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神奈川大学のエクステンション講座(公開講座)で、連続受講している橘川先生の講演会があるというので町田まで行ってみました。
神奈川大学の公開講座、春の5回シリーズは先週で終わったのですが、ちょうど6回目のような位置づけ。
主催は神奈川大学の同窓会町田支部(?)のようです。
だれでも無料で参加OKとの話だったので、お言葉に甘えて。
会場は@「町田ぽっぽ」という半分公共の場所のような施設、中庭に面してスタバがあっていい雰囲気です。
町田駅にはおそらく初めて下りたったのですが、ものすごくひとが多くて「都会!」というのが第一の感想。
講演の中でも、町田は古くから「交通の要衝」という話がでましたが、まさにそんな感じです。

知らなかったのですが、この講演会は同窓会の会合の第2部のような位置づけだったようで、参加者の大半はその関係の皆さんの様でした。
・・・私なんかが来てしまって、なんかすみません。
橘川先生にも始まる前にご挨拶しました。
先生もさすがに私の顔を覚えてくださったらしく
「今日の話はね、先週までやってた話にだいぶかぶるところがあるんだよ。だから、もう聞いた話だなって思うと思うよ」
なんて、わざわざ前振りをしてくださったり。
講演の中で、渋沢敬三宅にあった「日本常民文化研究所」が、神奈川大学に移ったいきさつなどについても聞くことができました。
宮本常一の本でも読んだことのある「九学会連合合同調査」のことなども。
法学部の教授で政治思想が専門の橘川先生が、なぜ常民研の仕事をするようになったのか、のお話も改めてちゃんと伺えて有意義でした。
(わたしも、なんでなんでなろうと不思議に思っていたのです)
にしても、古文書を読むの先生の専門とも関係があったのかな?
こんど機会があったらそんな話も聞いてみたい。
そもそも神大のエクステンション講座で橘川先生の講座を受講するようになったのは、日本の政治思想「ナショナリズム」について興味があったから。
全く触れたことのない分野の話で、チンプンカンプンながらも面白いなと思いつつ受講していたのですが、だんだん回を重ねるごとに民俗学よりになってきて、あれれ?
小澤俊夫先生の「昔ばなし大学」も文学方面だと思っていたら、やっぱり民俗学だったし。
大学生の時に宮田登先生の授業も履修放棄してしまうほど、難しいと思ったのだけど、ここに戻ってきてしまってる感あります。

一周回ってやはりここに来るのか?
などと思うと可笑しい。

3回目の授業がありました。
今日も 三郎兵衛さんの話の続きからです。
三郎兵衛さんは村でいろいろ 揉め事を起こす問題がある人だったそうですが、
のちのち時代が下ると「三郎兵衛」家ということになって名望家チックになっていくようです。

さて また時 国行けから見つかった 古文書で三郎兵衛さんの家の商売がわかります。
これは 曽々木の 三郎兵衛さんが、同じ能登半島の宇出津の人から
4人乗りの船を買った時の証文です。

さらに下の古文書は三郎兵衛さんがその4人乗りの船を今の山形県酒田沖にある 飛島 という島に冬の間 係留 しておくために 通行手形を求める 願い書 です。

下のは 古文書の資料はついてなかったのですが 翻刻された資料です。
三郎兵衛さんが能登半島から4人乗りの船で松前から若狭のあたりまで色々なものを運んでいたということが この 古文書から分かっているそうです。
この頃の三郎兵衛さんは 「組頭」 ということになっているようです。
トイレを作った人とは別人物かもしれません 代々 三郎兵衛を名乗っているのでしょう。
今日は 能登半島の時国家の話から、
佐渡の船登源兵衛家古文書、
さらに瀬戸内海の 二神島〜二神氏の古文書の話にまで及び、
古文書調査と考古学的な発掘調査を照らし合わせる話など、非常に興味深いものでした。

能登時国家にて発見された 古文書を使った授業を継続中です。

古文書を読む 授業ではないのですが、資料には 古文書がバシバシ と出てきます。

これは道にトイレを作って訴えられた男の話です。
江戸時代はなかなか 愉快ですね。
【参考】
この授業はこの愉快な話がメインではなくて、「水呑百姓だ 頭振りだ 貧農だ」と思われた人たちがどれだけ 豊かな経済活動をしていたか という証拠の古文書という文脈で登場しています。
この道にトイレをはみ出して作って訴えられた三郎兵衛という男は、
身分こそ農地を持たない 「頭振」ですが、お金はたくさん持っていたらしいです。

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4月、本屋にNHKの教育講座のテキストがずらりと並んでしますね。
中学生のころから「基礎英語」とか語学講座のテキストを何度買っては挫折したことか!(笑)
最近は、NHKのテキストを買うことはほとんどないのですが、先日コーナーに行ってみてたら、発見がありました。
教育テレビの「3か月でマスターする世界史」
毎週木曜日です。
アジアから見た世界史、世界文明や世界宗教など、新しい視点でとてもワクワクします。
そして、ラジオも新しい番組が始まりました。
今年度の古典講読は、島内景二先生の名場面でつづる「源氏物語」。
今年の大河どらまが紫式部だからかもしれませんね。
一昨年だったかの古典講読が、島内景二先生の「紫式部日記」だったのですが、この先生の話し方がとても聞きやすくとってもファンになったのです。(そのあと本も買いました。このブログにも書いたはず)
島内景二先生再登場!今年は52回にわたってこの源氏物語をやるそうです。たのしみ~~
まだ1回しか聞いていませんが、なんと第1回は「湖月抄」と森鴎外の話からです。引き込まれます。
番組は聞き逃し配信がネットでも聞けるんですよ

NHKは今年は源氏物語関連の番組多くて、別の番組「カルチャーラジオ 文学の世界」でも13回シリーズで、林望さんの講演の番組もあって面白かったのですが、林望先生の話し方は、内容盛りだくさんで早口でちょっと聞き取りに難しいところ有り。録音の問題かもですが、ラジオなので、聞き取りにくいのは大変です。去年の古典講読が万葉集だったのですが、その担当の先生も早口で聴きとりが大変でした。

島内先生はゆっくりしゃべってくれるので、私に合います。

2019年から「昔ばなし大学」に通っていたのですが、コロナでオンライン授業に切り替わり、その後は同級生たちと会うことができなくなりました。そこで、有志でオンライン予習復習会などをZOOMでほそぼそ続けていました。
「そろそろ実際に集まってなにかしたいね」という声が上がり、私はきっと飲み会だろうと思って、気軽に「やろうやろう!」なんて手を上げたんですが…蓋を開けてみたら、何だがすっかり立派なイベントをやる話になっていました。
聞いてないよー(笑)
7人の有志で夏前から企画準備して、一度も集まることなく、先日本番を迎えました。
7人のうち、3人は昔話の語りをやります。
1人は落語家さんとの連絡係。
1人は会場と設備(高座)係。
そして、残った2人で音響(出囃子)、チラシ、めくりなどの準備を手分けしました。
私はチラシデザインとめくり準備をやりました。
会場は松戸駅からほど近い、天廣堂という中華レストランに併設されたギャラリテンセン。
定員50名、平日昼間のイベント、果たしてお客さんは来るのかしら??
プロの落語家さんを呼ぶので、お客さん来なかったらスタッフの持ち出しが増える……
と心配してましたが、なんのなんの、8.20の予約開始から一週間も経たないうちに満席の申込み!あとはキャンセル待ちをしていただくというなんともありがたい展開。
語りを担当した3人の方の人脈だったようですね。
当日までに、落語家さんに表敬の意味もあり、独演会へ行って一緒にお酒飲んだりもしました。落語家さんとしても、「昔話の会」って言われてもはよくわからないでしょうから話せてよかった。
また、落語家さんは会場の下見にも来てくれて、一部のスタッフと打ち合わせできたようでした(私は参加しませんでしたが)
当日は、3時間前に会場入りして、席の設営、高座やめくり台のセット、照明プランなど準備しました。
その後は、開場前で道案内とかもやったり。

おしゃれな会場です

照明の準備中

お店の前に貼り出されたチラシ
うれしいな!
満員のお客様です。
コロナやインフルが流行ってルンで心配してたのですが、なんと当日キャンセルゼロ!ありがたい!

