馬英九政権下、台湾と中国(大陸)との交流は経済面でも、文化面でもかなり進んで、今や直行便がばんばん行き交い、個人旅行者も大量に押し寄せる時代になりました。(蔡政権になって減ったらしいけど)
陳昇のコンサートにも大陸のファンが大挙してやってくるようになり、台湾的だった会場の空気も変化しています。毎年毎年それは感じています。
私の見るところ、事実上大陸でコンサートを開けない陳昇なので、大陸のファンは思いを募らせて台湾まで見に来るためどうしても熱くなってしまう。それと、もともと、大陸のコンサート鑑賞スタイルが台湾と違うというのもあるのかな。台湾の人たちはのんびりと鑑賞する感じなのだけど、大陸のファンは熱い!コンサートも盛り上がります。でも、時に行き過ぎを感じることも。
今回みかけたのは、自分の席を立ってステージ前までやってきてしまう大勢の人たち。そして、歌手が歌いながら客席に降りてくると、突進して抱きつく、握手を求める、ずっとついて回る「熱すぎる」ファン。
(ステージ前に詰めかけてしまったファンたち)
どちらも、以前はなかった行為。
全員が全員大陸のファンかどうかはわからないけど。
ステージ前に出てきてずっと立ってるのは、以前ツイジェンやリッチーレン来日の時にも体験した。
歌手に突進するのは危ないから、ホントやめてほしい。
さて、そんな中、私にも大陸のファン友達ができた。
彼女と話していたら、彼女がこんなことを言い出した。
「我都不敢跟他要合影握手這些,怕被無情拒絕、所以直到春酒才有了第一張合影。還是因為我喝多了所以才有勇氣開口問。」
拒絶されるのが怖くて握手を求めたり、写真撮らせてくださいと言えないというのだ。
それすごくわかる!!(彼女はファン歴10年で、やっとツーショットで写真をとることができたらしい。しかも酔った勢いで。「春酒」というのは一年に一回ファンとの交流の新年会のこと。限定50枚のチケットが販売され、陳昇と一緒に宴会する)大陸の人でもそういう人もいるんだなー。当たり前のことだけど。この感覚を持ってる人とは友達になれると思った。もう友達だけど。
彼女に比べらたら、私はもっとかなり勇気あるかも。何しろ、初めて見に行ったコンサートの時、握手を求めましたものね。あれは一世一代の勇気を振り絞ったんだけど。それと、その10ヶ月後、台湾旅行中に行ったレストランで偶然陳昇御一行に出会ったときに、サインとツーショット写真もお願いした。
怖いもの知らずだったからできた。
その後ずーっと十何年間彼を怖いと思っていたわけだから。
この辺の感覚が共有できると、なんだかうれしくなるのですね。
大陸の陳昇ファン
この観察なかなか面白いとおもいました。
陳昇のファンに台湾的と大陸的との差違があるとの発見、比較文化学的に興味があります。
卒論などに適当するテーマですね。
ひとつ論文でも書いてみては・・・。
文化の違い
hiroshiさんまさか論文を書くほどまでには考察はすすんでいませんが、面白い部分です。
台湾人と中国大陸人、そして香港人、はたまた東南アジア華僑、日本の華僑、アメリカやオーストラリア、ヨーロッパの華僑、みな「チャイニーズ」ですが、やはりもうそれぞれ違っているのでしょう。もともと中国大陸のなかだけでも、話す言葉も違っていたし、文化や気質も違うのかもしれません。
台湾の陳昇ファンは、私のこの20年の体験から言うと「おおらか、のんびり」という形容がぴったりです。ファンには違いないけど、「崇拝する」というよりも友人のように接する人が多く、熱烈な人は少ない。そのため、これまで陳昇が客席に降りるのも全く問題なく秩序が保たれていました。だからか、歌の途中でも私語が多かったりした面もありました。
しかし、ここ数年、コンサートに行くと一部熱狂的ファンたちが見受けられ、コンサートの警備を強化しないと事故が起こるのでは?と心配してしまうほど。秩序がどんどんなくなってきています。
大陸の人たちのマナーに関する感覚は、私たちとはちょっと違うと思うことがあります。日本も中国人観光客が増えて、それを感じる場面が増えました。また香港や台湾はもっと顕著です。オリジンが同じだけに摩擦もより大きくなってると感じます。
解決するためには、相手を排除するのではなく、もっと大陸のファンたちと交流してお互いを理解する、それしかないかなと思います。