
「シンプソンズ・イン・ザ・ストランド」
というのは、ロンドンにあるレストランの名前です。
ホームズ物語に登場し、時にワトスン博士と連れ立って食事をする場面などが描かれています。
具体的に出てくるのは「高名の依頼人」と「瀕死の探偵」。
2回出てきたことから、これは絶対にホームズ行きつけのレストランだったに違いないと言うことで、パスティシュや映像化作品には頻繁に登場するようです。
原文はこちら↓
「高名の依頼人」
It was not possible for me to follow the immediate steps taken by my friend, for I had some pressing professional business of my own, but I met him by appointment that evening at Simpson’s, where, sitting at a small table in the front window and looking down at the rushing stream of life in the Strand, he told me something of what had passed.
意訳:私も自分の仕事の都合があったので、友人にすぐさま同行することは無理だったが、彼にはその夜シンプソンズで会い、そこの正面の窓際の小さな席に座り、ストランド通りを人々が忙しく行きかうのを見下ろした。そして彼何が起ったのかを話してくれた。
「瀕死の探偵」
Thank you, Watson, you must help me on with my coat. When we have finished at the police-station I think that something nutritious at Simpson’s would not be out of place.
意訳:ありがとう、ワトスン君。コートを着るのを手伝ってくれたまえ。警察で用を済ませたら、シンプソンズでなにか滋養のあるものを食べるのも悪くないと思うね。
ホームズ物語を読んでいるときには、「お話に出てくる店の名前」にすぎず、実在するかどうかなんてことは特に気にも留めてませんでした。
ですが、ちょうど一年ほど前、「21世紀探偵」のナツミさんが以前このシンプソンズで食事をなさったという話がブログ記事にあって、びっくり!
なんと実在のレストランで、しかも今も営業しているとは!
それで、今回のロンドン行きでは「シンプソン料理店」で食事をするというのが優先順位のかなり上位に位置するようになりました。
Simpson's-in-the-Strand
100 Strand
London WC2R 0EW
+44 (0)20 7836 9112
http://www.simpsonsinthestrand.co.uk/
いわゆる「レストラン」なので、一人で行くのも味気ない。
ココの店だけは是非連れがほしい!
と思い、友人に頼み込んで都合を合わせてもらいました。
成田でもらったJCBのクーポンブックをぱらぱら見てたら、この店が載ってました。どうやら、ホームズファンだけでなく、一般の観光客にもおすすめの店だったようです(JCBさんはクライテリオンも推薦してました!イチオシだったようです)
街歩きの途中、JCBデスクのあるロンドン三越の前を通ったので、そうだ寄ってこ!(海外のJCBデスクに行くとキャンペーンの申し込みが出来たり、ちょっといいことあります)と覗いてみました。
ロンドン三越は移転なのか廃業なのかは分かりませんが、閉店セールの終盤で陳列棚には商品がほとんどなく、閑散としてました。
JCBデスクでシンプソンズの予約を入れてもらい、お土産のお菓子までいただきました。JCBカードで払うとグラスシャンパンサービスなのだとか。
わ~い。
そして当日。
ストランド通りはにぎやかで、男っぽい(紳士っぽい)雰囲気の町でした。シンプソンズはサヴォイホテルの隣にあり、ホテルのレストランの扱いのようです。

入り口。クラシック!
入っていくと友人は先に着いていて、ロビーで待っててくれました。
受付で名前を言い、奥に通されます。

メニュー。
メニューを持ってきてくれた女性スタッフから「前にもいらしたことありますか?」と聞かれたので、「初めてです。シャーロックホームズが好きで、ココに来るのが夢だったんです」っていうと「それなら食事が終わったら2階を見ていってください。コナンドイルが@ぴgぷあhsだp@s」って言う話でした。
後半聞き取れなかったけど、友人が聞いてるだろう~と思ったのですが、友人は聞いてくれてませんでした(笑)
まいいや、2階に行ってみればわかるでしょ。

ランチメニュー(クリックで拡大)
グランドメニューより選択肢が減りますが、少しお得です。

ホール。
ここはきっとホームズの時代と変わっていないと思います。
歴史を感じる素敵な空間でした。

ローストビーフは、テーブルまで肉の塊ごと運んでその場で切ってくれます。焼き加減も好みを聞いてくれます。

ローストビーフ。
ヨークシャプディング。
でっかい。
初めて食べました。ナカナカ美味しかったです。
ローストビーフは、かなりいいお肉と思われ、こちらも美味しかった。付け合せはキャベツとかジャガイモとか。茹でただけ、焼いただけのあっさり味。

友人のオーダーした、魚料理。
ロブスターソースが濃厚でかなり美味しかった模様。

デザート。白黒チョコムースのバッテンバーク。

デザート。ソルベ。上にほうずき。

食後会計のあと2Fに上がりました。
いくつかの個室と、バーがありました。
バーのスタッフに「シャーロックホームズ関係の何かがあるって下で聞いたんですけど・・・」とたずねてみるも、何も知らない模様。でも自由に見学していいですよと言う話になりました。

2F。この壁がピンクなのは最近塗りなおしたからだとか。
ホームズの時代は別の内装だったと思われます。
この窓辺の席でストランド通りを眺めながらホームズ&ワトスンが食事してたのかな?
でもよくわからずに、なんとなく2階を見物しました。

資料。
一階に下りて記念写真を撮ってもらってるところに、2階のバーのスタッフが下りてきて手渡してくれた資料です。
メニューやお店の沿革などが書かれていました。
いいスタッフさんですね。

重厚な扉。

レシート公開!
サービスでグラスシャンパンがついたので、ランチだったのでそれ以上のお酒はいただきませんでしたが、食事だけでも二人で1万円以上かかっています。
消費税20%、サービス料12%....

資料の中。
コナンドイルの名があります。
...several novelosts now chose to immortalise the reataurant intheir writting...
E.M.Forster(Howard's End,1910),P.G.Wodehouse(...Fresh,1915),Authur Conan Doyle...
immortaliseってどういう意味かな?
調べたら「永遠に有名にする」という意味だそうです。
ホームページのHISTORYには「有名なゲスト」」としてホームズの名前が挙がっています。
Famous guests include Vincent Van Gogh, Charles Dickens, Sherlock Holmes, George Bernard Shaw, Benjamin Disraeli and William Gladstone.
雰囲気もよかったし、食事も美味しかったし。
またゆっくり夜にもゆっくり来てみたいと思いました。
他のメニューも試してみたい。
現場からのレポート時のシンプソンズの記事
「ターナーとシンプソンズ」