落語は「死神」をリクエストしていました。
というのも、もともと三遊亭圓朝が作ったこの「死神」という演目は、グリム童話に同じ話があるのです。「名付け親になった死神」。
今回はせっかく昔話と落語と一緒に聞ける機会になるので、この2つを聴き比べたら楽しいのでは?という話になったのでした。
落語の世界では話がかぶるなんてやらないと思うんですけど、無理を聞いていただきました。
イーゼルを使っためくり台です。
昔話の方は、お話のタイトルを書きました。
2時間のイベントはあっという間に、盛況のうちに終わりました。
撤収して軽く慰労会。

スタッフと立川キウイ師匠。
誰も真ん中の椅子に座らない変な構図。

高座に使ったテーブルでお菓子で慰労会(反省会)

その後、階下の中華レストランで夕食食べて帰りました。松戸の食材をたくさん使った高級中華コースでした。

デザート3品。
松戸のレモン使った愛玉子(オーギヨーチ)松戸のかぼちゃを使った月餅。
久しぶりにリアルイベントで沢山の人に会えて楽しかったのでした。
勉強はもう卒業してるんですけど、誰かと何かを作り上げるって楽しいですね(色々大変なことはあったんですけどね)

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 8月が始まりました。
 昨夜久しぶりに雨が降って(しかも大変な雷雨)少し涼しくなりました。とは言っても朝の気温は27°c、蒸し蒸ししてます。

 神奈川大学の公開講座で通っていた 考古学の講義も先週で全5回が終わりました。
 縄文、弥生、古墳、律令、戦国と、
5つの時代を取り上げ、神奈川県に残るそれらの時代を代表するような考古学資料、 遺跡などの研究の最先端のお話が聞けてとても興味深かったです。講義の後、実際に遺跡を訪ねると一段と楽しめます。これからも訪ねる 楽しみが増えました。 神奈川には 神奈川 独自の傾向 もあるとわかって それも非常に興味深いものでした。
 私がよく知る九州や、学校で習ってきた近畿とはまた違う「関東」の独特の歴史に触れることができました。鎌倉幕府がここに置かれたのも意味があったのだなあと思いますし、江戸が日本の中心になってその後ずっと中心であり続けてるというのも、 そう考えてみると面白いことだと思います。
 最終回は小田原北条氏が作った小田原 文化について、小田原城の発掘調査報告を交えてのものでした。
 「御用米曲輪」という城内に残る北条氏政の館跡の発掘が進んでいるようで、そこから非常に興味深いものが色々と発見されています。庭園が切石で作られているというのがとても興味を引かれました。奈良、京都の時代から日本の庭園は自然をそのまま持ってくるということが 大原則で石は自然の石のまま配置することになっているのに、この庭園には石をきれいに切って(しかも五輪塔などの石塔の再利用) 池を作っているというのです。他に例がなく、どこから来たのか全然わからないそうです。ここにも関東の文化の独自性があるのかもしれませんね。
切り石敷きの庭園
 わずかに 類似の例が熊本城にもあるという話でした。 あ!それはあの「地図石」のことでは?最後に質問したら そうだということでした。ただ、地図石は庭園の中にあるものではないので、同じものとは言えないから小田原とのつながりはわからないという話でした まだまだこれから研究が楽しみですね。
熊本城の「地図石」
〔神奈川新聞の記事〕
戦国時代の池跡確認 石材をリサイクル 御用米曲輪発掘調査/小田原
小田原市「史跡小田原城跡 御用米曲輪」

気がつけばわたしも現役引退まで10年を切ってしまう年になりました。
老後の資金について考えないではいられません。

数年前に「老後2000万円問題」って言うのありましたよね。
それ以前から、お金のことは考えていました。貯金しても金利はつかないし・・・お金のことって学校でも教わらないし、なかなか人にも相談しにくい。(きょうだいに証券会社勤めがいるんですけど、そんな話一度もしたことないし)
最近は政府も資産運用を推進する構えだし、まわりに情報も増えてきたと思いますが、はたしてどれが良い情報なんだろう?
分からないことがいっぱいです。
そんななか、今通っている大学市民公開講座に、資産運用セミナーが登場しました。無料なのが気になるけど、大学の講座だからそれなりに公平な立場の話がきけるのではないだろうか?
さっそく申し込んで出かけてきました。
題して「初めての資産運用講座」。
投資初心者対象らしい。
初心者ってわけでもないけど、今まで一度もこういう勉強したことないから。
たっぷり2時間。
資産運用ってなに?というところから、株式投資のイロハ~債権の仕組みなどの講義でした。
けっこう手ごたえありました。
決して初心者向けではない。
周りを見回しても、投資経験豊富そうな人たちが出席している印象。
夜の開講だったし、若い世代をターゲットにしていると思われ、私なんかが行ってもいいのかな?と思ったのですが、むしろ高齢者の参加が多かった。いつもながら高齢者の向上心はすごいなと思います。
これまで本やネットで独学してましたが、こうやって先生の話を系統立てて聞くことができて良かったです。どんな分野でも、独学だと知識が偏る罠があるので、こういう「概論」をそれなりの立場の人から聞けるのはよいことです。初心者がまずおさえないといけない基本ポイントが何なのかよくわかりました。
PER、PBR、ROE、ROIなど、いつ見ても混乱する株価指標などの説明もありました。ムズカシイ!
他にもたくさん自分の知識にすっぽり抜けてる部分を補うことができました。
この話をせめて20年前に聞きたかったです。
いまは学校教育の中でも金融教育が始まるらしいですね。
うらやましい。
思い返せば、これまでにも機会もあったのです。
銀行主催のセミナーとか。
でも、ずっと避けてきました。そういうのは資産がうなってるお金持ちの世界の話だろうと。私なんかがいったらカモにされそうだな(笑)とか。
今からでも遅くはないでしょう。
老後人並みに暮らせるようにちゃんと勉強したいと思いました。

1年ほど前から受講している神奈川大学の公開講座 新しいシリーズが始まったので 行ってきました 今回は2ヶ月で6回の講座を受講します。


これまで12シーズンにわたって日本のナショナリズム 愛国心などについて 講義が行われてきたそうです。私が受講したのはポツダム宣言の頃から 三島由紀夫 まで 戦中戦後のナショナリズムについての各論ですが、これからはもう一度ナショナリズムについて 俯瞰してみようということのようです。

現代日本ナショナリズムの理論的再検討
〜グローバル化と自国第一主義の蔓延する世界において考える
第1回目の 今日は以下のようなテーマが発表されていましたが 例によって 冒頭はちょっと違う話から始まりました。
歴史観とナショナリズム
文明史観・唯物史観・皇国史観など「歴史観」とナショナリズムとの関係を整理する

ウクライナ 戦争の話です。
1945年8月15日生まれの先生は、バリバリの左翼 反戦主義者とおっしゃっています。
プーチンかウクライナへ侵攻したことが非常に ショックだったと話していました。 政治史の専門家として認識が甘かったと言わざるを得ないと。

