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ロシアのウクライナ侵攻以来、ウクライナのひまわり畑をテレビなどでよく見るようになりました。ひまわり油の産地なんでしょう。(ひまわりはウクライナの国花だそうです)

そして、1970年の映画「ひまわり」です。
見たことはありませんでしたが、超有名な映画ですよね。
ウクライナの戦争が始まって以来、各地で上映会をやってる話も聞いていて、近くでやってたら見てもいいかな?なんて思っていました。
そんなとき、熊本の父から連絡が来ました。ひまわりのリバイバル上映を見て、とても良かったという話です。
へー。
父の年代だと初公開時にも見てるのかもしれないですね。
先月帰省したときも、この映画の話を熱く語ってくれました。
父は昔から話が上手くて、あらすじはもちろん、見どころのシーンなどを画面が目に浮かぶように話してくれます。
これはもう自分で見に行かなくてもいいかなと思うほど(笑)

「一度見た方がいいよ」という話なので、アマゾンビデオとかでレンタルしてみたらいいかな?と思ってましたが、そのままになっていました。
そうしたら、土曜日にでかけたみなとみらいでポスターを見かけました。TSUTAYAの二階の小さな映画館で昨日から始まったようです。
午前中に一回だけの上映なので、翌日曜日に出直してきました。
2020年に50周年を記念してHDレストア版というのがリリースされたのだそうですが、今年のウクライナ侵攻をうけて、各地で上映会が行われることになったようです。
100席くらいの映画館(スクリーンは3つ)で、でもひまわりの回を見てる人は5人でした。コロナ感染の不安もなくていいけど。
映画は…たしかに父がオススメしてくれるのも納得。
セリフがあまり多くなく、説明も少ないので公開から50年後に見るのには少し解説がほしい感じはしました。
説明過多なものに慣れすぎてるかも。
・ナポリ娘のジョヴァンナと北の生まれのアントニオが出会ったきっかけは描かれません。アントニオは何しにナポリまで来てたのだろう?
・雪の中瀕死のアントニオをなぜロシア娘は助けたのか?
雪原には大勢のイタリア兵が倒れていたし、そもそも敵なのに?
彼女も家族を亡くして独りぼっちだったのかな?
・村の小さな家から,高層のアパートに引っ越し。かなりの出世に思えたけど、どういう意味があるのかなぁ?
父が見どころのひとつにあげていたのが「毛皮」。
ロシアに出征だからか「毛皮をお土産にすぐ帰るよ」といったアントニオが、ソ連のデパートのようなところでイタリアへの土産に毛皮を買う。高い毛皮と安い毛皮、どっちを買ったかは描かれず、最後にジョヴァンナに手渡すところでやっと判明するのだけど、「さてどっちだったでしょう?」
後で調べて分かったけど、
東西冷戦時に初めて西側の映画のロケがロシアで行われたものだそうで、ロシアのシーンがきれい。建物は荘厳だし、人々の身なりはきれいで、駅にはたくさんのエスカレーター(父はこの映画のエスカレーターに驚いたらしい)
そしてロシアの人々はとても親切。
親切なのはきっとそうなんだろうと思うけど、一般のイタリア人のために、外務省の人が密着ガイドしてくれるものなのかしら?

ソ連時代のロシアの対外イメージのために「盛られた」ところはありそうだなと思いました。できるだけ「発展している」面を映してほしいと。
そんな中で見つけた記事。
NHKのものです。
「ひまわり」のロケ地がどこなのか、について、ソ連側の公式発表が長年嘘だったという話。遺骨返還を求められても困るとか。
捕虜を大勢死なせたことがわかるのが困るとか。
いろいろ考えさせられる、「ひまわり」です。
名作映画「ひまわり」に隠された”国家のうそ” | NHK

名作映画「ひまわり」に隠された”国家のうそ” | NHK

【NHK】ウクライナ侵攻で注目され、いま全国各地で再上映されている映画「ひまわり」。そのロケ地を取材すると、いまのロシアにつながる国家の“うそ”が見えてきました。

NHK鹿児島放送局

公式サイト(上映情報もあります)

学生時代に一緒にサークル活動してた友人から久しぶりに連絡もらって「こんど劇場映画を作った」というので見に行ってきました。

島崎藤村原作の「破戒」。
60年ぶりの映画化だそうです。水平社100年記念。
藤村の原作はなんとなく敬遠していて、これまで読んだことありません。
重たいテーマですが、静かな抑えた映画でした。
表現もソフトです。
2022年に公開するやり方として、この「抑えた感じ」は効果的だと思います。
間宮祥太朗の清潔感もよかった。
わたしは矢本悠馬オシです。(彼のやった役、清涼剤だったなぁ)
部落問題については、上京して以来日頃全く感じることなく生きているけど、また違う差別がたくさんある世の中を感じているし、古いテーマではないのですよね。
劇中「この差別が無くなっても、また新たな差別が生まれる」というセリフがあり、突き刺さりました。これは原作にもある言葉なのかな?
異質なもの、理解し難いものを排除したいと思う気持ちが差別を生み、それは長い人類の歴史で脈々と続いてきたことかもしれませんが、お互いに理解し合うとか、理解することができなくてもちょっと想像力を働かせるとか、そんな風にして差別を解消する努力をしなければいけないと思います。
SNSにこの映画のことを書いたら、ことのほか反響があり、もう見に行った人もちらほらいました。
「同級生の結婚が破談になった」という知人もいてびっくり。
忘れていた自分を反省。

この映画を作った友人は普段は教育映画を作っていて、商業映画にかかわるのは珍しいらしい。ネット上に彼がインタビューされた記事があったので、読みました。
映画化の背景がよくわかりました。
コロナ禍がすぎたら飲もうねと話しているので、会ったら準備期間の話など聞いてみたいものです。
見てよかったです。
おすすめありがとう。
ところで、「破戒」が絶版になっていたとは、全然知らなかったです。
私、同和問題について高校生の頃にそのテーマの演劇をやったことがありました。それでいろいろ考えて、「まるで存在しないもののように蓋をし続けて、人々の記憶から消し去ることができたら、新しい世代の中には差別が消えているのではないか?」などと考えていた時代がありました。でもきっとそれは浅はかな考えなのでしょうね。
本を絶版にしても状況が変わっていくわけではないということなのでしょう。
結局新しい差別も生まれてしまうし。
本が絶版になった(そしてまた復刊した)背景はもっと複雑なのだろうとは思いますが。新潮文庫の解説にそのあたりのことが詳しく書かれているそうですので、読んでみようと思います。

新潮文庫、今は映画仕様です。
間宮祥太朗主演 映画「破戒」予告編
 
公式サイトで公開劇場を調べられます。



先週封切られたジョニー・デップの映画「MINAMATA」。
今日30日に見てきました。
緊急事態宣言は今日まで、明日から映画館の入場制限がなくなるので、その前に行っとこうかなと思って。(でも明日なら1日だから安く見られたんだって。知らなかった。

平日の夜だからか、元々人気のない映画なのか、10人も入ってなかった。「水俣病」ってことで重そう、暗そうって感じなのかな?ジョニー・デップなんだけどなー。残念。


特殊メイクしてるとはいえ、ジョニー・デップはいいおじさんになったなー。
昔(20年以上前)、大好きで出演作を色々見てたけど、久しぶりにジョニデ満喫しました。やはりいい役者さん!
ビル・ナイも良かったね。
撮影は日本ではなく東欧(セルビアとモンテネグロ)でやったらしいので、どこか謎な場所での物語のようだったけど、世界的な作品だからそれはそれで良いよね。
冒頭の海沿いを走る列車の俯瞰シーンだけは熊本で撮ったのかな?と思いましたが。(オレンジ鉄道が最後のクレジットに出てきたから)
でも、日本家屋の中の様子やデモ、座り込みの様子など、美術さんたち(みな東欧の人たち!)はいい仕事してたと思う。日本人としてみていてもしらけちゃうような勘違いなど全くなかった。これはすごいこと。
日本人キャストもとても良い芝居をしてました。
真田広之の熊本弁満喫しました(字幕なしで全国の皆さんわかったのカナ?)。國村隼もいつもながら良かった。
浅野忠信のところだけ妙にドキュメンタリータッチだった。
なんでだろ??
アイリーンも良かった。
はじめてみた女優さんだったけど、美しくて強さもあって。
あの映画は一応ユージーンスミスとアイリーンの物語なんでしょうね。こちらは水俣の話と思って見てたけど。アイリーンさんは、この映画にも随分関わってたらしいですね。


