熊本で暮らす85歳の父から、「パソコンがつかなくなった」と連絡がありました。
私は横浜。すぐに実家へ行ける距離ではないので、まずは電話で、電気が来ているかどうかを確認するところから始めました。

父パソコンがつかんごとなった。壊れたかな?
まずは電話で、電源の確認から
最初に父に見てもらったのは、電源ボタンのランプがついているかどうか。そもそも電気が来ていないのか、それとも電源は入っているのに映らないのかを、確かめたかったのです。
父の話では、モニターの下にあるパソコン本体で、青と赤のランプが点滅しているとのことでした。
何かエラーでも起きているのかな、と気になります。ただ、このランプだけで原因が分かったわけではありません。
まずはモニターの電源を一度切って、もう一度入れてもらいました。それでも、画面は真っ暗なまま。
次に、本体の電源ボタンを長押しして、一度電源を落としてもらいました。しばらく待ってから、もう一度起動。それでも、モニターには何も映りませんでした。
電話でできることを試しても、状況は変わらず。そこで今度は、離れた場所から実家のパソコンを操作できる「Chromeリモートデスクトップ」で、つないでみることにしました。
すると、つながりました。父の目の前のモニターは真っ暗なのに、こちらからは画面が見えます。操作もできました。
あれ? パソコン、動いている。
でも、こちらに映った画面は、いつもと様子が違いました。アイコンがやけに大きいのです。
「つかない」のは、本体? それとも画面?
父にとっては、目の前の画面が真っ暗なら「パソコンがつかない」。でも、こちらからは操作ができています。
どうやら本体は動いていて、父のモニターにだけ画面が映っていないようでした。
表示の設定を見てみると、解像度は640×480。画面を表示する範囲がずいぶん小さくなっていて、変更もできません。大きなアイコンは、そのせいのようです。


ここからはChatGPTにも相談しながら、状態を一つずつ確認しました。
パソコンにつながっている機器の一覧を見ると、映像を表示するための機能は「正常」。なのに、肝心の「モニター」の項目がありません。
接続された機器を探し直しても、モニターを検出しても、変わらず。遠隔操作でもWindowsを再起動してみましたが、画面は戻りませんでした。
父によると、モニターの電源ランプはオレンジ色。電源を入れ直すと一瞬緑色になるものの、またオレンジ色に戻るそうです。
本体は動いている。でも、モニターが見つからない。
もしかして、画面へ映像を送るところで、何か起きている?
「電源コードしか刺さっていない」
父に、モニターにつながっているコードを確認してもらいました。



お父さん、モニターにはコードが2本付いてる?



電源コードしか刺さっとらんよ
映像を送るケーブルが抜けているのかもしれません。ただ、ここで私は、実家で使っているケーブルが本当にHDMIなのか、まだ確信が持てませんでした。
そこで、まずはケーブルの形を父と確認することにしました。
ChatGPTでHDMI端子のイラストを作り、実家のパソコンから印刷しました。実家にあるのはモノクロのレーザープリンターなので、影をつけず、形が分かりやすい白黒の線画にしました。
まず、この絵と同じ形のケーブルが近くにあるか確かめてもらう。それから、差し込んでもらおうと思ったのです。
ただ、父は視力が低下していて、小さな端子の形を見分けること自体が難しいのです。こちらで差し込み口を思い浮かべながら説明しても、父の手元が同じように見えているわけではありません。
ただ、図があっても、父はケーブルを差し込めませんでした。
形が分かればできる、というものでもないのですね。差し込み口の位置や向き、手元の見えづらさ。電話と絵では埋まらない難しさがありました。
無理をして端子を傷めてもいけないので、ここでいったん中止。ケーブルが怪しいとは思いましたが、まだ差し直せていないので、原因が分かったとは言い切れませんでした。
画面は真っ暗。でも、プリンターは働いてくれた


今回、ちょっとおもしろい発見もありました。
モニターが映らなくても、プリンターは使える。
考えてみれば、本体は動いているのですから、今回の実家の環境では印刷できたわけです。でも、真っ暗な画面の横で、プリンターから紙が出てくる。そのことが、なんだか心強く感じられました。
電話で伝えるだけでなく、後から読み返せるものを父の手元に残せる。画面が使えない間も、紙なら届けられます。
来週は帰省する予定だったので、父にはこう伝えました。



来週帰省したときに直すから、それまで待っていてね。緊急の連絡があればプリンターで印刷するから
ひとまず、今日はここまで。続きは帰省してから、のつもりでした。
午後、いつもの用事で来た姪が
ところが、その日の午後に助っ人が現れました。
姪です。父にとっては孫にあたります。
パソコンを直しに来たわけではありません。いつものように、お薬カレンダーに薬をセットするため、実家に来てくれたのでした。


そこで、姪にHDMIケーブルを差し込んでもらうことに。
私は横浜から、引き続き父のパソコンを遠隔で見ていました。
姪がケーブルを差し込んだ瞬間、画面がパッと、いつもの表示に戻りました。
640×480だった画面が、通常の解像度に。あんなに大きかったアイコンも、いつもの大きさです。
本当に、一瞬でした。


さっきまで、設定を見たり、再起動したり、図を作ったりしていたのに。ケーブルがつながったら、こんなにあっさり戻るんだ。
結構、感動しました。
父の目の前のモニターも、無事に映るようになりました。原因は、HDMIケーブルが抜けていたこと。来週の帰省を待たず、その日のうちに解決です。
横浜の私と、熊本の姪と、ケーブル一本
遠隔操作は便利です。父が「パソコンがつかない」と言っていても、本体は動いていると分かりました。設定も確認できるし、再起動も、印刷もできました。
でも、画面の向こうへ手を伸ばして、ケーブルを差すことはできません。
今回は、横浜にいる私が状態を調べ、熊本の実家に来た姪が手を貸してくれました。お薬カレンダーをセットしに来た、いつもの訪問が、そのままパソコン復旧の時間にもなりました。
離れて暮らす家族のサポートは、こんなふうに、あちこちにいる家族の手がつながって進むこともあるのですね。
そして、もう一つ。父に何か伝えたいときは、プリンターで紙を届ける方法もある。こちらも、これから出番がありそうです。
父の画面が戻った、その日の午後。横浜で見ていた私まで、パッと明るくなったような気がしました。
※イラストは記事の場面をもとにしたイメージです。

コメント