YOKOお父さん、パソコンの画面に置いといたメモ、見てくれた?



見たよ。ばってん、邪魔だったけん消した。大事なものだったと?
「えっ、消した……?」
良かれと思って、リモートで実家のPCに「準備リスト」を置いておいたのですが、父にとっては読み終わったら捨てる「チラシ」と同じだったようです。
「親の確定申告を、限られた帰省期間中に終わらせる」というミッションは、こうしてつまずきから始まりました。
- 帰省前に親に頼むべき書類
- 子ども側が事前に整えておくこと
- 銀行予約をスムーズに取る方法
- 当日発覚では遅い!マイナンバー関連の事前チェック術
親の確定申告を子どもが手伝うときの準備リスト
この記事では、自身の苦い失敗(^^;)を踏まえて、「帰省前にこれだけはやっておくべき準備」をまとめました。実体験に基づいた「最短ルートの段取り」をご紹介します。
当日になって「あれがない!」とパニックにならないために、私が作成したチェックリストがこちらです。
1. 親に「探しておいて」と頼むもの(紙類)
- □ 公的年金等の源泉徴収票(1月末頃に届くハガキ)
- □ 医療費の領収書(マイナポータルに反映されない11〜12月分や、タクシー代、装具代)
- □ 生命保険・地震保険の控除証明書(あれば)
- □ 還付金の振込先がわかる通帳
2. 物理的に必要なツール(IT・デバイス)
- □ マイナンバーカード(現物があるか確認!)
- □ 暗証番号の控え(4桁の数字 & 6〜16桁の英数字)
- ※3回間違えると役所行き。これが一番の難所です。
- □ マイナンバー読み取り対応スマホ(またはICカードリーダー)
3. 子供がリモート・電話で済ませておくこと
- □ 自分の確定申告を先に済ませる(操作の予習・エラーの把握)
- □ 銀行の来店予約(「外貨預金の清算」など目的を伝えておく)
「これだけ準備すれば完璧。あとは当日やるだけ!」 普段、仕事でECショップの運営や社内のPC管理をしている私は、いつもの実務と同じように、万全の段取りを組んだつもりでした。
しかし、これがデジタルに慣れない親世代との「認識のズレ」を思い知らされる結果になったのです。
【失敗談】実務のプロでも予測不能。デスクトップのメモは「0.5秒」で消えた
父は最近、メールをほとんど見なくなりました。「用は電話で足りるし、開くのが面倒」だそうです。
そこで、私はひらめきました。 「父は毎日YouTubeや将棋ゲームをする。なら、PCの電源を入れた瞬間に必ず目に入る場所にリストを置けばいい!」
私はChromeリモートデスクトップで実家のPCに繋ぎ、画面のど真ん中に【準備してほしいものリスト】というメモ帳をドカンと置いておきました。
これなら絶対、嫌でも読むはず。
そう自信満々でいたのですが……電話で、衝撃の事実が判明します。
「お父さん、あのメモ見てくれた?」
「あー、なんかあったね。読んだから消したよ」
父にとって、デスクトップのメモは「保存するもの」ではなく、読み終わったら捨てる「チラシ」と同じだったのです。(そして内容は忘れてる…)
トホホです。ITサポートを長くやってきたはずなのに、この基本を、すっかり忘れていました。
そもそもなぜ親の確定申告を手伝うことになったのか?
すべての始まりは、父のちょっとした勘違いでした。
「外貨預金って、年に20万円ずつしか下ろせんと思ってたばい……」
せっかく貯めたお金を自由に使えず、途方に暮れる父。 そこで、仕事でPC管理やEC運営をバリバリこなしている(自称)実務のプロである私の出番です。
「お父さん、それは思い込み!一気に解約して、確定申告が必要なら私が全部手伝ってあげるから、私に任せときなさい!」
鼻息荒く大見得を切った、あの時の自分を今の私は小一時間問い詰めたい。


帰省1か月前から動いた理由──早めにやらないと必ず詰む
メモを置いたのは、帰省の約1か月前。
ちょっと早すぎる?
