実家の書類が見つからない。確定申告のためにやった「捨てない整理」

実家に積み重なった年金や保険などの書類の山

どこに置いたか分からんとよ。

確定申告に必要な書類の話をした瞬間、母の顔が曇りました。

探しているのは、今年の源泉徴収票。
いるのは、去年の医療費の領収書。

でも出てくるのは――

三年前の保険料通知。
十年前の年金改定のお知らせ。
途中まで解いたクロスワード。

探しても探しても、いま必要な紙だけが出てこない。

「実家のデジサポ」と名乗っておきながら、今回はまったくデジタルじゃない話です。

なぜか?
それは、書類が見つからなかったからです。
どれだけ便利なデジタルツールを用意しても、保険証券が出てこなければ、スマホに読み込むことすらできない。デジタル化の前にやるべきこと。それが「アナログの抽出」でした。
実家のデジサポ0歩目です。

高齢の親の家では
書類が見つからない問題は本当によく起きます。
今回は、実家に散らばった書類の山から、確定申告に関係する公的書類だけを抽出した話です。親の機嫌を損ねずに整理するコツも書いています。
※ 実際の申告の流れは別記事でまとめています。

目次

高齢の家は「通知書の地層」が形成されている…

実家の押入れに積み重なった公的書類や郵便物の山(個人情報部分は加工済み)
押入れの一角。年金通知も広告もレシートも、全部が同じ重みで積み上がっていました。

押入れだけではありませんでした。

テレビ台の下。
電話台の棚。
こたつの上。
母の部屋の引き出し。

家のあちこちに、小さな山。

年金関係の封筒の横に、
スーパーのレシート。
宅急便の不在票。
ダイレクトメール。
広告の裏の走り書き。
外貨預金の書類も混ざっていました。

新聞の日曜版のクロスワードも、途中まで解かれて何年分も。

秩序はありません。

「そのときは必要だったもの」がただ、積み重なっている。これはだらしなさではなく、判断を先送りにした歴史とも言えますね。
そして今、必要な一枚を探すためにその歴史と向き合うことになっています。

整理ではなく「抽出」 思い出には触れない。

全部を片付ける時間はありません。
目的は確定申告。
だから今回は、思い出も、メモも、パズルも触らりません。 親の聖域を侵さず、公的書類だけを「救出」する。 これが、親の機嫌を損ねずにミッションを完遂する唯一のルールです。

対象は公的書類だけ

年金
健康保険
介護保険
固定資産税
車両税
火災保険
生命保険
医療費

家のあちこちから見つけたら、一か所へ集めます。
それ以外は母の山に戻す。これを繰り返していきます。

整理ではなく「抽出

これが、時間的にも親の気持ち的にも、作業が前進するコツでした。

実際に分けた基準(かなりシビアです)

今回は、情け容赦なく分けました。

■ 医療費

医療費関係にはさまざまな書類がありました。
各病院や薬局の領収書・診療明細、おくすり説明書、それから医療費のお知らせ。
これらは医療費控除に必要な去年分と今年分だけ残す。
それ以前はすべて処分。
(遡って医療費控除をする予定はありませんので)

■ 年金

毎年、年金額決定のお知らせというのが送られてきますが、これはすべて処分。
去年の源泉徴収票と今年届いた最新書類だけ残す。
過去の改定通知は処分でOK。

■ 保険

契約書本体は残す。
毎年届く「契約内容のお知らせ」は最新のみ残す。

■ クレジットカード明細

すべて処分。
引き落としされたら金額は通帳に記載されますし、内訳を今さら見ても仕方ありません。

■ 銀行・外貨預金

外貨預金の為替の計算書などがいくつか見つかりましたが、去年分だけ残して、過去の通知は処分。

■ 固定資産税・車両税・火災保険

最新のものだけ残す。
火災保険なんかは新築当時の15年分の領収書なども出てきました。びっくり。
最新のものだけで大丈夫です。

以上、たくさんの書類がありましたが、基準は一つ。「今を証明できるかどうか」それだけです。
これは自分の書類を整理するときにも適用したい基準です。
書類って油断すると増えていきますからね(自戒を込めて)。

