新しいパソコンでMicrosoft 365アプリを復活させる方法
──買い替えても、もう一度お金を払う必要はないかもしれません。
導入
「オフィスはもういらん。ワードもエクセルも使わんけん」
父はそう言い切ったんです。(熊本弁で「WordもExcelももう使わないよ」という意味です)
「ほんとに?契約してない?お金払ってない?」
そう確認した私に、
「払っとらんて。いらんもん」と、やれやれ顔。
ところが──。
念のためメールを調べてみたら、1年前に“2年間有効のOfficeライセンス”を買っていました。
やってるやん、父。
せっかくお金を払っているのに、新しいパソコンで使えないのはもったいない。
調べてみると、Microsoftアカウントを使えば以前のライセンスを引き継げることが分かりました。
今回はそのときに学んだ、「買い替え後のパソコンでMicrosoft 365アプリを復活させる手順」をまとめます。
まず知っておきたい「2025年の変更点」
2025年現在、マイクロソフトの公式名称はすべて 「Microsoft 365」 に統一されています。
日本語サイトでも「Office」という表記はほとんど消え、アプリ名も「Microsoft 365 アプリ」として案内されています。
この記事では、旧称「Office」と合わせて説明しますが、実際の画面上では 「Microsoft 365」 と表示されることを覚えておきましょう。
なぜ新しいPCでもMicrosoft 365アプリを使えるの?
理由は、Microsoft 365が「プロダクトキー」ではなく Microsoftアカウントに紐づいているからです。
そのアカウントでログインすれば、新しいPCでもすぐに使える仕組みになっています。
つまり──
- ✅ プロダクトキーを探し回らなくていい
- ✅ 二重払いを避けられる
という時代になったのです。
ただし、どのアカウントで購入したか分からない人も多い。
特に親世代では、ここでつまずくことがほとんどです。
Microsoftアカウントとは?
Microsoftアカウントとは、マイクロソフト製品を使うための“共通の鍵”。
Windowsのログイン、OneDrive、Outlook、Word、Excel──
すべてこのアカウントにひもづいています。
よく使われるメール形式は次の通りです。
- 〇〇〇@outlook.com
- 〇〇〇@hotmail.com
- またはWindowsにログインしているメールアドレス
「アカウントなんか作っとらん!」という親御さんも、
実際は量販店の初期設定時に作っているケースが多いんです。
アカウントが複数あるケースに注意!
パソコンの買い替えごとに新しいアカウントを作ってしまうことがあります。
すると、ライセンス情報が別のアカウントに残ったままになり、
「ライセンスが見つかりません」と表示される原因に。
最初に確認すべきは「どのアカウントで購入したか」。
メールの受信履歴をたどって、
「Microsoft 365 のご購入ありがとうございます」などの件名を探しましょう。
その宛先メールが、正しいアカウントです。
準備編|インストール前に確認しておくこと
① 購入メールを探す
検索キーワードは「Microsoft」「Office」「請求」「Invoice」。
レシートやライセンスカードも手がかりになります。
差出人の例:Microsoft Account Team/Microsoft Billing/office@microsoft.com
② パスワードを思い出せなくても慌てない
Microsoftアカウントには再設定機能があります。
- 「パスワードを忘れた場合」をクリック
- 確認コードをSMSまたは別メールで受け取る
- 新しいパスワードを設定する
古い携帯宛てに送られることもあるので、
届く先を親御さんと一緒に確認しながら進めましょう。
③ Wi-Fi接続を確認
Microsoft 365のインストールにはネット接続が必要です。
不安定なWi-Fiだと途中で止まることがあるため、
安定した通信環境で実施しましょう。
【最重要】あなたのMicrosoft 365はどのタイプ?