プーチンは2022年の2月からウクライナに軍事行動していることを 「戦争」とは言っていませんでした。 それがこの5月になってようやく これが戦争状態であるということを認める発言をし始めたそうです。
これは日中戦争時の日本の理屈と非常に 似ている という話でした。 つまり 日中戦争が起こった 1936年当時日本はこれを 戦争とは言わず 日支事変とか 日華事変 という表現をしていました。 あくまでも 「暴支膺懲」(初めて聞きましたこの言葉)、警察的行動だと言うわけです。
80年以上経って この論理がまだ使われていることに考えさせられます。
スティーブンピンカー という人が
2011年に発表した「暴力の人類史」という 本には、人類の誕生以来 人々が殺人や暴力行為でどのくらい 死んでいったかということを 統計的にまとめられています。私も一昨年あたりに読んだのですが非常に面白い本でした。 この研究によれば 第1次大戦 第2次大戦でおびただしい人が亡くなったとされているものの、 実は人類の太古の歴史から見ると、残虐な行為によって死ぬということがどんどんどんどん減ってきているという結果がわかったそうなんです。
ピンカーの考察によると その理由として考えられるのは特に国家による法の整備が挙げられるということでした。 つまり国家による法の整備がなされる前は、殺し合いが日常的にあり 、諍い、戦争、殺人や処刑で死ぬ人が相対的に多かったということなのだそうです。
中世では処刑は町の広場で行われ(魔女狩りなど) 人々は処刑を見世物的に楽しんでいたとも言われます。
今ではちょっと考えられない感覚です。
また国家による法の整備と同時に 啓蒙思想により 人道主義が人々の間に芽生えたということも大きな変化ではないかとか。
しかし先生はこのピンカーの説も全面的に肯定はしていませんでした。 やはり ピンカーは歴史学者ではなく 心理学者であり、 統計的に これまでのものを処理しただけで 今後もそうなるかどうか、そのことが本当に歴史の真実であるかということは また別の話だと考えているようです。
歴史学にも歴史があり 1970年頃は歴史を学ぶには経済を学ばなければならないという風潮があり 経済から見る歴史ということがとても流行っていたんだそうです。 そして今は歴史に統計学を持ち込むのが流行っているのだそうです。
それから最近は 地政学がかなりクローズアップされています。テレビや雑誌 インターネット上でも時勢柄、地政学を云々する人たちが とても増えていますが、それについても先生は批判的でした。
地政学 すなわち 地理学と政治学を融合したものは 本来 軍事作戦上、どの地点を抑えれば有利になるかなどを考える手法であり、先生に言わせれば 「エセ学問」なのだそうです。
第二次世界大戦時 ヒトラーのナチス や 日本 でも 「生存圏」という言葉が登場しました。 今でも シーレーン などという言い方で、どこそこが 日本の生命線だなどと言います。地政学をいくら考えても 「なぜ戦争が起こるか」という理由はわからない、生存圏を設定してしまうそのものの見方が戦争を引き起こすのだというのが先生の主張です。
地政学は第二次世界大戦後 急激に学問の世界から消えていったんだそうです。なのに、なぜ今なぜそんな古いものを持ち出しているのだ??と。


さて この話もなかなか面白かったのですが ナショナリズムの話がまだ出てきませんね。
先生は続けます。 ピンカーによれば 1945年から ピンカーのその本が出た 2011年まで 長い平和の時代が続いている。 大国間の戦争はなく、 核兵器は使われず、 先進国がどこかの国に攻め入って領土を拡張したことは一度もなく、国際的に認定された国が消滅することもなく何十年も続いてきたと。
プーチンがウクライナに侵攻するまでは。
話を 2011年時点に戻して、 なぜこの長い平和が続いてきたかということも考察があります。
一番強い理由は 人々のメンタリティーの変化とのことです。 例えば 第二次世界大戦までは 狙撃兵が何人射殺したか、その数が多ければ多いほど英雄視され、自分も誇りに感じていたそうですが第二次世界対戦後は人を殺した兵士達は心に傷を負うという考え方が常識になってきます。また「戦争で人が死
ぬことはコストだ」という考え方も浸透してきました。そのコスト意識があるために プーチンは総動員をかけずに 刑務所で服役している人々に声をかけて戦場に送り出しているわけです。 その段階で 人の命の 選別をしているということに問題が大有りですが。
反戦意識の盛り上がりも理由の一つです。
さらに経済的にグローバル化が進み 各国が相互依存する関係にあるというのも 大きな理由です。
だから先生もまさか プーチンが本当にウクライナ侵攻するだろう とは 直前まで思っていなかったというのです。歴史学者として自分の味方が甘かったと大いに反省をしているという話でした。
ピンカーは核抑止という理由も提示していたようですが、 先生はそれには懐疑的でした。
こんな感じで1回目の講義が終わりました。ナショナリズムの話は 次回からということになりそうです。
前回までの講義は ポツダム宣言、近衛文麿、南原繁、野坂参三、清水幾太郎、江藤淳、三島由紀夫などの文章を吟味する内容で結構難しかったのですが、 これからは 俯瞰する内容になるようなのでもうちょっとつかみやすくなるかな? 楽しみです。

2021年春、みなとみらいに神奈川大学の新しいキャンパスができました。

いつも利用する駅などに「エクステンション講座」という社会人向けの生涯学習講座の案内が置いてあって、パラパラめくってみると、面白そう!
去年も一度申し込んだのですが、コロナで中止になってしまい。
今年またリベンジです。
単発の講座もありますし、ずーっと続いている講義もあるようです。
受講しやすい開講日とか、オンラインで受講できるかとか、受講料とか、いろいろ条件を考えて、政治思想の講座を1つと、横浜の歴史の講座を1つ、それに横浜の街づくりの講座を1つ受講することにしました。
●神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科主催講座
 -日本ナショナリズムの解剖学11 日本ナショナリズムの現在
 -日本ナショナリズムの解剖学12 現代世界の中の日本ナショナリズム
●横浜を歩く(Ⅱ)
●「都市デザイン」って何!?-新旧関内編-

生涯学習講座だからか、私の選ぶ講義の傾向なのか、受講者は高齢者が圧倒的です。皆さんの向学心は素晴らしいですね。わたしもこの歳になってようやくこういうのに参加してみようと思ったくらいなので、若いうちは目に留まらないものなのかもしれません。(それに平日の昼間開講だったら参加できないし)
先日、「横浜を歩く」という横浜の歴史を学ぶ講座のフィールドワーク(街歩き)に参加しました。根岸森林公園の馬の博物館と一等観覧席の遺構を見学し、最後は中華義荘(地蔵王廟)を見て回りました。
参加者30人くらい。
平均年齢70歳くらいかな?もっと上かも。
コロナなので、野外でもみんなマスク。おしゃべりも非推奨なので、みんなで黙々と1時間半歩いて見学。
私にとっては普段散歩している場所でしたが、でもやっぱりこういうグループに参加して歩くのは別の発見もあり、楽しいものでした。

今後も『横浜を歩く』『「都市デザイン」って何!?-新旧関内編- 』
という講座で、それぞれ1回ずつ街歩きのフィールドワークがあります。
季節もいいから楽しみ。
政治思想の方の講義(『現代世界の中の日本ナショナリズム』) は、勉強したことのない分野で難しいのですが、大人として知っておかないとなぁと思う分野なので、ぼちぼち勉強していこうと思います。
この神大のエクステンション講座に出席すると、その日は図書館が使えるというのもポイント高いのです。
みなとみらいキャンパスの図書館はそれほど大きくはないのですが、新しくてピカピカで、本も新規購入されたものが多くて気持ちよく使えます。9/20までは夏休みらしく、利用者が少ないのもありがたかった。通常授業になったら混むのかしら?

