【父とスマホの時間】『スマホには神様がおる』80代の父にGPSを説明するために使った魔法の言葉

「実家のデジサポ」ブログのアイキャッチ画像。80代の父と20代の孫が一緒にスマートフォンを覗き込み、Googleマップの音声案内について学んでいる温かなイラスト。画像内には「スマホには神様がおる」「父とスマホの時間」といったテキストが含まれている。

こないだ◯◯がスマホで道案内しよったばい。あれはお父さんのでもできるとね?

※◯◯というのは私の弟の名前です。

帰省中、父が遠慮がちに聞いてきたとき、私は「カーナビ代わりにしたいのかな?」と思いました。
でも、80代の運転は心配。そこで今回は、スマホを「車のナビ」ではなく、歩くのが楽しくなる「街歩きの相棒」として提案することにしました。

題して、父の「スマホで大冒険」計画です。

目次

【あるある炸裂】「まずは住所を言わないと!」自宅で迷子になる80歳の父

待ち受け画面からGoogleマップを起動し、検索窓のマイクボタンをタップして目的地を音声入力するまでの4ステップを解説した横長の図解イラスト。熊本の地図を背景に、初心者にも分かりやすい指のアイコンと日本語の説明が付いている。
文字入力の壁をなくす「魔法のボタン」。マイクをポンと押して話しかけるだけで、父の「大冒険」の扉が開きます。

まずは基本の「音声入力」から練習開始です。
Googleマップの検索窓にあるマイクボタンを押して、行きたい場所を言うだけ。簡単、なはずでした。

まずはGoogleマップのアイコンを覚えるところから。Googleのアイコンは、Googleマップ、Chrome、Googleフォト全部色合いが一緒で似ているので判別させるのが第一歩です。

「ここに「マップ」と書いてあるとが地図たいね」と納得したところで、第一段階をクリア。

私:「お父さん、ここのマイクを押して行きたい場所ば言うてみて」

父:(ポチッ)「……熊本市〇〇区〇〇町……(自宅の住所)」

私:「いや、そこ今おるところたい! 行きたい場所ば言うて!」

父:「だけん、ここから出発するって教えんと、機械もどっちに行ってよかか分からんとだろが」

父、めちゃくちゃ論理的(笑)。

木製テーブルの上に置かれた最新のスマホと、自宅の住所が書かれた手書きのメモ。柔らかな色鉛筆画風
「まずは名乗らないと失礼だろう」という、父の律儀な気遣いが詰まった手書きメモ。

私たち世代は「スマホは私がどこにいるか知っている(GPS)」という前提で動いていますが、父にしてみれば「まずは名乗って、居場所を伝えないと失礼だろう」という律儀な気遣いがあったようです。

結局、自宅にいるのに自宅の住所を連呼する父。

Googleマップも「……?」と沈黙。これではいつまで経っても家から出られません。

魔法の合言葉は「スマホには神様がおる」

豊かな緑に囲まれた神社の鳥居をくぐり、一人で歩いていく80代男性の後ろ姿。安心感のある水彩画風
「スマホには神様がおる」。見守られている安心感が、新しい場所へ踏み出す勇気に。

そこで私は教え方を変えました。

「お父さん、スマホには小さな神様がおって、お父さんがどこにおるかはずーっと見守っとるとよ。だけん、自分の住所は言わんでよか。『〇〇神社』とか『コンビニ』とか、目的地だけお願いしてみて」

そう伝えると、父は「ほう、そぎゃんね」と納得した様子。
ようやく父のGoogleマップが、外の世界へと動き出しました。

カーナビを使いこなしていたときはGPSの感覚もちゃんとあったんですけど、スマホになると感覚が違うみたいですね。

「見ないで歩く」が鉄則!高齢者が安全にスマホナビを使う3つの工夫

街歩きとはいえ、スマホを凝視して歩く「歩きスマホ」は転倒の元。
絶対厳禁です。
我が家では以下のルールを決めました。

1. 画面は見ない、音声を聞く

基本はポケットやカバンに入れて、音声案内だけを頼りにします。音量は少し大きめに設定。

2. 迷ったら立ち止まって確認

道が分からなくなったら、必ず道の端で止まってから画面を見る。

3. ライブビュー(ARナビ)を活用する

スマホの画面に映し出されたARナビ。実際の街並みに大きな青い矢印が浮かんでいる柔らかなイラスト
地図が苦手でも大丈夫。目の前の道に矢印が出る「魔法の杖」が父の歩みを支えます。

地図を読むのが難しくても、カメラを向ければ大きな矢印が出る機能は、父にとっての「魔法の杖」になるはずです。

「カメラをかざすと、道の上に『こっちです』って矢印が浮かび上がる機能があるとよ。まるでゲームの世界たい」

「孫と実験する」父の笑顔──スマホがくれた、新しい親子の時間

80代の祖父と20代の孫が笑顔でスマートフォンのGoogleマップを見ている、温かい水彩画風のイラスト
孫と一緒に「スマホで大冒険」の計画を立てるワクワクした時(予想図です)

「今度、孫を連れて散歩の実験をしてみる」

父は嬉しそうに言います。かつて車で日本一周した父にとって、スマホという新しい地図を手に入れた街歩きは、今の年齢なりの「新しい冒険」なのかもしれません。

親がスマホの使い方を聞いてきたとき、それは単なる機能の質問ではありません。その奥には「まだ自分の足で、新しい場所へ行ってみたい」という希望が隠れています。

たとえ自宅の住所を連呼してしまっても、その試行錯誤こそが、父の時間を輝かせる「実験」なのだと感じた帰省でした。

【父とスマホ時間】シリーズ

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