先日の陳昇来日コンサート時、阿Vanが自分のことを紹介するのに 「牡丹社事件」の牡丹出身ですと言っていました。
牡丹社事件のことは私も何かで見たことがあり 日清戦争以前に 日本が台湾に野心を示した 一つの事件として記憶していました。ただそれ以上の関心を持ってはいませんでした。 阿Vanが牡丹出身だということは昔から知っていましたが 自分の中ではそれほどそのことを大きく考えたことはありませんでした。
ただ今回は、毎ステージでこの自己紹介をきいたので この人と付き合うには ちゃんとこのことも知っておかなければという気持ちになりました。
阿Vanは「牡丹社事件のボタン出身です」とはいうもののそれ以上のことは何も言わず、そのことについてどう思っているのかとかまではわからなかったのですが、YouTubeに彼自身がこの牡丹社事件のことを語っているものが載っていました。
それが以下の動画です。
詳しく話している印象はあるものの、いかんせん、聴き取れません。台湾の友人に、阿vanが何を言ってるのか、文字に書き起こしてもらえないか頼みました。
結果、もとの動画に中国語の字幕が付きました。ありがたいことです。
(設定から字幕をonにして見てみてください)
高士部落-阿VAN淺談牡丹社事件 20171112
おそらく、牡丹社の人々のなかではこの事件は忘れられない強烈な記憶として語り継がれて来ているのだろうと思います。2~3代前には実際に体験した人や体験者から直接話を聞いたも多かったでしょうから。
そして、阿vanの話していることは、文字をもたなかった自分たちの歴史は他者の文字の記録ばかりが広く知られてしまうこと。それから、なんといっても、自分たち台湾原住民は何百年もずっとこの地に暮らしているのに、侵略者たちから「化外の民」という理不尽な扱いを受け続けてきたこと。
その点を伝えたいと思っているようです。
ハッとさせられます。