昔ばなし大学の勉強もここにこもってしてみたりしました。
40代までは、勉強というと語学が一番にきましたが、
だんだんと興味の先が変わっていきますね。

いつだったか本屋さんへ行ったら、こんな風に「横浜中華街」という本が平積みになっていました。「世界に誇るチャイナタウンの地理・歴史」とあっては、読まないわけにはいかないでしょうと、買ってきました。
横浜中華街の近所に住まう身としても、
一瞬とはいえ、地理学徒だった身としても。
面白すぎて一気読みしました。
この著者、何者????
と思って調べたら、人文地理の先生でした。
山下清海先生。
教育大、筑波大、秋田大、東洋大、筑波大ときて今は立正大学にいらっしゃるらしいです。そして、この春退官されるそうで、最終講義の案内がHPに載っていました。
この本おすすめ!!2021年12月に出たばかり。
(グルメ情報はないけど)
中国台湾香港関係が専門のジャーナリスト野嶋剛 さんの書評
全くの部外者ではあるのですが、お願いして最終講義を聴講させてもらいました。幸いオンラインで聴講可能でした。
(平日昼間だったので仕事を休んで参加しました)

私が横浜中華街に興味を持ち始めたのが、ここへ引っ越してきた2年前からなので、まったく不勉強だったのですが、山下先生は修士の院生だったころからチャイナタウンをフィールドに地理研究をされてきた方でした。
横浜中華街はもちろん、いまホットな「池袋チャイナタウン」(このなまえは山下先生が命名したのだそうです)や世界中のチャイナタウンをフィールドワークされていて、論文だけでなく、読みやすい著作もたくさんおありなのだそう。
というわけで、図書館でいろいろ借りてきて読んでいます。
チャイナタウンといえば、私が行ったことのある外国にはほとんどチャイナタウンがありました。サンフランシスコも行ったし、ロンドンも。ローマで入った土産物屋さんが華人だったので中国語で話をしたのも懐かしい思い出。
東南アジアはシンガポール、クアラルンプール、ペナンはチャイナタウンというか、華人人口が多い町だったし。
タイやベトナムでは、チャイナタウンの印象は薄いけど、中華な店があるのは当たり前だと思っていた気がします。
チャイナタウンという街を形成していなくても、グアムやサイパン、フィリピン、でも華人の経営する店には普通に行ったしね。
そう、アフリカのアンゴラに住んでいた知人が「日本食の店はないけど中華の店はあって、親切にしてもらってる」と言っていたのも思い出します。
華人のパワーはすごいな~。
なんて思っていたのですが、その土地その土地で華人の流入には時期の違いや出身地域の違いがあることを知りました。
日本の中華街は広東系が多い(横浜中華街は老舗は広東料理ばかり)。
アメリカも。イギリスも。
東南アジアは、福建と広東と海南。
でもフランスは仏領インドシナ出身の華人が多くてベトナム風の中国料理。
オランダはインドネシア出身の華人が多くてインドネシア風とか。
韓国は山東地方の人が多かった。そして韓国の中華料理と言えば「ジャージャー麺」。
よく考えてみたら、いろいろ違うんだなぁ。
そして全世界的に新しいチャイナタウンは、中国の改革開放以後の人々で形成されて、出身地もまた変わってきているのだそう。
旅行や生活の中で触れてきたことなので、興味深く読みました。
もうすこし深追いしてみようと思います。
   

隣町珈琲さん主催イベントに久しぶりに出かけてきました。コロナ禍になって自分自身も色々自粛してたけど、釈徹宗先生の講座が始まると聞いては、出かけないわけには行かないと思って。
とは言うものの、テーマは「お経」かぁ。(前回は数年前の「宗教学入門講座」)
面白いのかしら??信仰寄りの話かなぁ…それだと私の興味とは、ずれてるかなぁ…などと多少の不安はあったのですが、杞憂でした。
「お経」の成立の歴史的な話や、仏教とは何かとか基本的な話もたっぷりで、とっても面白く聞くことができました。
今の私にピッタリでした。
現在相愛大学の副学長もなさってる釈先生、講座の前には相愛大学出身の音楽家さんによるミニコンサートもありました。
オーボエとピアノ。
オーボエの音がとっても好きなので得した気分でした。

今回は第一回ということで「ダンマパダ」でしたが、ダンマパダを読む時間より「お経とはなにか?」の話が多めでした。

広くなった隣町珈琲。
グランドピアノもおいてあり、店主の平川センセイの個人蔵書(面白そうな本がいっぱい)もずらり。駅からも近くなったし(最寄り駅は中延、荏原中延)コーヒー飲みに行って本をパラパラするのも良さそう。
移転に際しては私も微々たる額ですが喜捨したんです。(喜んで捨てる?)私の名前も掲示されてマシタ。
隣町珈琲のある中延商店街。
アーケードになっています。
今どんどん商店街から姿を消している家具屋さん、荒物屋さん、文具屋さん、布団屋さん、家電屋さんなんかも頑張ってて応援したくなる感じ。

生活雑貨が何でも揃うあらもの(金物)やさん。包丁も研いでくれるらしい。

仕出し屋さん。渋い。

工房がついてる家具屋さん。
家具の修理も頼めるし、まな板も削ってもらえるんだそうです。近所にほしいお店ですね。

次回(涅槃経)も予約しました。

横浜市中央図書館の地下一階に横浜市史資料室があります。そこで、「戦後横浜 それぞれの出発」という展示をやっています。
先月図書館に行ったときにポスターで知って見てきたのですが、横浜市民の日記の記述で戦中戦後の市民生活を知る企画で、とても興味をそそられました。(図書館に行くまで知らなかった。宣伝が足りないなぁ‥いい企画なのに)
例えば、昭和20年8月15日の日記も複数の人々のが並ぶと、やっぱりそれぞれみんな違ってる。当たり前だけど、その多様性にホッとする。
16歳で終戦を迎えた横浜の少年の日記は何年分もまとめて寄贈されていて、その場でコピーを閲覧することもできました。(チラシに掲載のイラスト入りのがそれ) 
他人の日記を読むなんて、いけないことのような気もしますが、下手な小説よりも面白く、なんといっても事実の重量感がいいのです。
戦中を生きた人たちって自分とは随分かけ離れた世界に住んでる人だと思いがちなのですが、日記を読んでいると全然違いを感じない。こういうこと自分も日記に書いたっけ・・・友達にもいそう。

この企画展の一環で、講座が開かれました。参加は無料だけど抽選ということで、往復はがきで申し込んでおきました。(多分そんなに申し込む人いないだろうと思いつつ)

めでたく当選したので、土曜の午後でかけてきました。なんと二時間半の本格講座!配られた資料も12ページくらいあって、なかなかです。(無料なのに!)

