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5月27日 小澤征爾&水戸室内管弦楽団@ミューザ川崎
続きです。

開演前、客席に大学の恩師がいらしていたので挨拶に行きました。2年ぶりくらいにお目にかかりました。先生は今日は静岡出張から駆けつけられたのだそう。84歳になられるのにお元気だ!そして終演後にもご挨拶しようと思ってロビーで待っていたら、「君たち時間大丈夫?楽屋に行ってみようよ。」と連れて行ってくださいました。
キャードキドキ。

実は楽団のスタッフをやっている同級生から、終演後はマエストロが大変お疲れになるので(そのお世話で?)私たちに会いに行けないという断りのメールが入っていました。そうだろう、そうだろう。それなら今夜は彼にも挨拶なしで失礼しようと思っていたのですが、先生が連れて行ってくれるところまでは行ってもいいかな。先生は水戸の団員さんには昔馴染みが結構いらっしゃるみたい。

楽屋口。
先生はいわゆる顔パスです。

ステージ裏は二重構造になっていて、楽団員さんのいる広いところとマエストロのいる奥の部屋(楽屋)があります。楽屋の前はスタッフの人が何人もいます。楽団員の皆さんはもうラフな服に着替えて撤収していくところでした。恩師は顔見知りの楽団員さんに声をかけたり、私たちを紹介してくれたりした後、奥の部屋に入っていきました。私たちはもちろん広いところで待機です。待っている間、恩師の知り合いの音楽記者さんとお話できたんですが、クラシック音楽の素人の質問にいろいろ答えていただけて勉強になりました。お名前を聞きそびれた。いつかまた会えるかな?

そんなことをしているうち、スタッフの同級生にも会えました。仕事中で忙しそうでしたが、彼も恩師にはもちろんご挨拶。そしていろいろこのコンサートにまつわる話をしてくれました。(というか恩師に話してたのを聞いてただけ。業界の話、固有名詞も知らないしであまりよくわからなかった…勉強しよう)

そして、楽団員さんがほとんど帰ってしまったあと、小澤征爾さんが奥の部屋から出てきました。ボストンレッドソックスの真っ赤なスタジャンに、ニューバランスのスニーカーでした。

きやー!
生オザワ!
生セイジ!

そしてなんと恩師が私達をマエストロに紹介してくれました。
不思議とそんなに緊張しませんでした。そういうの飛び越える魅力溢れる方なんでしょう。マエストロは24歳のオーボエ王子をつかまえて「こいつまだ24才なんだぜ」などと繰り返し、悔しそうでした。何だろ?とてもおちゃめな感じが漂ってました。
今回の演奏会、前半は「指揮者なし」での演奏でしたが、スタッフの話によるとリハーサルでは、ばしばし指揮してたそうです。できるだけ体力温存していただきたいのに、始まったら止められない…ようなお話でした。なんだかとっても「らしい」ですね。恩師とは中でも話をしたんだと思いますが、外でもいろいろ話してました。「サイトウキネンでベルリオーズやるよ。」とか。まだまだ残って話したそうでしたが、スタッフに「そろそろ帰りますよ」と促されていました^^。

オーボエ王子(笑)にもお疲れさまーと声をかけることが出来ましたが、ニコニコ手を振ってくれる好青年。
カワイイ!

実は私、20年以上前に一度小澤征爾さんに会ったことがあるんです。その時は征爾さんのお母様もいらしてて、茶話会みたいなイベントが開かれ、友達に誘われて参加したのだと思います。小澤征爾さんの兄弟が揃ってアカペラで黒人霊歌を披露してくれました。それはお母様のためだったと思いますが、ものすごく貴重な体験です。その時の写真がどこかにあると思うのですが、どこにしまったかなぁ。

さて、会場を後にしたあと、随分遅くなってたのですが、恩師と友人と川崎銀柳街あたりに繰り出して呑みました。
御年84歳の先生を深夜まで連れ回してしまいましたが、満州の話、戦時中の話、先生の苦学の話、今の集団的自衛権の話、コンサートの話、小澤征爾さんの話、たくさん聞かせていただきました。う~時間が足りない!
先生はその日は静岡出張から直接コンサートを聴きに来て、翌日は宇都宮だというので、今夜は家に戻らず(先生の家川崎なのに)、東京駅前のホテルに泊まるとおっしゃってました。今度大学の同期会を5年ぶりにやるので、先生もお誘いしたら、もう先約有とのことでした。「いつなら大丈夫ですか?」と尋ねると、「2015年まではいっぱいなので、2016年なら」との話になり、今なんと2年後の同期会の計画が進行しています2年後まで予定ギッシリってすごいですね。超人?!先生、いつまでもお元気で。

素晴らしい音楽を聴き、いろんな人に会って、いろんなことが起こった夢のような一夜でした。

友人からのお誘いで、小澤征爾指揮の水戸室内管弦楽団川崎公演に行ってきました。友人は愛知からこのためにやってきました。演奏会なんてそれほど出かけない私ですが、水戸室内管弦楽団は同級生が働いていることもあり、二回目の鑑賞。前回はサントリーホールのチャリティーコンサートでした
今回は、小澤征爾さん指揮です!テレビでは何度も拝見してますが、生演奏を聴くのは初めて。会場はミューザ川崎。駅直結のステキなコンサートホール。渦巻状の客席が斬新な印象です。

演目は、メンデルスゾーンのシンフォニア第二番
モーツアルトのオーボエ協奏曲
ここまでは指揮者無しでの演奏です。

コンチェルトはソリストが指揮してました。吹き振りっていうのかな?24歳のソリスト、フィリップ・トーンドゥル氏。顔を真っ赤にしてオーボエを吹く様子が可愛かった!オーボエは最近とても気になっている楽器で、オーケストラからオーボエの音が響いてくると嬉しくなってるので、コンチェルト聞けて幸せでした。しかも黒木君(のだめカンタービレ)のピンクのモーツアルト(*^^*)。

フィリップさんは、アンコールの前に日本語で「アリガトウゴザイマス!」って挨拶して、自分でアンコールの曲紹介をしていました。ますます可愛かった!オーボエ王子と呼ばせていただきます。アンコール曲は、「マルチェロのオーボエ協奏曲 ニ短調 第二楽章」でした。
オーボエの音きれい。うっとり。

そして、小澤征爾指揮でベートーヴェンの交響曲第7番。のだめカンタービレのテーマ曲ですね。オーボエ協奏曲といい、のだめコンサートだ!