いえ、全然そんなことはありません。
親の確定申告や銀行まわりは、直前に動くと、ほぼ確実に詰みます。
私は帰省の日程がそんなに取れないし、その中で平日はわずか1日のみ。
- 書類が見つからない
- 通帳が行方不明
- 銀行が混んでいる
- 予約が取れない
どれか一つ起きただけで、帰省中に終わらなくなる。
だから私は、段取りは事前にできるだけ済ませておこう、私にしては珍しく慎重に準備をしていたのです。
確認の電話を入れてよかったです。
電話越しに父はちゃんとメモを取って準備をすると言ってくれました。
準備は無駄じゃなかった──「自分の環境」を整えるのが最優先な理由
リモート作戦は空振りでしたが、同時進行で自分の環境を整えておいたことは、のちに大きな意味を持ちました。
私が「自分のために」やっておいた4つの段取りをご紹介します。
□ マイナポータルに入れるスマホを用意した
□ 自分の確定申告を先に済ませて操作を確認した
□ 年金受給者の確定申告方法(医療費控除、為替差益の課税ルール)を調べた
□ 父の銀行窓口を事前予約した
自分の確定申告を先に済ませ、e-Taxの「最新の罠」を知る
親のサポートをする前に、まずは自分の確定申告をすべて終わらせました。
確定申告は年に一度。e-Taxの操作感やマイナポータルの連携仕様は、毎年少しずつ変わります。仕事でも「ぶっつけ本番」が一番怖いですよね。
自分の分で一度エラーを出し尽くし、操作に慣れておく。この「予習」のおかげで、実家で父の隣に座ったとき、迷わずナビゲートできる自信がつきました。
マイナポータルで詰まらないための準備
実は、これが今回一番のファインプレーでした。
私が愛用していたスマホは、なんとマイナンバーカードの読み取り(マイナポータルアプリ)に非対応。これまでは夫のスマホを借りて凌いでいましたが、帰省先に夫はいません。
「親のマイナンバーカードが手元にあるのに、自分のスマホで読み取れない……」
この最悪の事態を避けるため、思い切ってマイナンバーカード対応のスマホに新調しました。
以前の自分なら「カードリーダーを買えばいいかな」と妥協していたかもしれません。
でも、「帰省という限られた時間の中で、余計な機器を持ち歩かず、確実に、一瞬で終わらせる」。
そのための投資として、スマホ新調は正解でした。
もし親のサポートを考えているなら、「自分のスマホがマイナンバーカードを確実に読み取れるか」。これだけは今すぐ確認しておくことを強くおすすめします。
電話一本で「本人確認の壁」を突破。銀行窓口の事前予約
実家でのミッションは確定申告だけではありません。「銀行口座の整理」という大きな仕事も待っていました。
ここで立ちはだかるのが、「銀行の待ち時間」と「本人確認」の壁です。
仕事のスケジュール調整と同じで、帰省中の平日は貴重。
私は東京から事前に実家近くの銀行へ電話を入れました。
「本人は父ですが、娘の私が同席して手続きを進めたい」
正直、本人じゃないと断られるかも……と不安でしたが、結果はあっさりOK。(生年月日や口座番号は確認されました)
「家族が同席しての相談予約」は、電話一本でスムーズに取ることができました。
これをしておかないと、当日窓口で「2時間待ちです」と言われたり、「今日は担当者が不在です」と門前払いされたりして、せっかくの帰省が台無しになります。
予約時に「外貨預金の清算と、為替差損益の計算書が欲しい」と具体的に伝えておいたので、当日はスムーズに行くはずです。
今回のミッションは4つ。「銀行口座の整理」は先送りにできない
なぜ今回、あえて窓口予約までして銀行へ行くのか。それは、確定申告に必要な書類を手に入れるだけでなく、父がずっと気にしていた「口座の整理(終活)」を一気に進めるためです。
今回の銀行ミッションは、主に以下の4つです。
- 外貨の円転と為替差益の確認(※今回の確定申告に必須!)