ここからネタバレします。
未見の方はご注意ください。
細かな違和感を言うのは野暮かな。
蝉が鳴いてるのにみんな晩秋のような服装だったり。昭和40年代の水俣の庶民の家でウイスキーが簡単に出てきたり。子どもたちがサッカーしてたり(そこは、野球だろ!みたいな)
ちょっとそういうことはあったけど、本筋とは関係ないので拘泥しないほうが吉。「水俣」が舞台ではあるけれど、「MINAMATA」という普遍的なテーマを描いた地球的な作品だと思えば、細かなことはどうでもよい。
一つだけ、本筋に関係ある違和感としては、ユージーンたちが病院に潜り込んで、会社の病院側の隠してあった資料を見つけるところ。
え?ほんとに??
映画的な脚色なんだろうと思ったけど、日本で作ったらあんなふうな脚色は無理だろうな(それとももしかして事実なのだろうか??)
前に水俣裁判の記録の本で、会社側の医師の記録も読んだ覚えがあるけど、実際はどういう経緯で明らかになっていたのだろうか?
もう一度読み返してみよう。
映画見ながら、この映画がジョニー・デップによって撮られた意味を考えてた。
映画としてはそれなりに盛り上がるところもあり、起承転結のカタルシスもあるように作られてるんだけど、でも消化不良で終わった。
それは水俣病はもちろん、環境破壊とそれで苦しむ人々の悲劇は全然終わってないってことが、この制作陣にもわかってるから、スッキリさせてくれないんだろうと思った。

終盤「勝訴!」っていうシーンがクライマックスとして扱われてるのだけど、そのあとすぐに
「裁判では想いは晴れない。本社へ行こう!」というような横断幕が映し出され、そうそう、これでは全然終われないんだ。と思った。
実際水俣病裁判はあれからずっと続くし、今も解決してないのだもの。
でもあの横断幕、裏から撮られてて読みにくかったし、あれ翻訳ついたんだろうか??(真田広之の台詞でも、戦いは続く!と言ってたけど、あれはちょっとわかりにくかったかも。)

最後に、
全体的に低予算な感じだったけど、演者の演技が素晴らしかった。
ジョニー・デップの情熱かな。
日本人としたら、ジョニーが水俣を取り上げてくれたことだけでも意気に感じて頑張っちゃうだろうと思う。そのあたりのチームワークの好影響を感じた。
そしてその根底には、「今」も続いている環境破壊への怒りや、何とかしなければ!という思いが強くあったのだろうと思う。
それと、「写真」ってすごいんだなと。ほんとにすごい写真をみると、それはわかるもんなんだな。ただシャッターを押せばだれでも撮れると思ってたことを反省。
水俣の話だけど、水俣に限った話ではない。
MINAMATAの映画。
おすすめします。

1952年横浜中華街を舞台に起こった「学校事件」をご存じの方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか?
国共内戦から中華人民共和国の誕生、そして「大陸反攻」「台湾開放」のスローガンのもと、毛沢東(中国共産党)と蒋介石(中国国民党)との対立・・・・。世界史の出来事としてよく知っているこの対立が、そっくりそのまま横浜中華街の華僑の中にも飛び火して、暗い影を落とすことになったのです。
2年前に横浜に住み始めたのを機に、横浜の歴史をいろいろ勉強しました。
その中で知ったのがこの「学校事件」です。
学校事件を簡単に解説すると・・・・
もともと日本の開国、横浜の開港に伴って横浜中華街が形成されて数十年が経過したころ、子弟の教育のために(日本亡命中の)孫文の提案により、今の関帝廟や横浜中華学院のあるところに「大同学校」という華僑のための学校ができました。震災や戦災に見舞われても、断続的に学校は続いていました(名前はかわっていきますが)。
ところが、1952年、中華民国(蒋介石側、台湾)政府からこの華僑の学校の教育方針に介入があり、夏休みの間にそれまでいた教師を解雇し、新しい教師を送り込むということがいきなり行われました。どうも、教師の中に共産党のシンパがいると思われたのが原因のようです。

解雇される教師はもちろん、いきなりそれまで教えてくれていた先生が追放されると知った生徒や父兄は抵抗しました。が、当時日本は中華民国政府とつながりもあり、日本の警察も介入し事態が決着しました。

その結果、800人いた生徒のうちの600人強が解雇された先生たちの側につき、100人強が日本の学校に移り、元の学校には100人足らずの生徒が残ることになったそうです。
中華民国政府側は元の場所で「横浜中華学院」に。出て行った人たちは、しばらくは寺子屋式に民家に分散して授業を行い、翌年山手に新しい学校「横浜山手中華学校」を設立し中華人民共和国よりになります(というか一時はどっぷり革命教育を行っていた模様)、中華街には2つの学校がある状態になりました(今も続いています)
中華街によく行くようになってから、その学校の関係者(どちらも)とも知り合いになりましたし、いまはそんな対立は感じませんけど、きっと以前はいろいろあったんだろうなと思っていました。
 この「華のスミカ」は「学校事件」の当事者たちに話を聞きながら、横浜中華街に関係する家族史をたどっていくドキュメンタリー映画です。
監督は華僑4世。中国語は話せず、自分のルーツが中国だったと知ったのも15歳だったという人です。監督自身の家族の話ではあるのですが、テーマも鮮明でぶれず、家族史を扱いながらも東アジアの近現代史を俯瞰できる鮮やかな作品になっています。かなり映画作りがうまい人だと感じました。
おすすめです。
今は、横浜と新宿だけで公開されていますが、きっとそのうち全国を回ると思うので、機会があったらご覧ください。


え映画を見た足で図書館へ行きました。

この本は20年以上まに出版されている横浜華僑へのインタビュー集です。
なんと、「学校事件」当時の新旧両校長が登場します。
両側から話を聞くのはとても大事ですね。
そのほか、知っているお店がたくさん登場、20年前なので今はもう代が変わっているわけですが、あのお店の家族にはこんな歴史があるのか!!と引き込まれてしまいます。

いつも拝読しているブログ
私も8月の頭に見ていたのでした。ブログに書こう書こうと思っていながら忘れていました。

菅首相を扱ったドキュメンタリー映画(というかバラエティー映画?)うちの近くのシネコンでは、朝一の回のみ上映していたので早起きして行ってきました。観客は高齢者多し。
内容的にはテレビのバラエティ番組のノリで作られた映画で、ライトなテイストは若者に見てほしいと思って作られたんだろうと思いましたが…果たして??

映画館だけじゃなくて、ネットで見られるようにしたら広がるかな。
知らないこともたくさん出てきたので、見に行って良かったです。
秋田の農村出身の苦労人というイメージあったけど、実はお金持ちの家の出身だったとか。パンケーキの一件はすっかり忘れていたので、映画のタイトルにはピンとこなかったのですけど。
とにかくこの映画を見て、日本の現状には焦りを感じました。

静岡から関東地方に大雨が降った日、朝イチで映画を見に行きました。(映画館から出てきて、熱海の惨事を知りました)
台湾映画「1秒先の彼女」です。
大好きだった「熱帯魚」「ラブゴーゴー」を撮った陳玉勲監督の新作で、台湾で賞を総なめにしたらしい。友人間での評判も上々。
さらには、応援している台湾のミュージシャン黃連煜が出演してるらしい。
これは見なくては!
早く行かないと横浜の上映終わっちゃうかも。実際、公開が始まって一週間でしたが、一日3回上映だったのが、2回に減ってました。(容赦ないんですよね、そのあたり)
久しぶりの映画館。
あさイチということもあり、ガラガラ。
私の見た回は観客10人もいませんでした。

映画はまさに陳玉勲ワールド!って感じで見ながら心がほんのり温かくなります。ファンダジーだし、ヒロインの心の動きに多少無理があると思ったけど、おすすめします。
コロナで辛いときはこういう映画が必要だ!
しばらく忘れていた「台湾」を思い出させてくれました。
予告編
今ならまだ全国で公開してるので、ご覧ください!おすすめです。
上映劇場はこちらの公式サイトで確認できます。