緊急事態宣言下なので、250席くらいあるホールに50人だけ。

無料でもこんなに充実した企画展やイベントがあるのありがたいです。
とはいえ、去年八代市に水害支援でふるさと納税しちゃったから、今年は横浜市には税金ほとんど入れてないので、申し訳ないケド。

最近めっきりテレビを見なくなりました。
もともとテレビで見るのはニュースとかドキュメンタリーなどが多かったのですが、最近あまり面白くない。
ドラマなどはnetflixみたいな配信で一気見などしますが。
そのほかはYoutube。
でもYoutubeの動画は玉石混交。くだらないものも多い(多すぎる!)
なので、良コンテンツは貴重です。
最近見つけて、気に入ってる番組をご紹介します。
これはyoutubeではなくて、もともとはNHKのラジオ番組です。
近年また注目されているらしい「方丈記」とその作者の鴨長明について。
これを50数回にわたって読んでいく番組です。
加賀美さんの朗読もいいし、解説してくれるこの浅見先生が素晴らしい。
分かりやすくて、古典の原書を読み砕いていくだけでなく、関連情報もちゃんとフォロー。琵琶の秘曲が話題になった時には、実際の琵琶演奏音源を聞かせてくれたり。しゃべり方もすごく和む。
40回目くらいまで聞いてしまいました。
終わるのがさみしい。
ラジオ番組なので、夜寝る前に枕もとでかけています。
佐々木閑先生の仏教動画と並んでおすすめです。
方丈記 と 鴨長明の 人生 第 1 回 ゆく川の流れ・序章/浅見 和彦・あさみ かずひこ・成蹊大学 名誉教授/朗読・加賀美 幸子 2019 04 06 NHK 古典講読

コロナ禍で何が変わったかといえば、海外旅行ですね。

国内旅行はそれなりにでかけている人多いですが、流石に観光目的の海外旅行はでかけている人ほとんどいませんよね。
それで、図書館の「地球の歩き方」コーナーがとっても充実してます。いつもなら、借りたい国のが貸出中のことが多いのですが。

先日、借りてた本を返しに行って、その場で借りてきました。(いつもは読みたい本を予約してから借りる)

インド、スリランカ、ネパールです。
なぜここかというと、今佐々木閑先生の仏教動画でインドの仏跡や三蔵法師の足跡、アショーカ王の石柱の話などを聞いているからです。
インド周辺は旅行するのにハードルが高いなーと思っていたのですが、仏跡巡りは一度は行ってみたいなどと思うようになりました。(加えて、今年の正月くらいにはヒマラヤ登山本を読み漁っていたし)
アショーカ王って凄いですね。
本当に一人だけだったのだろうか???

佐々木閑先生のYoutube動画でインドで仏教が滅びるまでの歴史を勉強中。
いまはアショーカ王の話。
玄奘三蔵の話も出てくるので、
「大唐西域記」を図書館で借りてきました。

が!
今一つイメージがわかない。
インドの風景がイメージできないのです。
そこで、昔NHKが取材した「シルクロード」という番組~そうです、あのシルクロード、喜多朗の音楽と石坂浩二のナレーションのあのNHK特集~を見たいと思って、放送ライブラリーへ行ってきました。
放送ライブラリーはいろいろなテレビ番組やニュース映画などを無料で見させてくれる施設です。
コロナでどうなるかなと思いましたが、視聴コーナーは利用できるようなので良かった。でも、以前は利用時間の延長ができたのが、いまは2時間までしか利用できないようになっていました。
番組検索すると、ありました。
「シルクロード第2部-4 玄装三蔵 天竺」
シルクロードを逸れて、玄奘の旅したインドの風景が出てきます。
ほかにも、1989年のNHK特集「大黄河」にも「仏陀の道」という回がありました。こちらは緒形拳がナレーターで中国黄河流域の摩崖仏などを紹介していました。
そしてTBSの「世界遺産」という番組に「タキシラ」の回がありました。
これは昔のガンダーラの中心「タクシャシーラ」のこと。
この番組のナレーターは緒形直人でした。
そんなわけで2時間で3本の番組を見てきました。
お釈迦様の時代や玄奘の時代と風景が変わっているのか否かはよくわかりませんが、なんとなくイメージがつかめました。
出家者が住む「林」ってどんなところ?
とか、ガンジス川の大きさとか。
放送ライブラリーは無料で利用できるのに、利用者はとても少ないです。
ふしぎ…。
これは、放送ライブラリーのあるビルのエレベーター。
団体を想定しているのか、あるいは機器の運搬のためか?
巨大です。

佐々木先生の動画講義では,今後玄奘三蔵の話もしてくださるそうなので、楽しみにしています。

予約しておいた本を借りに図書館へ行ってきました。
入り口にビニールシートで隔てられた臨時のカウンターが設置され、そこで貸出業務が行われていました。
建物のホールにあったベンチなどの休憩スペースにはシャッターが下りていて閉鎖。
何もそこまでしなくても。
と思ってしまいます。

5/11までとなっているが、ズルズル長引くことも十分ありえるハナシ。
実際、他区の図書館ホームページには「当分の間休館」と、期間を明記しないところもあったし、みんな延長されると思ってるでしょう。
係の方に話を聞いたら、予約の受付は休館期間中も可能らしい。良かった。それなら休館が長引いても、本に飢えることにはならなさそう。
休館が長引かないのが一番ではありますが。
今日借りてきたのは三蔵法師の「大唐西域記」と
仏教学者藤本晃氏の本。
この方、佐々木閑先生と論争になっているようで、どんなお説なのか確認したく借りてみました。

佐々木閑先生の仏教講義を視聴している話は先日書きましたが、あれは、コロナによる大学のオンライン授業がきっかけだったそうです。
その配信をするにあたって、同志社大学の小原克博先生の「授業のための動画作成──急場をしのぐためのスイスイ動画作成術」というYoutubeの動画を参考にしたという話も講義の中に出てきました。
小原先生というと、NHKラジオの文化講演会という番組で、佐々木閑先生と合同で公演されていたのを聞いたことがありました。
先日のこと、いつものようにyoutubeで佐々木先生の講義を視聴したあと、小原先生の講義動画が関連動画に上がってきました。
小原克博「日本宗教への導入」(講義「日本宗教」第1回、同志社大学)
2015年の同志社大学での講義を撮影して、さらに編集して、youtubeにあげていらっしゃるのでした。
えっ。
同志社に授業料払ってないケド、これ見ていいのでしょうか?
さすが、ネットを活用した講義の先駆者、小原先生です。
講義のレジュメなどもダウンロードできたり、なにしろその学期の講義がすべてアップロードしてあるのです。
雑音も入らない。
板書(というか資料)も見やすく編集されている。
など、非常にハイクオリティで視聴者にストレスがありません。
それになにより中味が面白い。
(まだ4回くらいしか見てませんけど)
自分が学生のころ、講義をこんなに面白いと思ったことはありませんでした。
あったかもしれないケド、あまり記憶にない。
なぜ、今見るとこんなに面白いと感じるのでしょう?
学生のころ受けた講義はよくわからない言葉が多発してついて行けなかったみたい。あの頃の自分のレベルが低かったってことかな?
放送大学を見たこともあったのですが、あれもあまり面白くなかった。
なぜかな?私の受け入れ態勢の問題かな?
小原先生の講義動画はとても面白いです。
噺も面白いし、かたい話の中に身近な話も混ざっているのも面白く感じる理由かも。
しばらく、この先生の講義動画も見て、日本の宗教を概観していきたいと思います。
Youtubeって学ぶのになかなか良いですね。
東大も模擬授業とか、講演会などの動画がたくさん上がってます。
今、旅行にも行けないし、友達とも会わないし、時間があるのでこういう楽しみが見つかってよかったです。