親の「全部取っておきたい」の正体

母は言います。

「何かあったら困るけん。取っておいた方がよかろ?」

捨てられない理由は、「不安」です。
制度は変わるし、手続きは難しくなる。この先、何が必要になるか分からない。
だから全部残す。

若いころは、覚えていられたことも、年をとってくるとだんだん不安になる。
だから、紙を記憶の代わりにしたい。
それは母なりの安全策なのかもしれないですね。
それにこの年代の人たちは本当にものを大事にするから。

でも、安心だからと言って何もかも残していたら、いざというとき探せません。
だから私は、母の気持ちをなだめながら、「全部残す安心」から「どこにあるか分かる安心」へ形を変えました。

私:「これ、3年前の年金通知よ。もう使わんけん、捨てていい?」
母:「でも…何かあったら…」
私:「もし年金で何かあったら、私が役所に電話するけん。その時は新しい書類見れば済む話たい。」 母:「…そぎゃんね?(そうなの?)」

今回やったこと(まとめ)

・公的書類だけ抽出
・最新だけ残す
・置き場所を固定

全部を整えたわけではありませんが、確定申告に必要な書類は迷わず出せる状態になりました。

やってみてつくづく思いました。
実家の書類整理は単なる片付けではなく、親の安心設計

全部片付けなくちゃと思わずに、まずは目的を一つ決めて、そこだけ整える。
それだけで、未来の混乱はかなり減ります。

仕組みを作ろうとして、時間が足りなかった

今回、公的書類は一か所に集まりました。でも当然、私が横浜に戻ったあとも、年金の通知は届きます。保険の案内も来ます。税金の書類も届きます。

問題はここです。整理は一度きりではない。放っておけば、また地層はできる。

帰る前に、私は茶の間の状差しを指して言いました。
「公的な封筒は、ここに差しておいてね。」

ここなら分かりやすいし、新聞とは混ざらないだろう。
最善策を考えたつもりでした。

でもその状差しはなんだか様子が変でした。
なぜか大量のS字フックが取り付けられ、バッグ掛けのようになっている。
もはや状差しではなかった。

私は固まりました。

「え?ここ書類入れる場所だったよね?」

状差しは完全にバッグ収納システムに改造されていました。
わずかに差さっていた書類は、もう色が飴色に変わっていました。これはダメだ。

片付けは一日では終わらず、仕組みづくりは、さらに時間がかかる。
結局、書類の場所は決めきれないまま、私は横浜に戻りました。

書類の抽出はできた。でも、流れを止める仕組みはまだ完成していません。次の帰省まで持ち越し。
実家の整理って帰省で完了するわけではなく、連載なんですよね。

ちょっと泣きたくなるけど、それが現実です。

次回の帰省時には、親の生活を壊さずに『仕組み』を作り直す具体的な工夫をして、レポートしたいと思います。

よくある質問(FAQ)

同じように悩んでいる方から、よく聞かれる質問をまとめました。

高齢の親の書類は何年分残せばいいですか?

基本は「最新+必要期間」だけで十分です。
今回の我が家の基準はこうでした。

・医療費は去年と今年分のみ
・年金は最新の源泉徴収票のみ
・保険は契約書本体+最新通知のみ
・税金関係は最新のみ

過去の改定通知や古いお知らせは、ほとんど使う場面がありません。

「全部残す」より、「今を証明できる書類だけ残す」
この基準のほうが実用的です。

親が捨てることを嫌がる場合はどうすればいい?

全部を一度に変えようとしないこと。
今回私がやったのは、全部を整理することではなく、目的(確定申告)限定の抽出でした。

確定申告という目的があったから、公的書類だけを選び出せました。
思い出やメモ、広告の裏紙には触れない。親の安心を壊さず、必要な部分だけ整える。

これが現実的なやり方でした。

帰省後にまた書類が増えてしまう場合は?

正直に言うと、増えます。

一度整えても、年金通知も保険の案内も毎年届きます。大事なのは完璧に止めることではなく、置き場所を一つに固定すること。

我が家はまだ完成していません。場所が決まらず、次回帰省まで持ち越しです。整理は一度で終わる作業ではなく、年に数回のメンテナンス。

そう考えると、気持ちは少し楽になります。

▶ 親の確定申告を3泊4日でやり切った話

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次