とっても久しぶりの六本木ヒルズ。

東京国際映画祭にいってきました。
「お江戸は遠いなー。日曜の夜にでかけたくないよー」
なんて思っていましたけど、
マレーシア出身の林家威(リムカーワイ)監督の新作が正式招待作品となり、監督が複数回のPCR検査と更に2週間の隔離を受けて来日してくれたと聞いては行かないわけにいきません。
リム監督とは10年以上前、やはりこの時期、映画祭の六本木ヒルズで知り合ったのでした。その頃はまだ長編一作目を撮る前だったはず。
友人に「彼はカーワイ、これから映画撮るんだって、監督なんだよ」って紹介されたのを覚えてます。
それから彼は着実に監督としてのキャリアを積んできてます。
彼のプロダクションの名前は「シネマドリフター」というのですが、その名の通り、定住せずに放浪しながら映画を撮ったり映画祭を企画したり。
長編映画ももう何本も撮っています。
彼自身がとても面白いので、いつも動向に注目しています。
彼はマレーシアの人ですが、大阪大学卒業で、日本でサラリーマンも経験していて、SNSは日本語でも発信してくれるのでこちらも追っかけるのに苦労がないのです。

このポスターの写真撮ってて「前にここでカーワイにばったりあったよね」なんて話して後ろを振り返ったら、またまた、本人がいました。

驚きました。縁があるのかな。
2年前の「ピートテオ特集」を見に行った時にも同じようにバッタリあったのでした。

上映会場はヒルズから少し離れた六本木EXシアター。前に井上陽水のコンサート見に来たとこです。

舞台挨拶もありました。
映画はとても面白かった。
リム監督の作風は、台本なし、演技指導なしだそうで、ほとんどアドリブで役者さんたちが演技し、カメラマンも自由に撮影するらしいです。
今回の作品の舞台は大阪。そこに日本、マレーシア、ネパール、ベトナム、ミャンマー、台湾、中国、韓国、香港、アメリカ、沖縄と様々なルーツを持つ人たちが登場し、いろんな言葉で話して出会って去っていく。まさにCOME&GO~行ったり来たりの映画でした。

ドキュメンタリーよりもリアルな感覚でした。
この映画祭がプレミア上映だったので、これからまたどこかでかかると思います。
おすすめ!です。
映画記者(読売新聞)恩田泰子さんによるレビュー
を引用します。
大阪キタを舞台にしたアジア人たちの群像劇。中国からの団体旅行客、一人旅の台湾(演じるのは李康生)、一旗あげようと韓国から来た女性たち、ネパールの難民、ミャンマー人留学生、ベトナム人技術研修生、マレーシアのビジネスマン、そして日本人たち……。みんな「隣人」のことを知らない。日本人同士でも、家族でも。それってどういうことなんだろう。何が希望を、何が絶望を生むのだろう。 国境を越えて撮り続けるマレーシア人監督、リム・カーワイは、勝手知ったる大阪を「俯瞰的、総合的」にではなく、間近な目線で個別的に見つめながら、大阪の、日本の(コロナ前の)「今」を活写、作品に閉じ込めた。プレス向け試写で、こういう「日本映画」が観たかった、と感じた、広く深いまなざしを持った快作だ。 

お盆休みの間中ずっと暑い日が続いていたので、クーラーを入れた部屋で自転車を漕いだりしながら韓国ドラマや映画を見たりしていました。
いくつか気がついたことがあったので書いておきたいと思います。
まず映画「建築学概論」(2012年 韓国)
 
一軒の家を建てながら、話が進んでいくのですが、韓国の家って日本の家と比べて窓が大きいですね。おそらく地震が少ないと言う土地柄が関係しているのだと思います。
日本だったらかなり建てるのに難易度が高いと思われるような建築物が多いような・・・「そこ、柱なくてほんとに大丈夫?」って思っちゃう。
素人なので、勘違いがあるのかもしれませんが、例えば他のドラマは何かを見てても思うんですが学生さんが住んでいるアパートでも壁一面が窓だったりするんです。
日本人の私から見たら超高級マンションのように見えるところにそれほど裕福でもないような(例えば奨学金をもらって学校に行ってるような)学生が住んでいるんです。
ドラマだからちょっと非現実的なのかと思ったりもしましたけど、いろんなドラマを見ていてもそういう傾向があるので、実際韓国では割と普通の建築の傾向なのではないかと思います。
日本のアパートとかマンションは耐震面での制約が大きいから、日韓でそういう違いがあるのではないかと思いました。
映画は、なかなか良かったです。
初恋もの。
「建築学概論」の授業受けてみたくなりました。
そして、注目は主人公の浪人生の友人役の「チョジョンソク」。映画初出演だったそうですが、強烈な印象を残します。
次は彼の主演作「EXIT」を見ます。


40年前の今日は韓国民主化運動の象徴「光州事件」が起きた日だそうです。光州事件については「タクシー運転手」という素晴らしい映画があります。映画としての面白さと重い社会的なテーマがものの見事に一体となってる作品です。
この『1987、ある闘いの真実』はそれから7年後の韓国の全国的な民主化闘争につながる事件を描いた作品です。
1987年。
皆さんは何をしていましたか?
私は大学生で、第二外国語に朝鮮語を選択し、韓国からの留学生と言語交換をしたりしていました。が、この民主化運動(当時は学生運動だと思っていました)には関心を持つことはなくて、付き合っている留学生たちがどんな背景をもっているかなど全然理解してなかったんだなと、この映画を見て恥ずかしいような気持ちになってます。
今も韓国の友達もいるし、今からでも知ること、関心を持つことは遅くないと思いました。
予告編をリンクしました。
検事が出てきます。
「上から」の圧力に屈することなく、職務上の良心に従う姿は当たり前なんだけど、「検察庁法」の改正問題を抱える今の日本人の立場で見ると、その当たり前を貫く姿勢が眩しい。
あ、今朝のニュースで、「検察庁法」の改正は見送りとなったと出ていました。
この法案については、黒川検事長の定年延長からの政府の汚いやり方もあって国民が声をあげてきました。
デモもできない今ですが、声を上げる方法はあるとわかりました。
「これではやばい」と政治家(の一部にでも)つたえることができたならよかったと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーー★
★SAVE the CINEMA「ミニシアターを救え!」プロジェクト
http://savethecinema.jp/
#savethecinema

「日本アカデミー賞」ノミネート作からもう2本。
「最高の人生の見つけ方」 2019年
ずいぶん前のハリウッド映画のリメイク。
吉永小百合と天海祐希の女性バーションになっています。
作品自体はまぁまぁ軽く楽しめる感じでした。が、せっかくの題材が十分料理しきれていないような感覚でした。前に記事にした、私とどうも合わない整体師の先生が絶賛していましたが、やはり感性が私とはずれてるかな(苦笑)
エジプトには何のために行ったんだっけ?結婚披露宴のシーンは、キャストスタッフが内輪で楽しんでいるようにしか見えなくてちょっと興ざめ。ムロツヨシははまっていたけど、なぜあんなに忠誠心があるのかよくわからなかった。
そして最大のダメ出しはやっぱりタイトル。
あのタイトルを付けた段階で、「その映画を見ている時だけ、その時間だけまぁ楽しめる作品」の域を出る気概を捨ててると思います。
「最高の人生の見つけ方」というタイトルは、ジャックニコルソンとモーガンフリーマンが出ていた2007年のアメリカ映画の邦題です。原題は「The Bucket List」~バケツリスト~(死ぬまでにやりたいことのリスト)でした。センスのかけらもない邦題ですが、この作品が当たったので、その後似たような邦題がいくつも誕生してへきえき。これは新しい映画なのに、このつまらない邦題みたいなタイトルを付けるなんて!神経疑う。
「アルキメデスの大戦」 2019年
菅田将暉主演。漫画が原作の戦艦大和建造費秘話(フィクションです)
小品としてみるなら面白いテーマだと思うのですが、戦艦大和のCGとか海軍将校たちの豪華おじさん出演陣など、「小品」とは言えない構造になってしまったんでしょうね。私の抱いてる小品的印象と大げさな劇中音楽がかみ合わなくて居心地の悪い鑑賞体験となりました。
あえて、大物俳優を起用しないで、戦艦大和のCGもなしで、くせの強い俳優さんたちを並べて低予算で作ったら、もっと面白かったんじゃないかなと思いました。主演は同じでいいです。(好きなので^^)
菅田将暉は、どんな役でも菅田将暉ですね。これはスターの印(以前はスターというより器用な役者さんでは?と思っていましたけど、何を見てもいつも同じにみえる)
それに対して柄本佑は役柄でどんどん変わって、いいですね。この二人を並べたのはよかったと思います。鶴瓶の扱いはちょっと浅かったな。もったいない。
それと紅一点のヒロインに魅力が…もっと誰かいなかったのか…
「タクシー運転手」 2017年韓国
1980年の韓国光州事件を扱った、隣の国の社会派映画。
2回目。(前は飛行機の中で見た)
もう40年もたつから、それなりに客観視できるってことで、「新聞記者」とは比べられないけど、相当エンターテインメントとして完成されている。
同じ俳優(ソンガンホ)主演の韓国映画「パラサイト」が今年のアメリカアカデミー賞をとったと聞いたけど、韓国映画のレベルの高さはすごい。
光州事件で市民に発砲した軍人たちもまだ生きてるだろうけど、この映画が韓国の4人に1人が見たような(動員数1200万人)大ヒットを記録しているとき、その人たちはどんな思いだったのだろうかなどと思った。
前に見た時には気が付かなかったけれど、光州が舞台なので、かなり方言がきこえた。年寄りも若い人も使ってたから全羅南道のお国言葉なんだろう。いわゆる標準韓国語とは違う響き。語尾に「~ライ」というのがついたりしてた。韓国語では方言のことを「サトゥリ」といって、やっぱり話題になる。この映画でもソウルから来たタクシー運転手が「方言もないしおかしい」と怪しまれる場面がある。もっと言葉がわかればもっと楽しかっただろうなぁ。
「怪しい彼女」 2014年韓国
これも以前飛行機の中で見た映画。「新聞記者」で主演の記者を演じたシムウンギョンが出ていたっけな~と思って、見返してみた。
全く別人のような演技。彼女は子役から活動していたそうだけど、すごい演技力デス。
70歳のおばあさんがあることがきっかけで50歳若返り、中身はおばあさんのまま、謎のお嬢さんになって大活躍するというコメディ。
いま日本にこんな口うるさいおばあさんいないよね。韓国では健在なのかな?
面白かった。
この休みに韓国映画を2本、日本映画を3本見たけど、圧倒的に韓国映画のほうが面白かった。(作品賞ノミネート作ばかりだったのに…)日本映画がんばれ。

