画「ユーガットメール」のワンシーン。メグライアン扮するショップガールと大型本屋の社長トムハンクスが、お互いを知り合いと知らずに初めて待ち合わせる場面。目印にしたのはバラの花を挿んだ「高慢と偏見」でした。


(これはBBCドラマ版の表紙ですね。コリンファースのミスターダーシー♪)

おそらくその文化圏の観客はこの本が選ばれたことで、ショップガールの人となりがかなり把握できるのでしょう。そういう本ってありますよね。映画の中では、待ちあわせの小道具だけでなく、本の内容についても色々話しています。

では、もしあの映画の舞台を日本に移したとして、どの本をもたせたらぴったりだろう?そんな愚にもつかないことを考えました。

ある程度の古典文芸で、持ち主の教養を感じる。文学少女のイメージかな?また、誰でも知ってて、でも古くさいわけでもなく、今でも映画になったりドラマになったりして、原作を読んだことがない人でもその物語は知ってて広く長く愛されてる。

うーん。
夏目漱石じゃないし、源氏物語じゃ時代が違いすぎるし、かといって現代語訳版がベストセラーってわけでもないし。村上春樹?でもそんなにドラマ化されて親しまれてるわけでもないか。

それに、あのシーンのポイントは、恋愛小説ってところだからなー。
川端康成?「伊豆の踊子」とか確かに何度も映像化されてるけど…どんな話か私は知らなかったりして(汗)

この前の女子会でも実はこの話をしました。オースティンが現代の恋愛物語に与えてる影響について。
あんなふうに、今のハリウッド映画やイギリス映画に繰り返し登場するモチーフを提供できるオースティンってすごいよね。日本にそういう文学作品あるかな??
その時、匹敵するのは源氏物語じゃないか、という意見があってとても納得だったけど、現代日本であの物語を恋愛ドラマに反映させるってあまり聞かない。あれは、古典としてもう終わってる感じ。

その理由として、現代の価値観にあれは合わなすぎだろう。という意見もありました。

繰り返し映像化されるという話に忠臣蔵がありますが、あれは常に忠臣蔵だからちょっと違う。
私としてはベルばらはかなりいい線いってるんじゃないかと思うんだけど。恋愛物語の典型として後世に君臨できるポテンシャルあるよね。主要4人のキャラも際立ってるし、例えば時代や設定を変えたストーリーなんかも可能という意味で相当強力な物語の魅力を持ってると思う。ただ残念ながら舞台が日本の話じゃないから映像化とか難しい。漫画スタートだし、昭和の話だし、オースティンみたいになるかと言われると、もちろん違うけど。

大河ドラマで人気の戦国時代とか、幕末とかを背景にやってみたらどうだろう。実在の人物にオスカル&アンドレを絡ませてドラマチックに展開できそうですよねー。

日本版ショップガールが待ちあわせの目印にベルばら持ってるとか、ちょっとやっぱり無理があるかな?

9 thoughts on “高慢と偏見とベルばら

  1. FUSA

    ユーガットメール
    ユーガットメールで読んでいた本が「高慢と偏見」だったなんて全然気が付きませんでした。映画のワンシーンでさりげなく置いてある本は、作者(映画の場合は脚本家か監督)の愛読書だったり、インスパイアを受けた本などが多いようですね。フランソワ・トリュフォーの「アメリカの夜」で、机の上にハワード・ホークス論みたいな本が置いてあったのをよく憶えていますが、トリュフォーがハワード・ホークスを敬愛していることはよく知られていましたから、なんだか微笑ましい気がしたものです。
    ユーガットメールを日本に置き換えた場合、どんな本になるか・・・ウ~ン 難しいですね~(笑)
    古典的なもの・・・ 谷崎「痴人の愛」「春琴抄」、三島「潮騒」「豊饒の海(春の雪)」なんかどうですかね~

    返信
  2. FUSA

    ユーガットメール
    ユーガットメールで読んでいた本が「高慢と偏見」だったなんて全然気が付きませんでした。映画のワンシーンでさりげなく置いてある本は、作者(映画の場合は脚本家か監督)の愛読書だったり、インスパイアを受けた本などが多いようですね。フランソワ・トリュフォーの「アメリカの夜」で、机の上にハワード・ホークス論みたいな本が置いてあったのをよく憶えていますが、トリュフォーがハワード・ホークスを敬愛していることはよく知られていましたから、なんだか微笑ましい気がしたものです。
    ユーガットメールを日本に置き換えた場合、どんな本になるか・・・ウ~ン 難しいですね~(笑)
    古典的なもの・・・ 谷崎「痴人の愛」「春琴抄」、三島「潮騒」「豊饒の海(春の雪)」なんかどうですかね~