- 外貨預金口座の解約
- 普通預金をメインバンクへ送金(集約)
- 不要な口座をすべて解約
銀行の手続きは、年齢を重ねるほど、そして判断力が少しでも衰えるほど、本人確認のハードルが劇的に上がります。「後回しにすればするほど、手続きは困難になる」。これは、50代遠隔娘である私の、切実な危機感でもありました。
窓口予約の際に、あらかじめ「これらをすべてやりたい」と伝えておいたことで、当日の「話が通じない」というストレスを最小限に抑える準備が整いました。
帰省の時間をどう使うか──「片付けたい子」と「遊びたい親」の温度差



お父さんは、あんたが帰ってきたら、どこに連れて行こうかねぇって楽しみにしとらすよ(笑)。
こうして万全の段取りを整えて、あとは帰省の日を待つばかり。
ですが、電話で進捗を確認するたびに、私はある「違和感」を感じていました。
私の頭の中は、確定申告の必要書類、銀行の予約時間、e-Taxの手順……といった「タスク」でいっぱいです。電話をかけるたびに「あれ探した?」「予約は○時だからね」と、まるで現場監督のように指示を出してしまいます。
一方の両親からは、せっかく娘が帰るのだから、あちこち出かけて遊びたい。娘と楽しい時間を過ごしたい。というのが伝わってきます。
……見ている「時間の価値」が、親子で決定的に違うのです。
私が「段取り」に執着してるのは、実はこの「親との温度差」に負けないため。
実家で「あれがない、これがない」と探し物をしているうちに、親から「もうよかろ〜、うまかもんば食べに行こう」と誘惑されたら、私の決意はあっさり崩れてしまいます。
せっかく帰るなら、親の要望にも応えたい。でも、やるべきことも終わらせたい。その「板挟み」のストレスを最小限にするために、帰省前にできる限りのディフェンスを固めている……というのが本音かもしれません。
次の帰省は3泊4日。 同僚に仕事をお願いして確保した貴重な時間です。 この段取りがどれだけ通用するのか、あるいは親の「お出かけしたいパワー」に押し切られるのか(笑)。
波乱の「帰省本番編」は、次回の記事でご報告します!
親の確定申告サポート|よくあるQ&A
- 子供が代理で確定申告書を作っても法的に大丈夫?
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はい、大丈夫です。ただし、申告書はあくまで「親本人」の名前で作成します。e-Taxを利用する場合も、親の利用者識別番号(またはマイナンバーカード)を使用するのが基本です。
- 親がマイナンバーカードを持っていない場合は?
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今回ご紹介したe-Taxでの電子申告はできません。その場合は「紙」の申告書を作成し、郵送するか税務署へ持参することになります。帰省前に「カードの現物」があるか必ず確認してください。
- 銀行の窓口予約、本当に子供が勝手にしていいの?
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予約自体は問題ありません。ただし、当日の手続きには「本人の同席」と「本人確認書類(免許証など)」が必須です。電話時に「高齢の父の付き添いで伺いたい」と伝えておくと、案内がスムーズになります。
- 領収書が足りない!後から追加できる?
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確定申告の期間内であれば、修正は比較的簡単です。 実は私も去年、申告後に漏れを見つけて修正したのですが、e-Taxで「訂正申告」として上書きするようなイメージでスムーズに終わりました。 「一発勝負で完璧にやらなきゃ!」と気負いすぎない方が親との作業も気が楽になりますよ。(ただし、修正時にはマイナンバーカードが必要です)
- 「マイナンバーカード読み取り対応スマホ」って、自分のスマホがそうか調べる方法は?
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ざっくりとした目安は「おサイフケータイ(FeliCa)」が使える機種かどうかです。比較的新しいスマホであれば対応していますが、一部の海外製スマホや古い機種では読み取れないこともあります。 帰省してから「自分のスマホで読み取れなかった!」と判明すると、一気に詰みます。事前に必ず公式サイトで自分の機種名があるかチェックしておくことを強くおすすめします。
公的個人認証サービスポータルサイトの「マイナンバーカード対応 NFCスマートフォン一覧」で確認できます。
【追記】現実は甘くない……「段取り8割」でも防げなかったこと
ここまで「完璧な段取り」について書いてきましたが……ここで、帰省直前のリアルな実況中継をさせてください。現実は、そんなに甘くありませんでした(笑)。
事前に電話で「書類は揃った?」と確認したところ、実家では今、こんなことが起きています。
母のマイナンバーカードのパスワードは、絶賛行方不明中。
「あったぞ!」と父が持ってきた源泉徴収票は、去年のものだった。
郵便で届いているはずなのに、届いていないの一点張り。最終的に「税務署に文句を言いに行く!」と鼻息を荒くする父。……お父さん、文句を言いに行くんじゃなくて、再発行のお願いだけにして(苦笑)
でも、だからこそ声を大にして言いたい。
「早めに動いて、本当に良かった」と。
これが帰省当日、銀行の予約時間の直前に発覚していたら……と思うと、今ごろ冷や汗が止まらなかったはずです。
書類が見つからない。パスワードを忘れた。親が暴走する(笑)。 これらすべてをひっくるめての「親のサポート」なんですね。きれいごとでは済みません。でも、失敗ごと記録していこうと思います。
波乱含みの幕開けですが、この「カオスな現状」を抱えて、いよいよ実家へ乗り込んできます!

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