もともと予定が何もなかった週末。
天気も今一つだったので、家の近所で過ごすことにしました。
中華街に行ったり、三渓園に行ったりもしましたけど(いずれも近所に含む)
残りの時間で珍しく家で、映画を5本くらい観ました。
金曜の夜に「日本アカデミー賞」という番組をやっていました。見るともなく見ていたら、「新聞記者」という社会派映画がメインの主演男優、主演女優、作品賞を受賞していました。この作品は公開前から私の周りで話題にはなっていましたが、見てはいませんでした。そもそも映画を見に行くことがほとんどないので。
それでもちょうど暇だし、「祝!受賞」ということで500円でアマゾンでレンタルして見ることにしました。
映画は、中日新聞の記者望月衣塑子さんの「新聞記者」が原案とのこと。
現政権に対する批判を込めた内容です。
森友加計問題や伊藤詩織さんのレイプ事件のもみ消し問題、それに官僚の自殺など、ごく最近の問題をほとんどそれとわかるような形で描いています。
「内閣調査室」の場面が意識的に色調がブルーグレーがかり、SF映画のようでした。そこでせっせと、ツイッターにコメントを入れるという「簡単なオシゴト」をするエリート国家公務員たち。なるほどこういう人が書いてるんだ、あの人格を疑うような下劣なツイートは・・・・。韓国にもありましたね「コメント部隊」
日本もアルバイトで雇われているという話を聞きますが、エリートたちもやってるのかもしれないですね。
そして恐ろしいと思ったのが、官邸前デモ参加者の写真にパッパッと丸を付けて、「こいつらの個人情報を洗え!」的な命令が下ったところ。「一般人ですよね?」と食い下がる松坂桃李演じる主人公に、それがどうした?「この国の民主主義は形だけでいいんだ」と答える内閣調査室の上司(田中哲司~憎々しくていい感じでした)。
ほんとに言ってそうです。
この映画が作られたころの雰囲気は今よりもっと逆風が吹いていたと思います。主役の新聞記者を演じる日本人の女優さんが決まらず、結局設定を変えて韓国の女優さん(シムウンギョン)が演じることになった話も前に耳にしていました。
現在進行形の話を映画にするのは映画そのものの制作よりもほかにいろいろ大変なことがあっただろうと思います。
公開時に宣伝もなかなか思うようにできなかったという話も聞きました。
が、今ここにきて、この作品が受賞するというのは、なにか流れが変わるきざしなのか?どうなのでしょう?
映画としては、もっとサスペンスをあおったほうが面白かったかもしれませんが、十分怖かったです。
松坂桃李がかなり良かったです。シムウンギョンも。
何より、「この映画に出るのは勇気がいる」というのが容易に想像つくということが一番恐ろしいことだと思いました。
ラストが強烈に怖かった。この怖さは、今見ておかないと感じられないかもしれません。(私が言うことが当たっていてほしい。しばらくたったら、「あの頃はそうだったよね。今は違うけど」ってなっていてほしい)

お正月映画としての寅さんを見るおそらくは最後のチャンス。

と思って、見に行ってきました。
もう何十年もお正月映画を見るなんてなかったんだけど。
予想通り、周りのお客さんは私よりも上の世代のみなさん。
映画は…
久しぶりの作品なので、寅さんを知らない人にもわかるように作られていました。
皆な年をとってる…
寅さんがいない…
涙涙また涙でした。
満男のことずっと好きになれなかったし、今も好きじゃないけど、寅さんを好きなところでは共通点があるから、今回受け入れることができた。
メロンがでてくるシーンで
「メロン!」
「メロンだ!」
「メロン!」
と、客席のあちこちから声がしたのが、「映画館で見る醍醐味」だった。

1958年の映画の新聞広告。
中華街映画祭会場の新光劇場のも載っています。

中華街映画祭。
開催を知ってから楽しみにしていたのですが、ウォッチしているといろいろもったいないと思うことが多くあったので、ここで勝手に言いたい放題いいます。(あとで整理してアンケート用紙にも書く予定)

1.スケジュール発表が遅い!
週末土日の上映予定が、その週の水曜深夜に発表っていくらなんでもありえない。(これは主催者もよくわかってるとは思うけど)
こういうジャンルを限定した映画祭などは、コアなファンたちが楽しみにしているもので、近所の人をまんべんなく対象にしているわけではないはず。ファンたちはある程度遠くからも足を運ぶのだけど、遅くとも2週間前にはすべてのスケジュールが出ていなければ!

百歩譲って、上映時刻が未定状態でも、どの作品を何日にやるかだけでも早く告知されなくては、予定が組めない。今回の映画祭の最大の問題点だと思う。

2.会場周辺での宣伝・告知足りない!

こういうイベントの遂行にはいろんなアクシデントもあるだろうし、いわゆる諸事情で計画通りに進まないだろうことは想像できる。じゃ、スケジュールの確定が遅れて、ジャンルファンの集客が見込めそうにないなら、どうするかな?

せっかく、中華街という人が集まる観光地で開催するんだから、その地の利を活かして、その日中華街に遊びに来た人に立ち寄ってもらう方向の宣伝をしたい。

◎会場に「横浜中華街映画祭開催中」のポスターを目立つように貼る

◎協力店の「同發」各店舗に「ただいま新館特別会場で映画祭開催中!お席あります!映画祭参加者、売店割引実施中」みたいなスタンドポップを立てて宣伝!