永続ライセンス版(Office 2021/2019など)
2025年現在、同一アカウントであれば再インストール可能に仕様が緩和されました。
古いPCでサインアウトしなくても、新しいPCで再認証すれば使えます。
サブスクリプション版(Microsoft 365 Personal/Family)
複数台での利用が可能(Personalは1人で複数台、Familyは最大6人)。
古いPCを処分する場合は、アカウント画面からデバイスを削除しておくと安心です。
実際の手順|新しいパソコンにインストールする
ステップ1.Microsoftアカウントでサインイン
- account.microsoft.com/services にアクセス
- 購入時のメールアドレスでサインイン
- 利用中の製品が表示されればライセンス有効
※2025年以降、「My Account」リンクは廃止され、
このURLから直接アクセスする方式に変わりました。
ステップ2.インストールを実行する
ページ内の「インストール」ボタンをクリックします。
ダウンロードされるファイル名は現在、
「OfficeSetup.exe」または「Microsoft365AppsSetup.exe」 と表示されます。
実行するとインストーラーが起動し、
途中で「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されたら「はい」をクリック。
ここで止まる方が多いので、落ち着いて進めましょう。
ステップ3.ライセンスを有効化
WordやExcelを起動すると「サインインしてライセンスを有効化」と表示されます。
同じアカウントでログインすれば、自動で認証されます。
新しいパソコンで「前のデータ」を開くには?
ライセンスを復活させても、
父が作った「俳句の会のお知らせ」などのデータがなければ意味がありません。
ライセンス移行と同時に、データ移行も終わらせましょう。
① OneDriveを使っていたか確認する
Microsoftアカウントを持つ人は、知らずにOneDriveへ保存していることがあります。
確認方法:
古いPCのWordやExcelで「ファイル → 開く」をクリック。
「OneDrive」にファイルがあれば、自動同期中です。
対処法:
新しいPCで同じMicrosoftアカウントでサインインすれば、
WordやExcelから自動的に開けます。
② ローカル保存だった場合
OneDriveを使っていない場合は、手動でコピーします。
- 古いPCにUSBメモリを挿す
- 「ドキュメント」や「デスクトップ」フォルダを開く
- 必要なファイルをUSBにコピー
- 新しいPCに接続し、同じ場所に貼り付け
【応用編】Outlookを使っていた場合
2025年現在、Outlook 2021以降は「アカウントベース同期(Exchange)」が主流です。
この場合、メールや連絡先は自動的に同期されるため、PSTファイルの移動は不要。
ただし、POP設定を使っていた場合のみPSTファイルを移行する必要があります。
古いPCでエクスポート:
- 「ファイル → 開く/エクスポート → インポート/エクスポート」
- 「ファイルにエクスポート」→「Outlookデータファイル(.pst)」を選択
- USBに保存
新しいPCでインポート:
同じメニューから「他のプログラムまたはファイルからのインポート」を選び、保存したPSTを読み込みます。
これで過去のメールや予定表も戻せます。
「あのメール、残ってた!」とほっとする瞬間です。
よくあるトラブルと対処法
「オフィスなんか買っとらん!」問題
多くは「買ったけど忘れている」だけ。
購入メールやレシートを見せて、「あと1年残ってるよ」と伝えましょう。
パスワードが分からない問題
焦らせず、「ゆっくりでいいよ」と声をかけながら進めましょう。
一緒にコードを読み上げるだけでも安心感が違います。
ライセンス上限に達する
Microsoft 365では利用できるPC台数に上限があります。
古いPCを処分した場合は、account.microsoft.com/services の「デバイス」から削除して空きを作ります。
終わったら必ずメモを残そう
書いておくのはこの4つ。
- Microsoftアカウントのメールアドレス
- パスワード
- 確認コードの届く連絡先
- ライセンス有効期限
このメモが“次の安心”になります。
「前のノートの3ページ目見て」で済む、そんな準備が大切です。
まとめ|“Microsoft 365を復活させる”とは、慣れた道具と安心を取り戻すこと
やることは4つ。
- どのMicrosoftアカウントで買ったかを特定する
- 【NEW】古いPCから必要なデータをUSBやOneDriveで移す
- そのアカウントで account.microsoft.com/services にサインインして「インストール」する
- 初回起動でライセンス認証を完了する
そして、最後にメモを残す。
「データ移行」と「ライセンス認証」──
この2つをセットでやってこそ、本当の“引き継ぎ”になる気がします。
※補足:Microsoftは2026年以降、「Office」という名称を完全廃止予定です。
今後はすべて「Microsoft 365」に一本化される見込みです。

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