「横浜中華街歴史回廊」がローズホテル横浜ロビー2階に登場
横浜中華街といえば、点心片手に歩きまわる食い倒れの町――というイメージが強いですが、実はこの街には、知られざる深い歴史が眠っています。
その歴史の一端に触れられるのが、ローズホテル横浜のロビー2階にある「横浜中華街歴史回廊」。なんと、誰でも無料で入れる展示スペースです。
私がこの展示に出会ったのは、2024年の春。
じつはこれ、2021年に横浜ユーラシア文化館で開催されていた企画展「横浜中華街160年の軌跡」をもとにした再構成版なんです。当時「これ、中華街のどこかに常設できたらいいのに…」と強く思っていた私としては、まさに願ってもない再会でした。

展示を見て印象に残ったこと
中華街の成り立ちは、開港とともにスタートした「横浜新田」という埋立地から始まります。そして関東大震災や戦争を経て、何度も壊滅的な被害を受けながらも、住民たちの力で再生を遂げてきました。
なかでも心に残ったのは、戦時中の貴重な通行証の実物。中華街に住む人たちが、東京駅方面へ出るために通行証を持ち歩いていたという話は、当時の暮らしの息づかいが伝わってくるようでした。


知ってから歩くと、まったく違う景色に
展示されていた資料の多くは、実際に中華街の老舗店や華僑のご家庭に残されていたもの。たとえば、横浜でかつて作られていた「李ピアノ」「周ピアノ」など、貴重な文化遺産にも出会えます。

展示を見た後に中華街を歩くと、ただの観光地ではなく、“再建と共生の町”としての顔が見えてきます。私は市場通りの古写真パネルを見た後、同じ通りを歩いて、当時の賑わいを空想しながら感慨にふけりました。

2021年ので使われたパネルのようですね。

横浜華僑李兄弟が作ったピアノ。

ホテル de ミュージアム 横浜中華街 歴史回廊」【横浜ユーラシア文化館】
まとめ|中華街の「今」を支える「過去」がここにある
「横浜中華街歴史回廊」は、規模こそ小さいですが、内容は濃厚そのもの。グルメと買い物だけでは見えてこない、中華街のもうひとつのストーリーに出会えます。
無料で、冷房の効いたホテルの中で、しかも人も少なくて静か。実はとっておきの穴場スポットなんです。
旅の途中でちょっと一息つきながら、ぜひこの展示も立ち寄ってみてください。きっと、中華街の見え方が変わるはずです。
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