会場の建物まで足を運んでも、映画祭やっていることがとてもわかりにくかった。チケット売り場も奥まってて分かりにくいし。見る気で行ってる私でもわからなかった位だから、映画祭の存在しらない人は気が付きようもないよね。

きっと開催中に中華街に来てる人の中には
「ご飯食べたあと、どこ行こうか?」
なんて思案してた暇な人いっぱいいたはず。
そんな人に
「今日だけ見られる中華街ならではの映画やってます!席あります!」って伝えられたらいいよね。

3.お得な情報、楽しい情報が伝わってない!
これ、めっちゃもったいない。

前々からわかっていたはずのお得情報

◎魅力的な「同發」でのランチつき鑑賞券
食べてみてびっくり。とってもおいしくて、ボリュームもたっぷりで、
「ほんとにこれ700円でいいの?」と思ってしまったくらい。

なぜ、写真入りで公式サイトやツイッターで案内しないんだろう???
もったいない。
この情報、もっと伝わってたら、時間に余裕を持って中華街に来て協賛の「同發」さんに立ち寄ってもらえるとおもう。

◎「同發」売店の割引券
映画館にコーラやポップコーンはつきものだけど、この映画祭では「同發」売店の中華点心やドリンクが持ちこめるんです。
しかも5%割引券も付いてくるの。
これも楽しいですよね。
メニューの一部も紹介したらいいのに。ポップコーンやちゅろすじゃないもの食べながら見るの、良かったです。

◎ゴザ席!!
おおお!と思ったのは、会場にあった「ゴザ席」。
これも普通の映画館では体験できない楽しい鑑賞方法。
人が多ければ、ぎゅーぎゅーかも知れないけど、足を崩して(なんなら寝そべって)くつろいで映画見ることできるのも楽しい。

などなど、こういうの「映画祭の魅力」としてどんどん紹介したらいいのに。

もう一つ。
やってほしい企画があります。
「なつかしの新光劇場復活」

昭和30年代まで実際に映画館だった「同發新館」、
映画祭のコンセプトにも
「50年という長い時を経て、今年も8日間だけ、同發新館が映画館として生まれ戻ります。」
と書かれています。

だったら、当時この映画館でかかってた作品を1本くらいリバイバルしてみるのはどうかな?
上の写真にあるような懐かしい映画。シニアが大勢やってこないかな?
この新聞の展示もとても興味深かったし。

色々好き放題書きましたが、それは実際行ってみて
「いいなぁ。続けてほしいなぁ。でもお客少ないなぁ。もったいないなぁ。」
と思ったからです。
来年、まだここに住んでいたら少しくらいなら手伝えるかも。

横浜中華街映画祭というイベントに行ってきた。
もう8年目になるらしいが、今まで知らなかった。

それほど規模の大きな映画祭ではなく、会場も映画館でではなくてレストランの宴会場にしつらえた小さなスクリーン。
ゲストなどもなく地味だけど、近所だし、見たかった作品がかかるので。
でも行ってよかったです。
おススメします。


おすすめポイント1
中華街に昔あった映画館跡が会場。歴史好きにおすすめ!

会場の中華料理店「同發新館」は、昭和30年代まで「新光劇場」という、中華街唯一の映画館だったところ。
いまは、非公開の宴会場です。そんなところで、映画を見るの楽しいですね。

おすすめポイント2
同發別館の特別ランチつきチケットがお得!

映画は1500円のと1800円のがあるのですが、どちらも700円プラスで中華街の老舗「同發」のランチが食べられます。
これが700円とは思えないボリュームです!おすすめ。

おすすめポイント3
ござ席では寝転んで映画鑑賞可!くつろげる!

どうです。魅力的でしょう?
私はゴザ席があると聞いて、わざわざ家からクッション持ってきちゃいましたが、ざぶとんもたくさんあるのでご安心を。
そして、「同發」の売店で餃子や焼売、中華菓子などを買って持ちこめますので、中華街らしい映画鑑賞できます。
もちろん、青島ビールもありますよ。


おすすめポイント4
チャイナ服だと割引!

食事つきのは別ですが、映画だけならチャイナ服着ていくとぐっとお得になります。
チャイナ服の交流イベントもあるそうですよ。

こんなに良いイベントなのに、宣伝が足りず(おそらく人手が足りないと思われます)
お客さんがあまり入っていませんでした。
もったいない・・・。
なので、非力ながら、ここで宣伝。

今後の上映スケジュールは以下の通り

10/1(火・国慶節)
11:30「背徳と貴婦人」
13:40「楊貴妃LadyOfTheDynasty」
16:10「ソード・オブ・レジェンド 古剣奇譚」
18:20「狂獣 欲望の海域」

10/5(土)
11:20「熱帯魚」※この日のみ初回11:20上映開始
13:20「ラブゴーゴー」
15:30「心の故郷 ある湾生の歩んできた道」
18:15「背徳と貴婦人」
20:00<チャイナドレス・中華服 交流会>

10/6、10/10のスケジュールは後日発表予定

会場は横浜中華街「同發新館」
イートインスペースの奥にチケット売り場があります(これがまたわかりにくい)

公式サイト
横浜中華街映画祭

会社を休んで「昔ばなし大學入門コース」へ。一日講義を受け、演習では発表もやったので燃え尽きました。
帰りに中華街に寄って薬膳デザートをたべよう!

こんなことができるのがここに引っ越した魅力です。

老舗の同発のお土産売り場で仙草ゼリーとシロキクラゲのシロップを買ってイートインで食べます。平日だからガラ空きです。

お店に映画のポチラシが貼ってあり、どうやら「横浜中華街映画祭」というものがあるらしいです。

第8回なんですって!
へー!

今食べている同発新館が会場なのだそう。ここは昔映画館でその建物のママらしいのです。

http://www.chinatownfilmfest.com/

2

やっと見に行った。
周りの人で見に行った人がとても多く、評判もものすごくいい映画。
なんどもなんどもリピートしている人も少なくない。
それだけいい映画なのだろう(題材もいいし)

平日に休みをとって、音響が良いだろうと思われる「IMAX」上映で見た。
何と2400円もした。
高い!
でも見終わって、満足度を考えると、見てよかったと思った。

いろいろ話題が出尽くしていると思うので、個人的な感想を羅列しておこう。
(以下ネタバレします)

●冒頭の20世紀FOXのロゴが出てくるファンファーレがエレキギター「ぎゅいーん~~~」でクィーンっぽい!面白そう!とぞくぞくした。(実際にブライアン・メイが演奏してたらしい)
●「地獄へ道連れ」の印象的なベースライン。やっぱりあのベースラインからスタートだったんだ。
●クイーンってあんなにみんな仲良かったんだなぁ。

ここからは個人的な思い出。

○1985年夏のライブエイド、当時テレビの無い暮らしだったせいもあり、おそらく中継があることも知らず生では見ていない。録画していた人にあとから見せてもらって感激した。SONYのベータマックスだったなぁ、懐かしい。それっきり見る機会もなく、ライブエイドのことは忘れていた。Youtube全盛になってからも動画を見たことなかった。今日帰宅して動画を探しまくった。
あったあった。
1985年のスターたちが若く輝いていた。

○クイーンって特にファンでもなかったけど、それでも映画に出てきた歌はほとんど知ってて、さすがスーパーバンドと思った。

私のクィーンとの出会いは、小学生の頃に同級生たちが、なんかクイーンとかKISSとかJAPANとか言ってたのを耳にしたのが最初か?
自分でちゃんと曲を聞いたのは、79年か80年ごろ。「Fat Bottomed girl」あたりのような気がする。あるいは「地獄へ道連れ」とか「愛という名の欲望」だったか?そのあと「フラッシュゴードン」の時は、リリースから知っていたような気がする。そのころまでには過去の代表作はあらかた聞いていたようで、「え?こんなヘンなの歌う人たちなんだ?」って思った記憶有り。フラッシュゴードンは今聞くと別にヘンではないんだけど。(映画がヘンなだけ)

当時、音源はすべてラジオだった。クイーンをレコードで聞いたことは一度もなかったとおもう。だから、ビジュアルはよく知らなかった。音楽雑誌などを読む習慣もなかったし。ミュージックビデオも出始めてきてたけど、田舎でチャンネル数も多くないし、あまりテレビで見た記憶もない。中学生の頃、土曜日の午後に30分くらいの洋楽のビデオを流す番組があったような気もするけど、部活やってたしほとんど見たことなかった。その番組で流れたビデオで今でも覚えているのは、ブームタウンラッツの「哀愁のマンディ」。(後に「ライブエイド」を発案実現していく、ボブ・ゲルドフのバンド)

○80年代後半のエイズに対する認識も思い出した。
当時は一般に同性愛者の病気だと思われていた。年を追うごとに認識が新たになっていく病気だった。89年ごろ雑誌でエイズ特集が組まれていて、それを読んだ時の自分の状況をものすごく久しぶりに思い出した。

○ライブエイドをYoutubeで見た(まだ見ている途中)
U2のボノの着ている服が「学ラン」にしか見えない。調べてみると来日ツアーの時に買ったのだそう。学ラン着て歌ってるボノ、高校の学園祭のステージか!