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  3. ゴジ・ダツジ

    偏見と偏見
    ユーガットメールと聞いちゃ黙っていられません 映画の舞台を求めて アッパーウエストをウロウロ トムハンクスのなりきりは板についたもの NYの模型の街並みをなめる映画のスタートが気に入っています 
    イギリスのTVドラマ ダウントンアビーを見るたびに偏見云々を思い出します これ偏見ですか ついでにおすすめTVドラマは刑事フォイルです これまたイギリス製
    暇な人には薦めません 時間を惜しんでみるドラマですから 

    返信
  4. ゴジ・ダツジ

    偏見と偏見
    ユーガットメールと聞いちゃ黙っていられません 映画の舞台を求めて アッパーウエストをウロウロ トムハンクスのなりきりは板についたもの NYの模型の街並みをなめる映画のスタートが気に入っています 
    イギリスのTVドラマ ダウントンアビーを見るたびに偏見云々を思い出します これ偏見ですか ついでにおすすめTVドラマは刑事フォイルです これまたイギリス製
    暇な人には薦めません 時間を惜しんでみるドラマですから 

    返信
  5. YOKO

    谷崎、三島・・・
    FUSAさん、映画で使われる本なんかは細かく見ていくと面白いですよね。作家の趣味なども見えるし。あまりこういうことに注意が向いていなかったのですが、オースティンに気がついてから、英米の映画にやたら出てくることが気になりました。

    谷崎とか三島とかでますよね。やっぱり。私はあまり本を読まないので、実はどちらも未読(あ、潮騒は読みました)です。
    この二人はともに、ノーベル賞の候補だったとか?日本を代表する小説家なのは間違いないですよね。「細雪」とか映像化が美しいですね。

    でも谷崎を偏愛する女性かぁ~。どういう印象を持たれますか??

    返信
  6. YOKO

    谷崎、三島・・・
    FUSAさん、映画で使われる本なんかは細かく見ていくと面白いですよね。作家の趣味なども見えるし。あまりこういうことに注意が向いていなかったのですが、オースティンに気がついてから、英米の映画にやたら出てくることが気になりました。

    谷崎とか三島とかでますよね。やっぱり。私はあまり本を読まないので、実はどちらも未読(あ、潮騒は読みました)です。
    この二人はともに、ノーベル賞の候補だったとか?日本を代表する小説家なのは間違いないですよね。「細雪」とか映像化が美しいですね。

    でも谷崎を偏愛する女性かぁ~。どういう印象を持たれますか??

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  7. YOKO

    ゴジさん
    ユーガットメールのファンでいらしたのですね。
    あの映画はNYの空気を感じることのできる映画ですよね。それに素敵なラブコメで、私も大好きです。

    刑事フォイル、いまTVでやってますよね。(ヒマ人なので?)未見です。ダウントンアビーもみてませんが、見た人は面白いを連発していますネ。イギリスドラマはシャーロックホームズに始まりシャーロックホームズに終わってますが、途中でちょっとクリスティは見てみたり。余り美人が出てこないイギリスドラマは、美人だらけのアメリカ物より、リアリティーがあるなぁ~といつも思ってます。

    返信
  8. KHS

    Unknown
    こんにちは、たびたびすみません。オースティンに相当する作品、日本では源氏とベルというのが相当するように思いますが、ドラマなどの再加工頻度でいうと幕末ものでしょうか。ちなみに別のところで書き込んでいたメモで、ベル原作コミックを初めて買ってもらった小6時の心境にこれを引用したので、自分でも、あっそうか、ベルは源氏なんだと思った次第です。→「はしるはしる、わづかに見つつ、心も得ず、心もとなく思ふ源氏を、一の巻よりして、 人もまじらず、几帳の内にうち伏して引き出でつつ見る」「昼は日暮らし、夜は目の覚めたる限り、灯を近くともして、これを見るよりほかのことなければ ...」(菅原孝標女、更級日記)
    ではでは。良いお年を。

    返信
  9. YOKO

    更級日記!!
    菅原孝標女センパイは大人気ですよね。昔から、文学少女、オタク女子、同人女子、〇女子いろいろ言い方はありますが・・、本質は似たようなところですね。
    源氏物語をどんどん現代に翻案してほしい・・・あ、現代に舞台を移すのは難しいので、現代の感覚でドラマ化!映画化!是非にと思いますですね。やっぱりベルばらは源氏かぁ。
    ありがとうございます。師走の最後にベルばらを思い出させてもらって今年は幸せでした。
    良いお年を~~~。

    返信

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