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今年になってからひょんなことから、仏教学者の佐々木閑先生のyoutube動画を見はじめました。固い内容ですがとても分かりやすい。
すっかりはまっています。
佐々木閑先生のことを初めて知ったのは、NHKの「100分de名著」という番組でした。この先生の話面白いなぁと思ったのがきっかけで、本も買って読みました。
それから2年が経ちました。
佐々木先生は京都の花園大学という禅宗系の大学の教授です。
コロナのために昨年4月から大学での対面授業ができなくなり、オンライン授業に切り替わったことが、このyoutubeを始められるきっかけだったそうです。
大学の講義なので、本来は履修学生だけに公開されるものだと思うのですが、一般公開になっています。というのも、先生の講義にはもともと社会人の聴講生がたくさんいたそうですが、それらの人たちはコロナ禍で履修すらかなわなくなってしまったということで、動画を一般に公開されたのだそうです。おかげで私も拝見できるのですね。
これがその記念すべき第1回の配信です。
オンライン講義なんて全くノウハウがない中、てさぐりでYoutube配信されるようになったそうで、先生の表情が固い(笑)
佐々木閑「仏教哲学の世界観」1-(1)
「仏教哲学の世界観」なんてタイトルも硬派ですが、結局、内容は一般向けにかなり平易に仏教の歴史を紹介するものになっています。
以下のようにシリーズ化されてます。
1.「仏教の誕生」24回
2.「ブッダの生涯」55回
3.「ブッダの教え」25回
4.「ブッダ亡き後の仏教」20回
5.「阿含経の教え 」43回
番外編も入れると1年間で170回ほどの動画講義が配信されました。
せっせと見続けて、ようやく先日追いつきました。
昨年の秋ごろからは大学の対面講義も始まって、オンライン授業はしなくてもよくなったらしいのですが、内外からの反響がよかったそうで、結局そのまま一般向けの講義動画の配信が続きました。(よかった!)
この4月からは、また新しいシリーズが始まりました。
佐々木閑の仏教講義 4「仏教再発見の旅 1」(「仏教哲学の世界観」第7シリーズ)
ずーっと拝見していると人柄も伝わってきますし、すっかりファンになってます。NHK文化センターの講義もオンラインで受講することにしました。今月末から月に1回の6回シリーズです。
Youtubeと合わせて勉強続けます。
いつもながら興味が出るとそればかり!になりがちな私ですが、いつまでこの興味が続くでしょうか…。

駅にポスターとチラシがおいてあった神奈川大学の生涯学習講座。
オンラインもあるようです。
神奈川大学といえば常民文化研究所もあるのだ!

勉強するの楽しそう。

コロナでこれまでの楽しみだった友達との集まりや、海外旅行、ライブイベントなどもほとんどなく過ごしてきたこの一年、私の興味も変わってきました。
そろそろ私も林住期かな。

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ここのところ仏教ブームが来ています(私に)
で、前に読んだことのある本をもう一回読み返してみました。
2年前にブログにも書いています。
2019年に買って読んだのですが、引っ越しの際に処分してしまって手元になかったので図書館で借りました。
2年前も「わかりやすい~~!」って書いてましたが、読み返してみると前回は全然わかっていなくて、今回初めて理解したことも多かったです。(でもまだ半分くらいは分からないまま)
そしておかしいのは「富永仲基」についてもこの本に書かれていたのです。
読んでたはずなのに、まったくわかっていなかったってことですね。
近所のコーヒー店へ行って、ノートをとりながら読みました。
まだまだ分からないことだらけですが、今興味が湧いているので、しばらく追っかけてみようと思います。

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今年はコロナのため行かなかったのですが、毎年職場の初詣でお不動様の「大護摩」に参加して般若心経を読んでいます。(20数年読んでるけど、意味は分からない)
それから、全員で読経するスタイルの法事に参加したこともあります。
般若心経以外のお経を読むのは初めてで、そのお経の独特の音程の高低に翻弄されました。「まるで歌みたい」と思いましたが、真宗本願寺派の「正信偈」だったようです。
でもこんな風に読経することがあっても、意味がさっぱり分かりません。
お経ってなんで日本語じゃないの?
長年の疑問です。
そこでこの本です。
図書館でみかけたので読んでみました。
20年前の本ですが、人気があるらしく新しい版もているようです。
仏教については、もう何年も折に触れては入門書みたいなものを読んでいます。が、いつも分かったようなわからないような…です。
それは当然ですね。宗教についてすっかりわかるということは、そもそもないのだろうと思います。
それにしても、仏教は複雑です。
世界各地に残っている仏教の姿がかなり違うし、日本の仏教はお釈迦様から結構遠くまで来ている印象もあります。
でも、お寺は周りにたくさんあるし、お経を聞く機会も多いし、興味はあるのです。お経は「ありがたい教え」だという認識はあるけど、漢文だから聞いていても意味不明。種類もたくさんあるらしいけど、どのお経を聞いているのか区別もつかない。ただ眠りへいざなわれるだけ…。

この本は、日本でメジャーなお経を解説し、現代語訳をつけてくれています。画期的!と思いました。
この本にでて来たお経を実際聞いてみたいなと思って、Youtubeでお経を探してみました。
私は中国語の「歌」になってるお経好きです。コーラスもあり、伴奏もついています。有名歌手が歌うバージョンもあります。(動画はフェイウォンが歌う般若心経)
Heart Sutra - Faye Wong (Famen Temple Live) 心经 - 王菲 (法门寺现场版)
ネットをうろうろしているうちに、読経の音声にかぶせて日本語訳の朗読(?)をつけてある動画を見つけました。
こういうのを待ってたんです!
『正信偈』 を味わう(現代語+読経) Che-lee
日本語の意味が分かっても教えが理解できるかと言えばそうではないと思いますけど、ただの呪文を聞いてるのとは全然違いますね。
この動画は「お坊さんYoutuber」の方が作られたようです。
調べていくと、いまお坊さんでyoutube配信をしている方がぐんと増えているようです。コロナの影響もあるでしょうね。
すっかり面白くなって、この桜嵐坊さんのチャンネルを登録していくつか見ていたのですが、そんな中、釈徹宗先生をゲストに呼ぶライブ配信があるというので、早速参加しました。お坊さんを身近に感じることができました。(釈徹宗先生が有名人なのだと言うこともわかりました)
そんなわけで、いま時間があるとyoutubeで仏教の勉強をしています。(ながら聞きですけどね)
おまけ動画
中国語の音楽付きの「仏説阿弥陀経」です。この字幕みたいに分かち書きをしてもらえると、中国語をかじった身としては意味が少しわかります。方眼紙に漢字をびっしり書いたみたいな日本のお経だと、どこで切るのか(漢文の素養なくて)わからない。
《佛说阿弥陀经》 (高清版)

NHK の E テレでやっている100分で名著という番組がなかなか面白いですよね。今マルクスの資本論やっています。

私はマルクスの資本論なんて難しそうな本は読んだことがないのですが、150年前の本にこんな現代にも通じることが書かれているとは!!
まるで予言の書。
マルクスという人の洞察力!
すごい人だったんだなぁ。
ソビエト、中国、ベトナム、北朝鮮、マルクスレーニン主義から始まった社会主義国がことごとく失敗していった歴史を見ていて、社会主義とかマルクスの考え方とか、すでに古いものなのかと思っていたのですが、全然そんなことはないのですね。

「資本とは価値を永遠に生み出し続ける運動のことだ」というマルクスの説を聞き、仏教の輪廻転生を連想しました。
仏教の目指す解脱というのは、六道を生まれ変わっていく輪廻転生のサイクルから抜け出すことだとは聞いていても、それが本当の幸せだとあんまり思えなかったんです。生まれ変わりをくりかえしても別にいいのでは?って。