80年代というと自分が洋楽ロックの世界に一番どっぷりつかっていた時期だから、どの曲を聞いてももう涙が出るほど懐かしい。
クィーンは中学生から大学生の自分のいわゆる青春時代にかぶりまくってる。こういう人たちが劇場に足を運んでは泣いてるんだろうなぁと思った。そして遅れてきた世代の人たちは、この映画を見てまた新たなクイーンファンになるのだろう。そのくらい魅力的な映画で、バンドだった。

巻き込まれキャンペーンの最後を飾るイベントとしてでかけてきました。
東京ドキュメンタリー映画祭。
知り合い関係の作品だったので見に行ったのですが、そんなことに関係なく見た2 作品とも素晴らしかった。

『西索米~人の最期に付き添う女たち〜』(台湾)

『巨大中国と戦う“民主の女神” 香港 オタク少女の青春日記』(日本)

台湾の「西索米」は葬式楽隊の話。陳昇の「鼓聲若響」が登場してちょっと驚き。
お葬式はなかなか触れる機会のない台湾の一面。楽隊の女性たちが人生に誇りをもってる姿が美しかった。私がもともと惹かれていた台湾の美点もこんなところだったと思いだしたりもした。

香港の雨傘運動の女神と言われる「周庭」アグネス・チョウさんを追った日本のTV番組もなかなかで、香港のことだけど日本国内のことに強く思いが向く内容だった。
一番印象的だったのは「若者たちがこんなに頑張っているのに、大人として恥ずかしい。今日は彼らを守りに来た」という香港のおじさんの言葉。

自分に刺さった。

台湾のひまわり運動の時、私の友人は「おとな」として、示威行動をする学生のために、近隣のホテルの部屋を予約して、学生たちに休憩、シャワーなどが交代でできる空間を提供していた。わたしよりずっと年下だけど、「おとな」としてまぶしかった。 

果たして自分にできるか?

巻き込まれキャンペーンの最後にふさわしい、いろいろな贈り物(課題)をもらった日曜の夜だった。

5年ぶりにピートに会って、
「初めて会ったのはいつだっけ?」
と、夫と話をしていた。

多分、ピートが日本で初めてライブをやった時からだと思うのだけど・・・。

どうしても判然としない。
このブログを始めたのは2004年。(なんとGooブログが始まった年だったらしいですね。Gooブログも15周年だそうです)
一の頃はこんな日記みたいなブログではなくて、仕事関係のことを書くつもりだったので、ピートのこともあまり書いていなかった。

昔の手帖を引っ張り出してきたけど、以前は仕事用のとプライベート用のを分けていて、今は仕事用の手帖しか残っておらず、詳細がやはりわからない。
それでも、夫が色々ネット上の情報を検索してくれて、昔の記録が探し出された。

2003年だった。
吉祥寺の「のろ」という店でのライブだった。
そのすぐ後に、お台場でミニライブ。
2003~2007年くらいはピーとも頻繁に来日していたし、来日の度に会っていた。

懐かしい。
もう15年以上の付き合いになるんだなぁ。
(ここ5年は会ってなかったけれど)

才能が有りすぎて、遠くの世界の人だと思うこともあるけれど、その世界を知ることができて幸せだと思う。
また、次に会えるのはいつになるかわからないけど、これからも応援していこう。

何年ぶりかで東京国際映画祭へ。
ピート・テオがゲストで登場するというので見に行くのです。
会場は六本木ヒルズ。

10年くらい前に友人がマネジメントにかかわっていたこともあり、日本での活動もそれなりにあったので、私もかなり熱く応援していたマレーシアの才人ピートテオ。実際に会うのは5年ぶり。
今回の映画祭には「アジアの風部門」の審査員なんだって。
そして彼の特集上映があるという。
なんだかすごい人になってるんだなぁと実感。

でも、そりゃそうですよね。

マレーシアの音楽、映画などの一番とんがってるところの頂点にいるような人。政治問題などがあって、メジャーなところで活動しない道を選んでいたピートですが、その才能でインディーズを率いる形になり、ピートとインディーズそのものがメジャーになっている現象なのかも?
去年はハリウッド映画に俳優として出ていて驚きました。
ドリームワークスの作品「ゴースト・イン・ザ・シェル」(日本の攻殻機動隊のリメイク)北野武や桃井かおりも出てましたね。主演はスカーレット・ヨハンソン。その中でピートはとても気持ち悪い悪人をやってました。

六本木ヒルズのTOHOシネマで19:45~
会場に入っていくと、ロビーでピートが立ち話していました。
髪の毛が白くなっていました(写真で知ってたけど)

「好久不見~Long Time no see!」と声をかけます。

私を見るなり、開口一番「あれ?髪の色変えた?」と、ピート。
「白髪増えたね」といわないところが紳士ですね(笑)。
「Yes, same as you! 」お互いにね~。

「ピート・テオ特集」の内容は、彼がこれまで制作にかかわったマレーシアの短編などを集めたものでした。商業的なものではなくて、社会に対する映画人、音楽人のメッセージという作品なので、インターネットで公開されているものも多く、半分くらいは見たことがありました。

マレーシアは今年、政権交代がありましたが、それ以前にピートたちは「投票に行こう!」というキャンペーンをやっていました。
また、「15マレーシア」という作品は、ピートが中心になりプロデュースした15本の短編映像集。
15人の監督たちがそれぞれ5分くらいの作品を作っているのですが、かなり風刺がきいていたり、マレーシアの社会問題を告発して至りという内容でした。(ちょっと良くわからないものもある)おそらく、進歩的な考えのマレーシア映画人にとっては、政権交代前の状況は非常に危機感(あるいは閉塞感)があったのではと思います。今も解消してるとは言い難いでしょうけれども。

上映後のQ&Aでは、2009年に51歳で急逝したヤスミン・アフマド監督の話題がやはり出ました。
彼女を失った穴は相当大きなものなのだろうと思います。
日本でも、去年ヤスミンの2009年の作品「タレンタイム」が劇場公開されたこともあり、日本の映画ファンの間でも認知が広まっているのだろうと思いました。この「タレンタイム」はピートが音楽を全面担当しています。


イベント終了後ロビーにサインを求める長ーい列ができていました。
参加者一人一人にサインして写真も撮らせてくれました。
ありがとう~!

今回のイベントの記事
ピート・テオが楽曲「I Go」に込めた思い明かす「ヤスミンのために書いたのかも」(映画ナタリー)
ピート・テオ「タレンタイム」のアフマド監督の思い出を語る(映画.com速報)

2007年日本語によるピートの記事

今年は、「自由行 A Family Tour」という中華圏の映画に出たのだそう。
来月東京フィルメックスで上映予定です。

TIFFの「ピート・テオ特集」は、10/30(火)にも上映があります。
ピートも登壇します。
お時間あれば是非!

東京国際映画祭公式サイトへ:https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CCA09

ピートに会う時、いつも少し心のどこかがチクチク痛いような感じがあります。
英語が出て来なくてもどかしいからかもしれないけど、やはり彼のまとっている少し暗い影に引っ張られるのかもしれませんね。不思議な魅力を持った人です。

父の初七日 [DVD]
マクザム

先日講座を聴いた釈徹宗さんのラジオ番組で紹介されていた映画。
台湾のですが、タイトルも知りませんでした。
たまたまGyao!という動画配信サービスで日本語字幕付きが無料で公開されていたので、見てみました。

おもしろい!!!!

