母が戸惑った「スマホ乗り換え」の実体験
私の母は十数年、auで携帯電話を契約していました。長らくガラケーを使っていましたが、数年前にようやくスマホへ機種変更。端末はシャープのAQUOS senseでした。
スマホに不慣れな母は、操作で困るたびに近所のauショップへ行き、使い方を丁寧に教えてもらっていたようです。ショップの方々も親切で、まさに「頼れる相談窓口」でした。
YOKO高齢者にとって親切な窓口の存在はありがたいですよね!
ところがある日、父の希望で家の回線をJ:COMに変更。ケーブルテレビのチャンネルを見た買ったみたいです。ケーブルテレビとまとめると安くなるということで、モバイル回線もJ:COMへ切り替えることに。ここから、母の混乱が始まりました。
ある日、スマホの使い方がわからず、いつものようにauショップへ行った母。けれど、担当の方から「もうこちらでは対応できません」と言われたそうです。



申し訳ありませんが、お客様はもう私どものサービスをご利用ではありませんので…。
「スマホは同じAQUOS senseだし、番号も変わってない。何が違うの?」と母。メールも以前のauのEメールを使おうとして、「送れない」「受け取れない」と戸惑っていました。



なんで?同じスマホなのに?
「なんで?同じスマホなのに?」と首をかしげる母に、私は説明しました。
「お母さん、それはね、もうauにお金を払っていないからだよ。」



たしかに、端末はauで買ったんですもんね。混乱するのも無理ないです。
スマホの「端末」と「回線」は別もの
端末=スマホという「モノ」
スマホ本体(AQUOS senseなど)はあくまで「モノ」。家電量販店やキャリアショップで購入できます。製造するのはシャープやSONYなどのメーカーです。
回線=通信会社との「契約」
一方、通信会社(au・J:COMなど)は「通信サービスを提供する相手」。スマホの中にあるSIMカードを通じてインターネットや電話を利用できるようになります。スマホ本体と通信契約は別物なんです。



たとえば「スマホ本体=家」「回線=電気契約」と考えるとわかりやすいですね。同じ家でも、電力会社を変えたらサポート先が変わるのと似ています!
ナンバーポータビリティ(MNP)とは?
ナンバーポータビリティ(MNP)は、今の電話番号を新しい通信会社に引き継げる仕組みです。番号は同じでも、通信会社はまったく別になるため、「見た目は同じ・中身は別契約」状態になります。
母のように「番号が同じだから、同じ契約」と思ってしまうのは自然なこと。だからこそ、契約変更のときには「サポートを受ける場所も変わる」ことを一緒に確認しておくのが大切です。
キャリアメールも持ち運べる時代に
ちなみに、auの「@ezweb.ne.jp」や「@au.com」などのメールアドレスも、有料(月330円程度)で持ち運びが可能です。
「auメール持ち運びサービス」に登録すれば、J:COMなど他社に乗り換えても、同じメールを使い続けることができます。



母にもこのサービスを紹介しておけばよかったかも…。メールが変わらないだけで、混乱はずいぶん減ると思います。
サポートが受けられない“空白地帯”に注意
母の場合、AQUOS senseをauで購入し、長くサポートも受けていました。auとしても、高齢者は良いお得意さまだったのでしょう。操作も丁寧に教えてくれていたようです。
ところが、端末の支払いが終わり、回線契約も解約となると、auショップはサポート対象外になります。かといって、J:COMに相談しても「その端末はこちらの販売品ではないので…」と扱いが難しい。



この、どこにも頼れない空白地帯、本当に困るんですよね。結果、家族が出張るしかなくなります。
ただし、J:COMでは端末操作以外のサポート、たとえば「スマホの設定方法」や「回線接続トラブル」については電話やチャットで相談可能です。サポート内容をうまく使い分ければ、ある程度の安心は確保できます。
- 端末(AQUOSなど):メーカー(シャープ)または購入元(au)に相談
- 回線や通信設定:J:COMのサポートへ相談可能
サポートの「分担」を理解しておくことが、高齢者サポートの第一歩です。
SIMロックにも注意!
乗り換え時に見落としがちなのが、SIMロックです。古い端末では、購入したキャリア(auなど)以外のSIMカードを使えない場合があります。
J:COMなど他社回線で使うには、SIMロック解除の手続きが必要です。auの「My au」や店舗で無料で解除できます。解除を忘れると、新しいSIMを挿しても「圏外」になってしまうことがあるので要注意です。
母のスマホもSIMロック解除済みだったので、J:COMでも問題なく使えました。ここは事前チェックが大事ですね。
家族ができるサポートのコツ
- 契約変更前に「どこに相談できるか」を一緒に確認しておく
- メールアドレスやIDの引き継ぎをリスト化
- スマホの背面やケースに「今の契約先」をメモしておくのも◎



母のように“番号が同じ=同じ契約”と思い込む方、本当に多いです。家族が橋渡し役になるのがいちばんのサポートですね。
まとめ|スマホ契約は「人と契約の関係」を理解することから
スマホは見た目が同じでも、回線を変えれば契約も変わり、サポート先も変わります。高齢者にとってそれは“見えない変化”なので、戸惑うのは当然です。
母のようなケースを通して感じたのは、「契約はモノではなく、人との関係」。安心してスマホを使い続けるには、契約だけでなく“相談できる相手”を確保することが何より大事だと思います。



サポートを切らさない工夫、家族で話し合っておくと安心ですね。

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