今回は、チケットは友人任せで席が取れればどこでも!と言っていたのですが、前から7列目というステージにとても近い席になりました(15000円)。こんな席で聞くの初めてです。つい一番安い席を買ってしまうのでNHKホールの3階席とかばかり。しかもここミューザ川崎はステージと1階席がとても近く、高さもほとんど変わらないのです。

感想はいろいろあるのですが、とにかく小澤征爾さんのエネルギーがすごかったです。ご病気されてましたがそんなことを感じさせないパワーでした。終演後話を聞いた人は皆「完全復活!」と言ってました。そして、楽団との呼吸。その空気感。
楽団の結束みたいなものは、小澤さんが登場する前から感じていて、指揮なしの2曲もすごくまとまった雰囲気で、特にコンチェルトでは若いソリストをベテランの楽団員さんたちが見守るような感じで演奏していてすごく温かい空気がありました。
水戸室内管弦楽団は小澤征爾さんが総監督をしている楽団ですし、後で聞いた話なのですが楽団員の中には子供の頃からの音楽仲間もいて、とにかく「ホーム」なんですね。

前半2曲のあと休憩が終わってベートーヴェンが始まる前にオーケストラが入場してくるのですが、急に拍手が一際大きくなったので??と思ってたら、小澤征爾さんは、楽団員と一緒にステージに入ってきたのでした。普通はオーケストラが着席して、満を持して指揮者登場ですよね?オーケストラの一員のように紛れて後方から現れたのでびっくりしました。

あとから聞いた話だと、この水戸と、サイトウキネンだけはこのスタイルなんだそうです。これが「ホーム」感を表していました。そして、指揮台に乗らずオーケストラに食い込んで指揮してました。コンマスなどは指揮者の後ろ姿しか見えない状態。そのくらい前に攻めてくような指揮でした。これもオザワスタイルなのかな?

今回前の方の席だったので、オーボエ協奏曲の時はソリストの指がレバー(キー)をタッチする音まで聞こえました。
交響曲では、各パートがそれぞれ独立して聴こえ、音がとても立体的でした。例えは変ですが「もぐらたたき」みたいな感じに、音がポコポコ盛り上がるのが見えるようでした。

指揮者はこの音を聴きながら音楽をつくだているんだなー。と感じました。3階席では気付くことができなかった生の音です。3階席も音が綺麗にまとまって(レコードと近い音)聞こえるので悪くはないですけど、今回聴いたのは、生の会場ならではの不思議な音でした。これは楽しい!私は音楽は全くの素人なので、演奏の良し悪しとか技術とか全然わかりませんが、感じたのはそんなことでした。

ベートーヴェンの交響曲7番はこれまでも聞いたことありましたが、今回聴いて、第一楽章の終わり近くにある、木管金管の短いソロリレーがとても素敵に感じました。今までは第一楽章の華やかさが好きだなーと思っていましたが、今回は第二楽章の魅力炸裂でした。いつまでも聴いていたいと思いました。
第三楽章から第四楽章に移るときのマエストロの気迫はすごかった。どどど!それまでは楽章ごとに椅子に腰かけ休憩を取ってましたが、4楽章に移るときは一気に行きました。こいうのを「アタッカ」というのだそうですね。知らなかった。
ほえ~。

ネットで見かけた情報。
1楽章が終わった後に、オーケストラがチューニングを始めたんです。あれ~っと思ったんですけど、あれは小澤さんの体を気遣うオケの優しさだったのだとか。
ほえ~。

ミューザ川崎始まって以来初の満場スタンディングオベーション(ミューザのスタッフの方がそう言ってたそうです)で、カーテンコールも何度も繰り返されました。小澤征爾さんは、指揮が終わったあと楽団員全員の席を回って握手しているのが印象的でした。小さめの編成の楽団ということもあると思いますが、楽団横一列になってのお辞儀が新鮮に感じました。客席が360度あるので、後ろ向きにもお辞儀してたのが面白かった。マエストロお疲れだろうと思うのにやっぱり拍手をしてしまって何度も呼び出してしまい、申し訳ありません。という気持ちになりました。

小澤征爾さんはとてもお元気そうでパワーにあふれていました。皆口々に「完全復活だね!」といってましたよ。私は初めて生で拝見しましたが、ほんとにそうだと思いました。


週末、豊橋と名古屋に行ってきました。
愛知県2大都市。

豊橋では同級生の主催する、大学の恩師の講演会を聞き、
名古屋では年下の友人の結婚式に参列。

特に豊橋ではいろいろな人に出会って、かなりのカルチャーショックを受けました。
カルチャーショックって、何も外国に行かなくても受けることができるんだとしみじみ感じました。

日本には、まだまだ私の知らないカルチャーがありますね~~。
(まだまだ私の知ってる世間は狭いんだな~と再確認)

いやはや、面白かった。
豊橋LOVE!