台湾にかれこれ20年ほど通っていますが、全く知らない台湾の一面を見ました。そういえば、お葬式とか出たことないもんね。
邦題は「初七日」となってますけど、初七日と言うより「お葬式」そのものです。台湾の伝統的なお葬式の進み方が、幾分コメディータッチで描かれています。伊丹十三の「お葬式」と言う映画もコメディー要素ふんだんでしたね。
作中の葬儀は「道教」により執り行われます。キョンシー映画でおなじみの「道士」が指導してくれます。(道士さんは葬儀社を営んでいます。)「七日」なのは、占い(と言うか暦?)で、葬式の日どりを決めたら、たまたま7日後が出棺と言うことに決まったからです。「初七日」のように「7日」と決まっているわけではないですね。日取りは遺族の生まれた日などの組み合わせで決めるらしい。(なので、邦題の「父の初七日」はいただけないですね)

道士さんの彼女(葬儀社の共同経営者)も「泣き女」をやったり、葬儀につきものの鼓笛隊の指揮をしたり、お供え物の営業をしたり、祭壇をつくったり、お経(?)をあげたり大活躍です。

映画の舞台になっているのが「彰化県田尾」です。私の友人が住んでいる町ですが、花の栽培が盛んなところで、電照菊(花の種類は不明だけど)畑やバラの露地栽培の畑などが登場します。友人の家も花農家です。ずいぶん前になりますが、その友人の家に遊びに行ったとき、その家庭は完全なベジタリアンで、家では精進料理しか食べないということでとても驚いたのを覚えています。家の敷地内に廟もあり、宗教に基づいた生活が営まれている場所でした。

言葉はほとんどが台湾語。
主人公の女の子は台北で勤めているのできっと台北では北京語を話しているはずですが。そのほか、日本の演歌や変な日本語も登場します。いかにも台湾の田舎の感じです。

以下、「へーっ」と思ったこと。
・病院で亡くなった人を自宅に送るのに、救急車がサイレンを鳴らしていくんですね。
・棺にすがって泣くのも儀式の一部で、時間が来たら「ハイ泣いて」「よしおわり」「ハイ泣いて」と繰り返されます。
・紙の家や車を燃やす儀式、死者の足元で紙のお金を絶え間なく燃やす儀式、そしてその灰を川に流す儀式。
葬式の前には、鼓笛隊がやってきたり、道士さんが踊ったり(エレキギターの伴奏もついてる!)
・占いで決まった納棺が3日後、出棺が7日後。納棺までご遺体は遺体用冷蔵庫に保管されます。(南国だ!)冷蔵庫は自宅まで運ばれてきて、ガンガンヒューズを飛ばしまくります。

どれもこれも興味深いものでした。
おそらく、台湾の若い人も知っているようで知らないことなのじゃないかな。

台湾では、小品として公開され始めたものの、どんどん人気が出て異例のロングランになった作品なのだそうです。映画賞もとったようです。
日本のお葬式も、私もまだ知らないことたくさんあるでしょう。
地方によっても違うでしょうし。
宗教によってもちがうでしょうし。
また、今は仏式でもどんどん変化しているらしいし。

この映画がズシンとくるのは、この一連の儀式は淡々とこなしていた主人公が、葬儀の後日常生活に戻り、ずいぶん経ってから、ふとしたタイミングで父親の死を実感して泣き続ける。と言うくだりだと思います。
わたしには経験がないですが、うちの夫もまえに父親を亡くした時、葬儀の間中は儀式や来客の対応等に追われまくって、全く涙も出て来なかったけど、すべてが終わって、家に母親と二人になったタイミングで号泣したと言っていたのを思い出しました。

3連休、出かけたりもしたのだけど、家のテレビで映画など見まくったりもしました。

「バイプレイヤーズ」TVドラマ全12回
カルト的人気を博したらしい。確かに面白かった。


「羅生門」

言わずと知れた黒澤明の名作。1950年だっていうのがびっくり。そして「藪の中」の映画化だと思ってたのだけど、オリジナルストーリーがあったんだ!


「殿!利息でござる」

「武士の家計簿」と同様、磯田先生の古文書研究の成果が映画になった。ムネアツなのは、阿部サダヲ演じる主人公の子孫が今も同じ商売をして残ってるってこと。タイトルに騙される映画。もうちょっと普通のタイトルが良かったのでは?「殿」も大して出てこないし…でもその殿の演技がびっくりするくらい上手でした。
 

「清須会議」

 
三谷幸喜作品。
大泉洋は芸達者。そして三谷作品では定番だけど、佐藤浩市が小人物役をやるのがいい。女性が「まろまゆお歯黒」だったのは見慣れなかったね。キャストが真田丸メンバー。


「一命」

三池崇史作品。
きつかった・・・・。えぐかった。画面が黒かった。前にも映画化されてるらしい。市川海老蔵っていい役者だね。こんな風に人間は人間を追い込む。今の時代だってそうじゃないのか。
 

「空海」

1987年、高野山全面スポンサーの映画らしい。しかも文部省推薦。北大路欣也が空海。80年代っぽい変な特撮が甚だ興ざめだけど、心意気は買いたいとおもう。3時間近い長い作品だけど、それでも見たりないと思った。もっと空海さん見せて!!来年、チェンカイコーが撮った「空海」が公開されるらしいけど、期待できるかな?こっちは伝記ではなさそうだけどね。

最近、邦画、それも時代物が好みになってきている。

夏になると松本清張の気分です。
なぜだろ?
1958年(昭和33年)制作の東映映画「点と線」を見てみました。古いけど、カラー作品です。小説は1957年~1958年にかけて雑誌に連載され、その年の秋にこの映画が公開されています。ホントのホントに同時代の作品なので、登場する風物が本物です!鉄道小説ですから、鉄道が主役なんですが、これでもかっていうくらい出てきて、ワクワクし通しです。
当時の東京駅、ホーム、階段。
二等とか三等とかいう列車のプレート。
蒸気機関車。
夜汽車の車内。
青函連絡船。
国鉄香椎駅、西鉄香椎駅。
千歳空港(新千歳じゃないです)

乗り物のほかにも、札幌の時計台も出てきます。とても都会の真ん中にあるように見えない。周りは木造の黒っぽい住宅ばかり。
「メートル法の店」って書いてある果物屋の店先。
安田の会社の屋上から見える高架の鉄道(新橋?)と、その向こうに広がる広い道路(銀座?)

私の知らない生まれる前の日本の風景。楽しみました。こうなると、映画の出来とか関係なく、資料として楽しめますね。

点と線 [DVD]

2015年のドキュメンタリー映画。
台湾の知人にぜひと勧められてyoutubeで鑑賞。
48分間。

内容は、22歳の台湾女性が台湾から日本を旅するもの。

緑島という台湾の美しい島、でも近年かなり観光化されてきてる様子。
屋久島のウミガメ孵化を守る団体の活動に参加する彼女。ヒッチハイクで瀬戸内海の直島を目指す彼女。
そして、旅の中で出会う人たち。

シナリオ通りに進むわけではないからまとまりはないけど、色々気付かされる作品です。

劇場公開の機会に恵まれなかった作品のため、たくさんの人に見てらいたいと、ネットで限定的に公開されています。
どうぞご覧ください。
台湾の作品ですが、半分くらい日本語です。
(下のリンクをクリックすると、Youtubeへ飛びます)

summer.island.dream
2014的夏天,雅琪背著大背包和蛙鞋從台灣綠島到日本屋久島及瀨戶內海各小島的島嶼旅行


日本・香港インディペンデント映画祭2017
テアトル新宿にて4月15日(土)〜21日(金)

日本と香港のインデペンデント映画を毎日2本立てで上映し、上映後にゲストによるトークショーもあるという面白い映画祭が新宿で開かれていました。友人にも行った人が多く、興味もあったのですが、平日の夜ということでなかなか時間が取れず(今週は出張もあり、それと大きなクレームへの対応もあり珍しく忙しかったのです)、やっと最終日に滑り込んでみてきました。

この日の演目は
日本「新世界の夜明け」[監]リム・カーワイ
香港「アウト・オブ・フレーム」[監]ウィリアム・クォック

日本映画の「新世界の夜明け」は北京と大阪を舞台にしたもので、監督はマレーシア人。
言葉の半分以上は北京語です。
このリム監督は、日本留学、就職も日本でしたという経歴の持ち主で、日本語も堪能です。どこを拠点にするということもなく、日本や香港、中国大陸で映画を撮っています。そしてこの映画祭の主催者でもあります。

香港映画の「アウト・オブ・フレーム」。
全く情報のないまま見たのですが、こちらも北京(の近郊)を舞台にしていて、香港人の監督ですが、全編北京語で進んでいきます。テーマは、中国の芸術家たちが国の体制によって監視、迫害される様をドキュメンタリーっぽく描いていきます。迫力がありました。芸術ってこういうものなんだなと、感じました。この作品は上映される機会がとても少ないのではないかと思います。見られてよかったです。

上演終了後のトーク。広東語で進んでいく。(ここへきてようやく「香港」映画祭だと感じた)
非常に面白かった。

館内の掲示。
テアトル新宿、名前は知ってたけど初めて来た映画館。

この映画祭、香港の作品だけ、名古屋と大阪にも回るそうです。
見に行った人からとても評判のよかった映画祭でしたので、興味のある方お出かけください。

香港インディペンデント映画祭2017
名古屋:シネマスコーレにて5月6日(土)〜12日(金)
大阪:シネヌーヴォーにて6月開催決定 !