しかしこれをこの資本主義の運動の輪だと考えると、ここからから抜け出せたらどんなに幸せかと思いました。

資本主義が行き詰まっているということは誰もが感じていることでしょう。
搾取されて自分の時間がなかったり、過労死するまで働いてしまったり、どれだけ働いても奨学金の返済に追われたり、大学に行くことが難しかったり、そんな話は毎日聞こえてきます。

はたまた暮らしに困ってないにしても、空気が汚れ、原発事故の放射性物質で海が汚れ、森林が破壊され…さらには異常気象による災害の多発…これは私たちすべてが引き受けなければならない資本主義のツケではないでしょうか?
そんなことを考えていたら、朝のニュースで和歌山県の山奥の限界集落に若者たちが移り住んで自給自足に近いような生活をしているという話を聞きました。
彼らはさしずめ資本主義の輪から抜け出した勝ち組なのかもしれません。
労働が資本家のための労働でなく、純粋に自分のため、コミュニテイのため。そういう資本主義以前の暮らしを求める機運が確かに始まっていると思います。

昨日聞いてきた鼎談。

いろんな人がいろんな立場でいろんなことを(デマも含め)言いたい方だった、あいちトリエンナーレ問題。
 
当事者に直接話しを聞くというのは大事だと思った。
 

以下、主催者のサイトから

2019年は「表現の自由」を考える一年でした。
あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」の中止と再開、補助金の不交付、それに続く「日本芸術文化振興会」 による「公益性」の観点から映画『宮本から君へ』の助成金の取り消し、そしてKAWASAKIしんゆり映画祭2019で出演者が訴訟を起こしていることを理由にした映画『主戦場』の上映中止騒動…今現在も「表現の自由」をめぐり行政や社会あり方が問われるような事態が起こり続けています。

今回はあいちトリエンナーレで芸樹監督を務められたジャーナリスト津田大介さんと、コラムニスト小田嶋隆さん、また隣町珈琲でもシリーズで「デモクラシーの岩床」探る対談を重ねる、政治学者岡田憲治先生3人をお呼びして、ジャーナリスト、コラムニスト、政治学の立場から広く2019年を振り返りながら、今年問われた日本社会における「表現の自由」また「民主主義」について、そして今後の社会のあり方について考えます。ぜひお越しください。

【詳細】
隣町珈琲スペシャルトークイベントVol.3
「表現の自由とデモクラシー〜2019年を振り返る〜」

■出演者 :
津田大介(ジャーナリスト・ポリタス編集長)
小田嶋隆(コラムニスト)
岡田憲治(専修大学法学部教授・政治学者)

★出演者プロフィール★

●津田大介(つだだいすけ)
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ポリタス編集長。
1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。早稲田大学文学学術院教授。
テレ朝チャンネル2「津田大介 日本にプラス+」キャスター。J-WAVE「JAM THE WORLD」ニュース・スーパーバイザー。一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2013」選出。メディアとジャーナリズム、著作権、コンテンツビジネス、表現の自由などを専門分野として執筆活動を行う。近年は地域課題の解決や社会起業、テクノロジーが社会をどのように変えるかをテーマに取材を続ける。主な著書に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)、『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)、『動員の革命』(中公新書ラクレ)、『情報の呼吸法』(朝日出版社)、『Twitter社会論』(洋泉社新書)ほか。2011年9月より週刊有料メールマガジン「メディアの現場」を配信中。あいちトリエンナーレ2019芸術監督(2017~2020)を務める。

●小田嶋隆(おだじまたかし)
1956年、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、小学校事務員見習い、ラジオ局ADなどを経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。著書に『小田嶋隆のコラム道』(ミシマ社)、『地雷を踏む勇気』『もっと地雷を踏む勇気』(共に技術評論社)、『その「正義」があぶない。』『場末の文体論』『超・反知性主義入門』(共に日経BP社)、『友だちリクエストの返事が来ない午後』(太田出版)、『ポエムに万歳! 』(新潮文庫)、『「踊り場」日本論』(岡田憲治との共著、晶文社)『ザ、コラム』(晶文社)『上を向いてアルコール』(ミシマ社)がある。隣町珈琲では平川克美との対談「ふたりでお茶を」を月一回開催中。

●岡田憲治(おかだけんじ)

専修大学法学部教授・政治学者 1962年東京生まれ。 早稲田大学大学院博士課程修了。政治学博士。専門はデモクラシー思想の研究。最近刊は『デモクラシーは、仁義である』(角川書店)、その他『ええ、政治ですがそれが何か?』(明石書店)、『静かに「政治」の話を続けよう』(亜紀書房)、『働く大人の教養課程』(実務教育出版)、『言葉がたりないとサルになる』(亜紀書房)等。 最新刊『なぜリベラルは敗け続けるのか』(集英社インターナショナル)絶賛発売中! 過去に隣町珈琲、ラジオデイズにて講座「直球政治学講義」「政治学基本の『キ』」、平川克美との対談「路地裏政治学」など開催、配信中。

 

縁あって何度か話を聞いたり本を読んだりしている、政治学者の岡田憲治さんの企画した対談です。
品川区中延の隣町珈琲という小さな喫茶店がはちきれそうになって、トークイベント、懇親会がありました。

はじめて「議員さん」に会って話をしました。

緒方さんには勝手に「戦ってるヒト」のイメージを持っていたのですが、実際にお会いしてみると、まったくそんな雰囲気はなく、柔らかく、自然で、落ち着いていて明るく聡明。
そんな方でした。

いっぺんにファンになっちゃいました。

「ファン」とかって書くと、遠い存在の感じもしちゃいますが、そこも正確にはちがって、まったく垣根を感じさせず、初めて会ったのに前からの知り合いのような、年齢もわたしよりうんと年下ですが、まるでクラスメートのような、そんな印象の方でした。

熊本市に住んでいないワタシですが、彼女のことは応援したいと思います。
疑り深い私がこんなにべた褒めするのは珍しいことですね。

以上、今日はとりあえず第一印象を記しておきます。

おいおい、熊本の皆さんにも彼女に注目してもらえるように記事書いていきます。
ま、おいおいですけどね。


今年出かけたコンサートや舞台、展覧会のチケットたち。
チケットの無いものも入れたらまだまだあるはず。

今年の前半に出かけて行った、釈徹宗さんの「初心者のための宗教学講座」で印象的だった話に「巻き込まれキャンペーン」がある。

「どんなお誘いも断らずにどんどん巻き込まれていくことを、キャンペーンのように意識的にこころがける。それによってどんどん自分の世界がひろがり動き出す」という話だった(釈先生の実体験)

私もまさにちょうどそういう事をここがけてやっているところだったので、それから後ろ盾を得たような気持ちで、更にどんどん巻き込まれて行った。自分から渦に飛び込んだりしたところもあった。そもそもこの宗教学講座に出たのもその一環だった。

今年は恩師のヨーロッパ研修旅行にもでかけたし、陳昇の来日公演関係でもどっぷりつかって渦まきのただなか感も味わったし。また、友人知人の関係するイベントやお誘いも時間があう限りは出かけるようにしてみた。
そういう日々をすごして、おかげさまで今年は沢山知り合いが増えたし、新しいこともいろいろ知ることができた。

が、ここにきてちょっと苦しくなっている。
インプットしすぎて、あっぷあっぷ状態。
情報が多すぎるのだろう。

というわけで、これからはその情報を反芻する期間にしたい。
しばらく新しい情報はシャットアウトして、せっかくいただいたご縁を大事に心にしみわたらせるような、そんなことをしていきたい。

別名「お断りキャンペーン」(これも釈先生の命名)


かれこれ25年間、毎年お正月にお寺に行って、不動明王の前で般若心経をよんでいるんですけど・・・もちろん、意味も分からずにただ、お坊さんについて読んでるだけですけども。

この中に出てくる「舎利子」ってことば、2回くらい出てくるんですが、人の名前なんだそうですね!!