万城目学原作の映画化です。

偉大なる、しゅららぼん スタンダード・エディション [DVD]
キングレコード

「まんじょうめ」かとおもったら「まきめ」と読むのですね。
この方のお名前。
本はまだ読んだことありませんが、映像化作品は
「鹿男あをによし」(TV)
「鴨川ホルモー」
「プリンセス・トヨトミ」
とかなり見ています。

いつもどこからこんな発想?と思うような、奇想天外な設定がある。登場人物たちの多くはその世界のルールを信じて生きているのだけど、主人公はこっち側の普通の世界からそっちの世界を足を踏み入れる・・という設定になっているので、私たちも楽しめるようにできています。

今回のは、琵琶湖のほとりに特別なチカラをもった人々が住んでいるという話。
お城に住んでる高校生など、見た目も面白い。

鴨川ホルモーの「ゲロンチョリー」とかは楽しいと思ったけど、今回の「二度づけ禁止」という小ネタは面白くなかった。
関西人にしか受けないと思うな。
とはいえ、この人の話の舞台はいつも関西。
「鹿男あをによし」は奈良。
「鴨川ホルモー」は京都。
「プリンセス・トヨトミ」は大阪城。
そして今回の「しゅららぼん」は琵琶湖。

次はどこかな~。
神戸あたりかな?

キャストでは、やはり浜田岳はいいですね。
村上弘明もいつまでもカッコいいなぁ~!

映画の出来としては…う~ん、原作の方が面白いんじゃないじゃないかな?読んでませんが。
この手の話を面白く作るのは案外難しいことなのかもしれないですね。

遠藤周作の「沈黙」の映画化。
マーティンスコセッシ監督が日本の俳優を使って、台湾ロケで作った大作です。
スコセッシ作品は私の嗜好とはかなり違うので、これまで「シャッターアイランド」しか見たことなかったのですが(そしてやはり好きにはなれなかった)今回は、日本が舞台だし、ある映画人に協力推薦されたので、見てみようかと思っています。

原作の「沈黙」には思い出があります。
10年以上前になりますが、夏休みにイタリアへ一人旅をしました。
陽光あふれる、南イタリア。
バカンス気分で楽しむつもりでした。
その旅に文庫本の「沈黙」を持って行きました。
キリスト教の話・・位しか予備知識がなかったためでした。
旅の間ずっと読んでいました。テーマが重いし、拷問シーンなど苛烈な描写も多いし、読み進むうち暗くふさぎ込む気持ちなっていきました。イエズス会の教会などに実際訪れて、何とも言えない気持ちになり、早く日本に帰りたいと思ったり。それでも力あふれる筆致というのか、途中で放棄する気にはならず、最後までぐいぐいと読まされてしまいました。で、最終日に泊まったローマのホテルのライブラリーに寄贈してきました。

映画見て「沈黙」読み返したくなるかな?
日本で読んだ方が少し楽な気持ちで読めるかもしれないですね。

沈黙 (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社

あの時、ポンペイ遺跡にも行きました。
キリスト教の臭いがしない遺跡にほっとしました。

キリスト教は歴史の必然だったのだとは思いますが、宇宙からの視点(は不可能ですが)で見てみると、キリスト教が人類にもたらした悲劇はかなりの重さと大きさであるように思います。(キリスト教に限らずですが)
なぜ、ヨーロッパ人は、アジアにアメリカにアフリカに自分たちの神を伝えなければならないと思ったのでしょうね。
「宣教」という行為が、人類に与える意味は何だろうと思う今日この頃です。

Footloose: Bonnie Tyler - I Need A Hero

この超有名な映画。
見たことありませんでした。
でもこの映画を彩る挿入歌はほとんどそらで歌えるほどです。
ヒット曲づくしですね。

こないだ、BSでやってたので録画してみました。
びっくりしたのが、ボニータイラーの「ヒーロー」が使われている場面。
こんなトラクター対決の場面だとは思いもよりませんでした。
日本語で歌ってるのは確か「スクールウォーズ」っていうラグビーのドラマでしたよね。

何にしてもカッコいい歌です。
もっとカッコいいシーンで使われてると思ってた・・・。
トラクターのチキンレースも見ようによってはかっこいいかな。
いや、いや、やはり無理ですね。

8月末から上映しているこの話題作、11月になってもまだやっています。大ヒットですね。私もようやく見てきました。映画の感想は、ともかく(ということは・・・以下自粛。あ、すごくきれいな映像でした、音声もよかった。)書きたいことがあります。今回珍しくネタバレしませんよ。

この映画の中でストーリーには直接関係ないのですが、モチーフとして描かれる現象に

・目が覚めたら涙を流している
・目が覚めたら覚えていない
・誰かわからないけど、忘れてはいけない大切な人がいる

というのがあります。
これに私も思い当たることがあって、「やっぱりそういう人多いんだろうな。この作家もきっとそういう体験があって、それでこういう話をつくったのかな?」と思いました。

私の場合は、思春期くらいから始まった様な気がしますが、夢の中にある人物が登場します。

・夢の中では「間違いないこのヒトだ」と思います。
・どんな関係の人かはわかりませんが、とても懐かしく前世から知っていたような感覚になります。
・夢によって設定は変わり、ずっと一緒にいる人として登場することもあれば、「やっと会えた」と思うこともあります。
・目が覚めると、その懐かしい感覚だけはリアル過ぎるほど残っているものの、顔かたちは思い出せず、記憶の中にあるどの人物とも一致しない、つまりは、実際には知らない人

ずっと、できるものならそのヒトに会ってみたいと思っていました。
会えば、すぐにわかるような気もしたりしてました。
もしかしてその人が私の運命の相手なのか?とか若いころは思ったりしたこともありますが・・・・

今は、多分脳内の海馬のあたりで記憶のミスコネクトが起こって、何かエラーが生じている現象なのだろうと理解しています(ああ、なんて夢の無いw)。そして、こういう現象はほかの人でも起こっているのではないだろうかと思っています・・が、みなさんいかがでしょうか?夢の中でとっても懐かしい人に会ったことありますか?そしてその人が知らない人だったりししてませんか?

今、民放のBSで渥美清のテレビドラマ「泣いてたまるか」を連続放送してる。寅さんファンを自認するワタクシ、毎回録画して少しずつ見ています。渥美の役柄も、設定も、脚本家も、演出も毎回変わるという楽しいドラマです。

彼の演技を楽しむ一方、昭和40年前後の風物を楽しんでいます。

シリーズ後半で「先生○○する」という連作があります。この部分は、渥美の役柄は高校教師、生徒たちも同じ役者が出てるんですが、中学生日記のように毎回話が変わります。

でこの高校教師シリーズの舞台が、横浜の青葉台です。
昭和41年に東急田園都市線が開通したらしいので、出来立てほやほやの街でロケをしてることになりますね。 青葉台は、私が大学卒業して最初に住んだ街です。この青葉台が、空き地だらけの草ぼうぼうな土地として登場するのがこれまた楽しい。

ドラマの中に出てくる青葉台駅前に噴水があるのですが、私が住んだときあったかしら?あの頃は、駅前再開発の真っ最中でずっと工事中でした。引っ越して10年以上経ってから行ってみたら、駅前にデパートが建ち、さらにオシャレで高級な住宅地となっていました。

面白いのでまた国土地理院のサイトで昔の航空写真を眺めてみました。

驚くのは駅の北側の「U」の字のような形の3つのビルがずっと残っていることです。
今もありますね「青葉台東急スクエア」です。。
それから、駅の北側に広がる団地の樹木がどんどん育っているのも興味深い。2007年の写真ではいったん伐採してしまったのか、季節の問題か、樹木が目立ちませんね。
ドラマに出てきた駅北側ロータリーの丸い噴水は、1975年までは確認できますが、その後は駅舎が拡張されているようで、かげになっているのか、確認できません。
駅舎の形も4枚の写真とも全部違います。
駅の北側は、鉄道敷設当時からかなり計画的に開発されたようですが、南側はなすがままになっていたようにも見えますね。私が住んでいたのも南側です。駅から徒歩20分くらいの梅ヶ丘という住所のアパートでした。今はもうありません。

1970年の青葉台駅前

1975年の青葉台駅前

1989年の青葉台駅前

2007年の青葉台駅前

ドラマの感想はまた後日。