知らなかった。

しかも実在の人物。
舎利子(しゃりし)=舎利弗(しゃりほつ)=シャーリプトラっていう、お釈迦様のお弟子さんだそうですね。

知らなかった。
このシャーリプトラという人に観音様が話しかけている様子なのだって。

皆さん、ご存知でした?
そう考えると、お経も身近な感じがしますね。
会話文なんだ~。

「初心者のための宗教学講座」第4回。
会場:隣町珈琲(品川区)
講師:釈徹宗

2月に引続き第4回目にも参加してきました。

今回のテーマはユダヤ教を例にとり、宗教的タブーについて。

わたしは良く知りませんでしたが、ユダヤ教というのは「タブー」の多い宗教のようです。安息日を徹底することや、食べるのもへの規制なども厳しいようです。
めんどくさいなぁ。。。と思いますが、それをするにはやはり意味があるのでしょうね。

知らない話ばかりだったので、どれもこれもとても興味深く話を聞きましたが、いちばん心に残ったのは終盤のこの話。

「できるのにしない」ことが人間を進歩させる。
ユダヤの人々に優秀な人が多いのは、「できることをしないでいた」という要素も大きいのでは?
と言う話。

とくに科学の分野で顕著だけれど、人間はできることはすべてやろうとする。
原子力が使えるようになると、原爆を作り、原子力発電所をつくる。
遺伝子組み換えができるようになると、それにより品種改良をすすめ、クローンを作ろうとする。
人間の遺伝子を操作するのももう目前。
人間クローンをつくるのも時間の問題…

でもそれがはたして人間の進歩に寄与するのか?
それで人間は良いのか?

ユダヤの人々が、食べられる物を敢えて食べず、厳しい戒律を課してきたことにより、人類として一段高みへ上がっているかもしれない、そんなことを考えました。
前に読んだ「サピエンス全史」(あ、これも作者はイスラエルの歴史学者だった・・・)にも同じような観点があって考えさせられましたが、人間の未来にその視点も必要なのではと思いました。

勉強するって楽しいですね。


「初心者のための宗教学講座」第3回。
会場:隣町珈琲(品川区)
講師:釈徹宗

講師の 釈徹宗 と言う方、良く知らなかったのですが、この間、NHKの「100分de名著」と言う番組「親鸞 歎異抄を読む」の再放送をちょっとだけ見て、話がとても分かりやすい人だなぁ。と印象に残っていたのです。宗教には興味がないわけじゃないけれども、「難しそう」と避けてきた分野なので、この方の話なら、わかるかもしれないと思いました。

たまたまネットでこの講座のことを知り、軽い気持ちで出かけてきました。第3回とありましたが、前の2回を聞いていなくても、受け付けてくださるようだったので。平日の夜7時、職場から30分くらいで行けるのでちょうどいい距離です。

出かけてみて、驚きました。

初心者のって書いてあったけど、とっても難しかったのです。

大学の講義っぽかった。
まさに「宗教学」の講義でした(受けたことないけど)
でも内容は面白かったし、用語などは難しかったですが、内容の方はちゃんとついていけてると実感しながら聞くことができたのでよかったです。テレビで感じた「このヒトの話はわかりやすい」というのはそのままでした。

第3回のテーマは「宗教の共存」

つまり、世の中にいろいろある宗教はどう折り合って、人々はどう共存していけるのか?
難しいテーマですね。
自分とは異なる信仰の人と分かり合えるのか?
一緒に暮らせるのか?
社会の構成員として協力できるのか?

【自分のための講義ノート】

講義は、「信仰とは何か」という話から始まり、「宗教間対話」についてのこれまでの取り組みについてひとつひとつ解説してもらいました。

宗教間対話の3つの様態

1.排他主義
自分の宗教が絶対!外は認めない立場。
信じない者は救われない「教会の外に救いなし」

2.包括主義
自分の宗教に他の宗教を呑みこむ。
本字垂迹説。ヒンドゥー教

3.多元主義
1980年代から、自宗教と他宗教を並列に考え、対話を試みる立場。
かなり期待された考え方だったが、
「万教帰一」の考え方を招いたり、これだけでは上手くいかなくなってきた。
ジョン・ヒック

そして現在は、「草の根の対話」の活動が続いているが、その力は相対的に見て小さい。世界的には近年むしろ「原理主義~ファンダメンタリズム」が台頭してきている。そして原理主義のパワーは強大で、草の根の対話などは太刀打ちできないほど。
しかし、草の根の対話だろうとなんだろうと、各宗教は対話の丸テーブルに着席することをやめてはならない。

信仰は、人間の内面の問題でもあるが、時に人間が制御不能になるほどの力を持つ。
心の問題だけではなく、形式、行動様式の問題であったりもする。

宗教には毒がある。
他者を傷つける。

この問題に取り組むためには、宗教を体系的に学ぶ必要がある。
宗教には必ず「リミッター」が備わっており、それが「毒」「加害性」を抑えている。
生半可な理解で宗教をとりあつかうと、過激なものになる。

自己の信仰と他者の信仰とは別のものだが「橋」をかけられる。
これまではその橋を架けるために「地域や文化の様式」が役に立ってきていたが、今はその中景と言うべき力は弱体化した。今その代りになる可能性は「芸術」が持つのではないか?

世界各地で生じる宗教対立問題。
宗教問題は人類の問題であり、信仰をもつ人の身の問題ではない。
無宗教の人でも当事者意識が必要。
草の根の対話の力は小さいかもしれないが、その道しかない。

では、どうやって対話するのか?
そのヒント・・・・

●理解や共感を前提としない
 異なる宗教はどこまで行っても平行線であるかも知れない
●宗教儀礼は信仰がなくても参加できる
 儀礼に参加することで理解できなくても敬意は表せる
 「信心」ではなく「儀礼」に大きな力があるかも知れない

初めて聞く話ばかりだったので、頭の中がとっ散らかっていますが、かなり刺激されました。
面白かったです。
日頃意識していない、自分の中の信仰心、宗教観なども考えるきっかけになりました。

私がやってる宗教的行動
・お正月には鏡餅やしめ飾りをして年神様を迎える
・初詣~真言宗のお寺に行って護摩木勤行に参加して般若心経を唱えている
・初詣~近所の神社に行って、玉串をささげている
・お札をもらってきて家の中に祀っている(ぞんざいだけど)
・おみくじをひいて、それをよく読んで行動を反省したりする
・実家に帰れば仏壇に線香をあげる
・婚家の法事の時は「なむあみだんぶつ」を歌う
・旅行先で神社仏閣を訪れれば、お賽銭をあげて拝む。(外国でも)
・食事の際には「いただきます」「ごちそうさま」と手を合わす
・水にお湯はたさない
・北枕にしない
・お葬式や結婚式はどんな宗教宗派であっても儀礼に参加する
・クリスマスにはケーキ買って食べる(友達と食事するならメリークリスマスなどと挨拶する)
などなど。
ざっと思い出しただけでも、こんなに。
何教を信じてるのか名前が付けられないけど、かなりの宗教心を持ってると思われますよね。

主催者のブログ
第3回 釈徹宗「初心者のための宗教学講座」開講!

ご興味ある方、音声が販売されています。
http://www.radiodays.jp/item/show/201741